産業廃棄物の処理とマニフェスト管理の業務手順書テンプレート(建設業)
元請が排出事業者として、処理業者と委託契約を結び、搬出ごとにマニフェストを交付し、返送された票で処理の完了を確かめて保存・報告するまでの流れです。手順書にしておくと、返送期限の見落としや、許可のない業者への委託を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 建設工事で出る産業廃棄物を、法令どおりに委託・追跡し、記録を残すための手順です。
- 範囲
- 委託契約の締結から、搬出時の交付、返送の確認、年次報告、保存まで。
- 始まるきっかけ
- 工事で産業廃棄物(がれき類・木くず・廃プラスチック類・金属くず等)を搬出するとき
- 頻度・量の目安
- 1現場あたり週1〜数回の搬出
- 使う書類・システム
- 産業廃棄物処理委託契約書(収集運搬・処分それぞれ)、許可証の写し、マニフェスト(紙)または電子マニフェスト、マニフェスト管理台帳
担当と役割
現場代理人
排出事業者として委託契約・交付・確認を管理
工事担当者
搬出時のマニフェスト交付と数量の確認
収集運搬業者・処分業者
運搬・処分と票の返送
総務・環境担当
年次報告、許可の期限管理、保存
手順(10ステップ)
1. 収集運搬業者・処分業者とそれぞれ書面で委託契約を結ぶ
廃棄物の種類・量・運搬先・処分方法・料金を書き、許可証の写しを添付します。
- 確かめること
- 許可の区域・品目・有効期限が委託内容に合っているか
- できあがるもの
- 委託契約書
- 分別工事担当者・目安 随時
2. 現場で品目ごとに分別する
がれき類・木くず・廃プラスチック類・金属くず・混合廃棄物などに分けて置きます。
- 確かめること
- 石綿含有建材など特別な扱いが要るものが混ざっていないか
- できあがるもの
- 分別置場
- 交付工事担当者・目安 10分/回
3. 搬出のたびにマニフェストを交付する
品目・数量・運搬業者・処分業者・交付日を記入し、運搬業者に渡します(電子は3日以内に登録)。
- 確かめること
- 品目と数量が積込み物と一致するか
- できあがるもの
- 交付済みマニフェスト(A票控え)
4. 交付した内容を管理台帳に記録する
交付番号、日付、品目、数量、業者を記録します。
- 確かめること
- 交付番号の抜けがないか
- できあがるもの
- マニフェスト管理台帳
5. 運搬終了の票(B2票)の返送を確かめる
交付日から90日以内に運搬終了の票が戻るか確認します。
- 確かめること
- 期限を過ぎた票がないか
- できあがるもの
- 台帳の返送欄
6. 処分終了の票(D票)、最終処分終了の票(E票)の返送を確かめる
D票は交付から90日以内、E票は180日以内(特別管理産業廃棄物はD票60日)を目安に確認します。
- 確かめること
- 処分方法・処分日が契約どおりか
- できあがるもの
- 台帳の返送欄
- 措置現場代理人・目安 1時間
7. 期限内に返送がないときは状況を確認し、都道府県知事等に報告する
業者に確認し、期限から30日以内に措置内容を報告します。
- 確かめること
- 報告の要否を判断し記録したか
- できあがるもの
- 措置内容等報告書
8. 前年度の交付状況を都道府県知事等に報告する
紙のマニフェストを使った場合、毎年6月30日までに前年度分の交付等状況報告書を出します(電子マニフェストは情報処理センターが報告)。
- 確かめること
- 事業場(現場)ごとに集計したか
- できあがるもの
- 交付等状況報告書
- 保存総務・環境担当・目安 1時間
9. マニフェストの控えと返送票を5年間保存する
交付日・受領日ごとに整理して保存します。
- 確かめること
- 保存期間を管理しているか
- できあがるもの
- 保存箱・電子フォルダ
10. 業者の許可の有効期限を管理する
許可証の写しを更新ごとに取り直し、期限切れ前に確認します。
- 確かめること
- 期限切れの業者に委託していないか
- できあがるもの
- 許可期限一覧
締めのチェックリスト
- 収集運搬・処分の両方と契約したか
- 許可の区域・品目・期限を確認したか
- 分別して搬出したか
- 搬出ごとに交付したか
- 台帳に交付を記録したか
- B2票を90日以内に確認したか
- D票を90日以内に確認したか
- E票を180日以内に確認したか
- 前年度分を6月30日までに報告したか
- 5年間保存しているか
よくあるミスと防ぎ方
協力会社に任せきり
建設工事の廃棄物は元請が排出事業者です。協力会社名義で交付しない、元請が台帳で管理する運用にします。
返送期限の見落とし
票が戻らないことに気づかず、不法投棄に巻き込まれるおそれがあります。台帳で期限を自動表示します。
許可の期限切れ
業者の許可更新を確認しないまま委託してしまいます。許可期限一覧で管理します。
測っておきたい指標
- 返送期限超過の件数
- マニフェストの交付から台帳記録までの日数
- 再資源化率
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
廃棄物処理法21条の3
建設工事に伴う廃棄物は、原則として元請業者が排出事業者として処理責任を負います。
廃棄物処理法12条の3(産業廃棄物管理票)
搬出時に交付し、交付日から90日以内(特別管理産業廃棄物は60日)に処分終了、180日以内に最終処分終了の確認ができない場合は措置と報告が必要です。控えと返送票は5年間保存します。
廃棄物処理法施行令(委託基準)
収集運搬・処分それぞれの許可業者と書面で委託契約を結び、許可証の写しを添付します。
建設リサイクル法
特定建設資材(コンクリート・木材・アスファルト等)を用いた一定規模以上の工事では、分別解体と再資源化が義務づけられています。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(建設・14業務)
- 「産業廃棄物の処理とマニフェスト管理」を含む14業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち6つは、自動化の候補です
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順1:収集運搬業者・処分業者とそれぞれ書面で委託契約を結ぶ
- 手順4:交付した内容を管理台帳に記録する
- 手順5:運搬終了の票(B2票)の返送を確かめる
- 手順10:業者の許可の有効期限を管理する
よくある質問
- 下請が出した廃棄物は誰の責任ですか
- 建設工事では原則として元請業者が排出事業者です。一定の小規模な維持修繕工事などで下請が排出事業者になる例外があります。
- 電子マニフェストにすると何が変わりますか
- 登録は引渡しから3日以内に行い、年次報告は情報処理センターが代わりに行います。返送の確認もシステム上でできます。
- 紙マニフェストの管理を楽にするには
- 返送された票をジンベイ GenOCRで読み取り台帳と照合すると、期限内に戻っていない票を自動で抽出できます。