資材の発注の業務手順書テンプレート(建設業)
施工図から資材の数量を確定し、資材業者に見積・発注して、搬入日を調整し、納品時に検収して請求書と照合するまでの流れです。手順書にしておくと、数量の過不足、納期遅れによる工程の停止、二重発注を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 必要な資材を、必要な日に、正しい数量と単価で現場に届けるための手順です。
- 範囲
- 資材の数量確定から、発注・納期管理・検収・請求照合まで(協力会社の材工共分は除く)。
- 始まるきっかけ
- 施工図の承認後、工程表で資材の発注時期になったとき
- 頻度・量の目安
- 1現場あたり週に数件〜数十件
- 使う書類・システム
- 承認済み施工図、数量拾い表、実行予算書、資材業者の見積書・単価表、発注書・納品書・請求書
担当と役割
工事担当者
数量の確定、発注依頼、搬入日の調整、検収
購買担当
業者の選定、見積・単価の交渉、発注書の発行
工事部長
一定額以上の発注の承認
経理担当
請求書と納品書・発注書の照合
手順(11ステップ)
- 数量工事担当者・目安 1時間
1. 施工図から必要数量を拾い、ロスを加える
定尺や梱包単位を考え、工種ごとのロス率を加えます。
- 確かめること
- 実行予算の数量と大きくずれていないか
- できあがるもの
- 資材発注依頼書
2. 工程表から必要日と発注期限を決める
受注生産品(サッシ・鉄骨・設備機器)は製作期間を逆算して発注期限を決めます。
- 確かめること
- 製作に要する日数を業者に確認したか
- できあがるもの
- 資材の納期管理表
- 見積購買担当・目安 1日
3. 業者に見積を依頼し、単価を確認する
単価表がある資材は単価表と照合し、ない資材は相見積を取ります。
- 確かめること
- 価格の有効期限と、運搬費・荷揚げ費の扱いが書かれているか
- できあがるもの
- 見積書・比較表
4. 一定額以上の発注を承認する
実行予算との差額を確認します。
- 確かめること
- 予算超過の理由があるか
- できあがるもの
- 発注承認
- 発注購買担当・目安 15分
5. 発注書を発行する
品名・規格・数量・単価・納期・納入場所・支払条件を書きます。
- 確かめること
- 規格(型番・色・寸法)が施工図と一致しているか
- できあがるもの
- 発注書
- 発注購買担当・目安 10分
6. 注文請書または受注確認を受け取る
業者から納期の回答をもらい、納期管理表に入れます。
- 確かめること
- 回答納期が必要日に間に合うか
- できあがるもの
- 受注確認
- 搬入調整工事担当者・目安 10分
7. 搬入日時・車両・荷下ろし方法を業者と決める
車両の大きさ、クレーンやフォークリフトの要否、置場を決めます。
- 確かめること
- 同じ時間帯に他の搬入が重なっていないか
- できあがるもの
- 搬入予定表
8. 搬入時に納品書と現物を照合し、検収する
品名・規格・数量・傷の有無を確認し、納品書に受領サインをします。
- 確かめること
- 不足・破損があれば納品書に記入し写真を撮ったか
- できあがるもの
- 検収済み納品書
9. 月末に請求書を発注書・納品書と照合する
三点照合で、数量・単価・金額の差異を確認し、インボイスの記載事項を見ます。
- 確かめること
- 二重請求、単価違いがないか
- できあがるもの
- 照合済み請求書
10. 資材費を工事原価に計上する
工事番号ごとに計上し、実行予算との差を記録します。
- 確かめること
- 工事番号の付け間違いがないか
- できあがるもの
- 原価管理表の更新
- 保存経理担当・目安 随時
11. 発注書・請求書を保存する
メールやWebで受け取った請求書は電子データのまま検索できる形で保存します。
- 確かめること
- 電子取引データを紙に出力して済ませていないか
- できあがるもの
- 保存記録
締めのチェックリスト
- 数量にロスと梱包単位を見込んだか
- 製作期間から発注期限を決めたか
- 見積の有効期限と運搬費を確認したか
- 規格が施工図と一致するか
- 回答納期が必要日に間に合うか
- 搬入の重なりを確認したか
- 検収時に数量と破損を確認したか
- 三点照合をしたか
- インボイスの記載事項を確認したか
- 電子取引データを保存したか
よくあるミスと防ぎ方
受注生産品の発注遅れ
サッシや設備機器は製作に数週間かかります。工程表から逆算した発注期限を納期管理表で管理します。
規格違いの発注
色・寸法の違いは搬入後に気づきます。発注書の規格を承認済み施工図と照合します。
検収せずに受け取る
不足・破損を後から言っても認められにくくなります。搬入時に数量と状態を確認し、納品書に書きます。
測っておきたい指標
- 納期遅れによる工程停止の件数
- 資材費の予算差額
- 請求照合での差異件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
インボイス制度(消費税法)
資材の仕入税額控除のため、適格請求書の記載事項と登録番号を確認し保存します。
電子帳簿保存法(電子取引)
メールやWebで受け取った請求書等は、2024年1月から電子データのまま要件を満たして保存する必要があります。
取適法(旧下請法)との関係
既製品の購入は対象外ですが、自社の仕様で資材の製作を委託する場合は製造委託として取適法の対象になることがあります(資本金・従業員数の要件による)。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(建設・14業務)
- 「資材の発注」を含む14業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち5つは、自動化の候補です
よくある質問
- 資材の発注に取適法は関係しますか
- 市販品を買うだけなら対象外です。特注品を自社仕様で製作してもらう場合は製造委託に当たることがあり、資本金・従業員数の要件を満たせば発注書面の交付や60日以内の支払などが必要になります。
- 検収で不足が見つかったらどうしますか
- 納品書に不足数を書き、写真を撮って業者に連絡します。請求書がその数量で来ていないかを月末に照合します。
- 請求書の照合を早くするには
- 納品書と請求書をジンベイ GenOCRで読み取り、発注データと自動で突き合わせると、差異のある行だけを確認すれば済みます。