施工計画書の作成の業務手順書テンプレート(建設業)
契約図書と現地条件から、工程・施工方法・仮設・品質管理・安全管理・環境対策を決め、施工計画書にまとめて承諾を得るまでの流れです。手順書にしておくと、記載漏れによる差し戻しや、計画と現場のずれを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 誰が作っても、発注者・監理者に一度で承諾される施工計画書を作れるようにします。
- 範囲
- 契約後の着工準備から、総合施工計画書・工種別施工計画書の承諾と現場への周知まで。
- 始まるきっかけ
- 工事契約を締結し、現場代理人が決まったとき
- 頻度・量の目安
- 1工事につき総合1冊+工種別5〜20冊
- 使う書類・システム
- 契約図書(設計図・特記仕様書・共通仕様書)、現地調査記録、工程表、協力会社の施工要領書、発注者の施工計画書記載要領
担当と役割
現場代理人
全体の計画立案、施工計画書の取りまとめと提出
主任技術者・監理技術者
施工方法・品質管理の技術的な確認
協力会社の職長
工種別の施工要領の提出
工事部長
社内審査
手順(12ステップ)
- 準備現場代理人・目安 1時間
1. 契約図書を読み、施工計画書の記載項目を一覧にする
公共工事なら共通仕様書が求める項目(工事概要・計画工程表・現場組織表・主要機械・主要資材・施工方法・施工管理計画・安全管理・緊急時の体制・交通管理・環境対策・再生資源の利用など)を表にします。
- 確かめること
- 特記仕様書で追加された項目を拾ったか
- できあがるもの
- 記載項目の一覧
- 準備現場代理人・目安 30分
2. 現場組織と技術者の配置を決める
主任技術者または監理技術者、専門技術者、安全担当を決めます。
- 確かめること
- 技術者の資格と専任要否が工事金額に合っているか
- できあがるもの
- 現場組織表
- 工程現場代理人・目安 2〜4時間
3. 全体工程表を作る
工種ごとの日数を、天候・休日(週休2日)・近隣制約を入れて積み上げます。
- 確かめること
- 契約工期内に収まり、余裕日があるか
- できあがるもの
- 全体工程表
- 施工方法主任技術者・監理技術者・目安 半日〜2日
4. 主要工種の施工方法と使用機械を決める
掘削方法、揚重計画(クレーンの機種・設置位置)、コンクリート打設計画などを図で示します。
- 確かめること
- クレーンの作業半径と吊り荷重が足りるか、地耐力は十分か
- できあがるもの
- 施工方法の図と説明
- 仮設現場代理人・目安 半日
5. 仮設計画図を作る
仮囲い、ゲート、詰所、資材置場、仮設電気・水道、足場の範囲を配置図に描きます。
- 確かめること
- 搬入車両の動線と歩行者の動線が交わらないか
- できあがるもの
- 仮設計画図
- 品質主任技術者・監理技術者・目安 2時間
6. 品質管理計画(管理項目・頻度・基準)を作る
材料の受入検査、試験の頻度(例: 生コンのスランプ・空気量・強度試験)と規格値を表にします。
- 確かめること
- 規格値の出典(仕様書の該当箇所)を書いたか
- できあがるもの
- 品質管理計画表
- 安全現場代理人・目安 2時間
7. 安全管理計画と緊急時の連絡体制を作る
災害の想定(墜落・重機接触・熱中症)と対策、緊急連絡先、最寄りの病院を書きます。
- 確かめること
- 労働安全衛生法上の届出(足場・型枠支保工の計画届など)が必要か
- できあがるもの
- 安全管理計画・緊急連絡表
- 環境現場代理人・目安 1時間
8. 環境対策と建設副産物の処理計画を作る
騒音・振動・粉じん対策、産業廃棄物の種類ごとの処理業者と運搬経路を書きます。
- 確かめること
- 特定建設作業の届出や、建設リサイクル法の届出が必要か
- できあがるもの
- 環境対策・再生資源利用計画
- 工種別協力会社の職長・目安 依頼から3〜5日
9. 工種別の施工要領書を提出してもらう
作業手順、使用材料、品質の確認項目、安全上の注意を書いてもらいます。
- 確かめること
- 総合施工計画と矛盾がないか
- できあがるもの
- 工種別施工計画書の案
10. 社内審査を行い、指摘を反映する
チェックリストで記載漏れを確認し、技術的な指摘を戻します。
- 確かめること
- 指摘事項がすべて反映されたか
- できあがるもの
- 社内審査記録
11. 発注者・監理者に提出し、承諾を得る
提出日と版を記録し、差し戻しは修正履歴を残して再提出します。
- 確かめること
- 着手する工種の計画書が、着手前に承諾されているか
- できあがるもの
- 承諾済み施工計画書
- 周知現場代理人・目安 30分
12. 現場の朝礼・作業打合せで内容を周知する
職長に計画の要点を説明し、変更があれば計画書も改訂します。
- 確かめること
- 計画変更時に変更版を再提出したか
- できあがるもの
- 周知記録
締めのチェックリスト
- 記載項目の一覧と目次が一致しているか
- 技術者の配置と資格が工事金額に合っているか
- 工程が契約工期内か
- 揚重計画の能力を確認したか
- 仮設計画で動線が分かれているか
- 品質の規格値に出典があるか
- 緊急連絡表が最新か
- 必要な届出を洗い出したか
- 工種別計画書が着手前に承諾されているか
- 変更時に改訂・再提出したか
よくあるミスと防ぎ方
仕様書の項目漏れで差し戻し
特記仕様書の追加項目を見落としがちです。最初に記載項目の一覧を作り、目次と照合します。
前の現場の計画書の使い回し
現場名や数量が残ったまま提出してしまいます。固有の条件(地盤・近隣・揚重)を必ず書き直します。
計画と現場のずれ
計画変更を現場だけで決めて書類を直さないと、検査で指摘されます。変更は版を上げて再提出します。
測っておきたい指標
- 施工計画書の差し戻し回数
- 提出から承諾までの日数
- 計画変更の再提出漏れ件数
関係する法令・規格
建設業法26条(技術者の配置)
工事現場には主任技術者を置き、一定額以上の下請契約をする特定建設業者は監理技術者を置きます。
労働安全衛生法88条(計画の届出)
一定の高さ・期間の足場や型枠支保工などは、工事開始の30日前までに労働基準監督署長へ計画を届け出ます。
建設リサイクル法
一定規模以上の解体・新築工事等は、工事着手の7日前までに都道府県知事等へ届け出ます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(建設・14業務)
- 「施工計画書の作成」を含む14業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
12手順のうち2つは、自動化の候補です
よくある質問
- 施工計画書はいつまでに出しますか
- 通常は工事着手前、工種別は当該工種の着手前です。発注者の記載要領や特記仕様書に提出時期が書かれていればそれに従います。
- 協力会社の施工要領書をそのまま綴じてよいですか
- 内容が総合計画と合っていれば添付できますが、元請として確認した記録(確認印・日付)を残します。
- 過去の計画書を活用するには
- 過去の承諾済み計画書を工種別に整理しておくと下書きが早くなります。紙の計画書はジンベイ GenOCRでデータ化すると検索しやすくなります。