安全書類の作成・回収の業務手順書テンプレート(建設業)
協力会社に安全書類の提出を依頼し、全建統一様式の書類を回収・確認して、施工体制台帳と施工体系図にまとめるまでの流れです。手順書にしておくと、入場前の書類不備や、資格・保険の期限切れの見落としを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 入場前に、全協力会社の安全書類がそろい、内容が正しい状態にします。
- 範囲
- 協力会社の決定から、書類の回収・確認・台帳反映・変更時の再提出まで。
- 始まるきっかけ
- 下請契約を結び、協力会社の入場予定日が決まったとき
- 頻度・量の目安
- 1現場あたり協力会社10〜40社、入場前と変更のたび
- 使う書類・システム
- 全建統一様式(再下請負通知書、作業員名簿、施工体制台帳作成建設工事の通知、持込機械等の届など)、建設業許可証の写し、社会保険の加入状況が分かる資料、資格証の写し、建設キャリアアップシステム(CCUS)の情報
担当と役割
現場事務担当
提出依頼、回収状況の管理、督促
現場代理人
内容の確認、施工体制台帳・施工体系図の作成
協力会社の安全担当
安全書類の作成と提出
安全衛生担当
資格・健康診断・保険の確認
手順(11ステップ)
1. 提出書類の一覧と期限を協力会社に送る
入場予定日の1週間前を期限にし、必要な様式と記入例を添付します。
- 確かめること
- 二次以下の下請がいる場合の再下請負通知書の提出を伝えたか
- できあがるもの
- 提出依頼メール・回収チェック表
2. 届いた書類を回収チェック表に記録する
会社ごと・書類ごとに受領日を入れます。
- 確かめること
- 期限を過ぎた会社がないか
- できあがるもの
- 回収チェック表の更新
- 督促現場事務担当・目安 5分/社
3. 未提出の会社に督促する
期限の3日前と当日に連絡し、未提出なら入場できない旨を伝えます。
- 確かめること
- 督促した日と相手を記録したか
- できあがるもの
- 督促記録
4. 再下請負通知書の内容を確かめる
会社名、建設業許可番号と業種、工事内容、工期、主任技術者名、社会保険の加入状況を見ます。
- 確かめること
- 許可の業種と工事内容が合っているか、許可の有効期限内か
- できあがるもの
- 確認済み再下請負通知書
5. 作業員名簿を確かめる
生年月日、雇入時・特殊健康診断の日付、血圧、資格・特別教育、社会保険の加入を確認します。
- 確かめること
- 18歳未満や高齢者の就業制限、健康診断が1年以内か
- できあがるもの
- 確認済み作業員名簿
- 確認安全衛生担当・目安 10分/社
6. 資格証と持込機械の届を確かめる
車両系建設機械・玉掛け・足場の組立て等の資格証の写しと名簿を照合し、持込機械の点検記録を確認します。
- 確かめること
- 資格の種類が作業内容に合っているか
- できあがるもの
- 資格確認表
- 確認現場代理人・目安 5分/社
7. 社会保険の加入状況を確かめる
健康保険・厚生年金・雇用保険の加入状況を確認します。
- 確かめること
- 未加入の作業員がいる場合の扱いを社内ルールに沿って判断したか
- できあがるもの
- 社会保険加入確認
8. 施工体制台帳と施工体系図を作る
再下請負通知書の内容を台帳に反映し、施工体系図を現場の見やすい場所に掲示します(公共工事は公衆の見やすい場所にも)。
- 確かめること
- 下請総額が5,000万円(建築一式8,000万円)以上の民間工事、または公共工事で作成しているか
- できあがるもの
- 施工体制台帳・施工体系図
- 入場現場代理人・目安 15分
9. 入場可否を決め、新規入場者教育の対象者を確定する
書類がそろった会社だけ入場可とし、名簿から教育の対象者を拾います。
- 確かめること
- 不備が残る会社を入場させていないか
- できあがるもの
- 入場許可リスト
- 変更現場事務担当・目安 15分/件
10. 下請の追加・作業員の変更時に再提出を受ける
変更があれば遅滞なく通知書を出してもらい、台帳と体系図を更新します。
- 確かめること
- 台帳と掲示の体系図が同じ内容か
- できあがるもの
- 更新済み台帳
- 保管現場事務担当・目安 1時間
11. 竣工後に書類を整理して保管する
施工体制台帳は目的物の引渡しまで現場に備え、営業所で帳簿の添付書類として保存します。
- 確かめること
- 保存期間(5年)を管理しているか
- できあがるもの
- 保管箱・電子フォルダ
締めのチェックリスト
- 全社の再下請負通知書がそろったか
- 建設業許可の業種と期限を確かめたか
- 作業員名簿の健康診断日が1年以内か
- 資格証の写しと作業内容が合っているか
- 社会保険の加入状況を確かめたか
- 持込機械の点検記録があるか
- 施工体制台帳を作成要件どおりに作ったか
- 施工体系図を掲示したか
- 変更時に台帳と体系図を更新したか
- 未提出の会社を入場させていないか
よくあるミスと防ぎ方
書類はあるが中身を見ていない
名簿の健康診断日が古い、資格が違う、などは回収だけでは見つかりません。確認項目を表にして1社ずつ見ます。
再下請の把握漏れ
一次の会社が二次・三次を呼んでいることに気づかないことがあります。再下請負通知書の提出を契約条件にします。
期限切れの見落とし
許可や資格には期限があります。台帳に期限を入れ、工期中に切れるものを洗い出します。
測っておきたい指標
- 入場予定日時点の書類回収率
- 書類不備による入場遅れの件数
- 督促回数の平均
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
建設業法24条の8(施工体制台帳等)
特定建設業者が下請契約の総額5,000万円(建築一式8,000万円)以上の工事を施工するときは、施工体制台帳と施工体系図を作成します(2025年2月1日改正後の金額)。公共工事は入札契約適正化法により金額にかかわらず作成し、写しを発注者に提出します。
労働安全衛生法30条(特定元方事業者等の講ずべき措置)
元請は協議組織の設置、作業間の連絡調整、作業場所の巡視などを行い、関係請負人の安全管理を把握します。
労働安全衛生規則(特別教育・就業制限)
作業ごとに必要な資格・特別教育が定められています。名簿の資格欄と照合します。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(建設・14業務)
- 「安全書類の作成・回収」を含む14業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち5つは、自動化の候補です
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順1:提出書類の一覧と期限を協力会社に送る
- 手順2:届いた書類を回収チェック表に記録する
- 手順8:施工体制台帳と施工体系図を作る
よくある質問
- 施工体制台帳はどんな工事で必要ですか
- 民間工事では、特定建設業者が下請総額5,000万円(建築一式8,000万円)以上で施工するときです。公共工事は下請の金額にかかわらず必要です。
- 全建統一様式でないとだめですか
- 法令で様式が決められているわけではありませんが、必要な記載事項を満たし協力会社も慣れているため、全建統一様式を使うのが一般的です。
- 紙で届く安全書類の確認を早くするには
- 作業員名簿や再下請負通知書をジンベイ GenOCRで読み取り、健康診断日や許可の期限を表にすると、期限切れを自動で拾えます。