朝礼・KY活動の業務手順書テンプレート(建設業)
毎朝の全体朝礼で体調確認と作業の連絡調整を行い、班ごとにKY活動で当日の危険と対策を決めて記録するまでの流れです。手順書にしておくと、形だけのKYや、作業変更が伝わらないことによる事故を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- その日の作業に潜む危険を全員で共有し、対策を決めてから作業を始めるための手順です。
- 範囲
- 全体朝礼の準備から、班別KY、KY表の確認、作業中の見直しまで。
- 始まるきっかけ
- 毎作業日の始業前
- 頻度・量の目安
- 毎日・始業前15〜20分
- 使う書類・システム
- 前日の作業打合せ書(翌日の作業内容・重機・配置)、KY活動表、気象情報・暑さ指数(WBGT)、新規入場者リスト
担当と役割
現場代理人(元請職員)
全体朝礼の進行、作業間の連絡調整、KY表の確認
協力会社の職長
班のKY活動の進行、KY表の作成
作業員
体調の申告、危険の指摘、指差し呼称
安全衛生担当
熱中症指数・気象情報の確認、記録の保管
手順(11ステップ)
- 準備現場代理人(元請職員)・目安 10分
1. 前日の作業打合せ書から当日の作業と注意点をまとめる
作業場所が重なる班、重機の稼働範囲、立入禁止区域を朝礼メモにします。
- 確かめること
- 上下作業や重機と人の混在がないか
- できあがるもの
- 朝礼メモ
- 準備安全衛生担当・目安 5分
2. 天候と暑さ指数を確認する
強風(10分間の平均風速10m/s以上)・大雨・暑さ指数を確認します。
- 確かめること
- クレーン作業や高所作業を中止・延期する基準に当たるか
- できあがるもの
- 気象メモ
- 全体朝礼現場代理人(元請職員)・目安 5分
3. ラジオ体操のあと、当日の作業内容と危険箇所を伝える
各班の作業場所と時間帯、重機の配置、立入禁止区域を図で示します。
- 確かめること
- 職長全員が自班以外の作業も把握したか
- できあがるもの
- 全体朝礼の記録
- 全体朝礼協力会社の職長・目安 3分
4. 作業員の体調を確認する
顔色、睡眠、飲酒の有無、体調不良の申告を聞きます。
- 確かめること
- 体調不良者を高所・重機作業に就かせていないか
- できあがるもの
- 体調確認欄の記入
- 班別KY協力会社の職長・目安 3分
5. 当日の作業を手順に分けて書き出す
「足場を組む」ではなく「材料を荷揚げする」「建地を立てる」など手順ごとに書きます。
- 確かめること
- 作業手順が3〜5個に分かれているか
- できあがるもの
- KY表の作業欄
- 班別KY作業員・目安 3分
6. 手順ごとに「どんな危険があるか」を出し合う
「〜なので〜して〜になる」の形で、具体的に出します。
- 確かめること
- 抽象的な表現(気をつける等)になっていないか
- できあがるもの
- 危険のポイント
- 班別KY協力会社の職長・目安 3分
7. 重要な危険を1〜2個に絞り、対策を決める
墜落・挟まれ・重機接触など重大なものを優先し、「誰が」「何をする」で対策を書きます。
- 確かめること
- 対策が行動として確かめられる内容か(例: 安全帯のフックを親綱に掛けてから移動する)
- できあがるもの
- 対策・行動目標
- 班別KY作業員・目安 2分
8. 行動目標を指差し呼称で唱和し、KY表に署名する
全員で唱和し、参加者全員の名前を書きます。
- 確かめること
- 参加者の人数と作業員名簿の人数が合うか
- できあがるもの
- 署名済みKY表
9. KY表を確認し、不足があれば職長に追加の対策を指示する
危険の見落とし(他班との混在、開口部)がないかを見て確認印を押します。
- 確かめること
- 元請の確認印があるか
- できあがるもの
- 確認済みKY表
- 作業中現場代理人(元請職員)・目安 30分
10. 作業場所を巡視し、KYで決めた対策が守られているか見る
作業内容が変わったときはKYをやり直させます。
- 確かめること
- 作業変更時にKYをやり直したか
- できあがるもの
- 巡視記録
11. KY表を日付順に保管し、ヒヤリハットと合わせて振り返る
週の安全会議で、よく出る危険や守られなかった対策を共有します。
- 確かめること
- KY表の抜けている日がないか
- できあがるもの
- KY表綴り・週次の振り返り
締めのチェックリスト
- 気象・暑さ指数を確認したか
- 全体朝礼で作業間の調整をしたか
- 体調確認をしたか
- 作業を手順に分けたか
- 危険を具体的な文で書いたか
- 対策が行動で書かれているか
- 全員が署名したか
- 元請の確認印があるか
- 作業変更時にKYをやり直したか
- 巡視で対策の実施を確かめたか
よくあるミスと防ぎ方
毎日同じ内容のKY
「足元注意」が毎日続くと形だけになります。当日の作業手順に分けて書くと、日ごとの危険が出てきます。
職長だけで書いてしまう
作業員が関わらないと自分ごとになりません。危険の洗い出しは作業員に言ってもらいます。
作業変更が伝わらない
昼から作業が変わってもKYをやり直さない例が多いです。変更時の再KYをルールにします。
測っておきたい指標
- KY表の作成率(作業日数に対する割合)
- ヒヤリハットの報告件数
- 不安全行動の指摘件数
関係する法令・規格
労働安全衛生法30条(特定元方事業者)
元請は協議組織の運営、作業間の連絡調整、作業場所の巡視(毎作業日に少なくとも1回、労働安全衛生規則637条)などを行います。朝礼とKYはこの連絡調整の場として使われます。
クレーン等安全規則
強風(10分間の平均風速が毎秒10m以上)のときはクレーン作業を中止します。
労働安全衛生規則(熱中症対策)
2025年6月から、暑さ指数28度以上等の作業で熱中症のおそれがある者を早く見つけ、対応する体制と手順を作り、周知することが義務になりました。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(建設・14業務)
- 「朝礼・KY活動」を含む14業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち2つは、自動化の候補です
よくある質問
- KY活動は法律で義務ですか
- KY活動そのものを名指しした義務はありませんが、元請の連絡調整や巡視、事業者の危険防止措置を実際に行う方法として広く定着しています。
- KY表は何年保存しますか
- 法定の保存期間はありませんが、事故時の説明資料になるため、工事の竣工後も一定期間(例: 3年)保存する会社が多いです。
- 手書きのKY表を活用するには
- 手書きのKY表をジンベイ GenOCRで読み取って集計すると、よく出る危険や作業ごとの傾向を安全会議で示せます。