作業日報の作成の業務手順書テンプレート(建設業)
現場で毎日の出面(職種別の人数)、作業内容、使用機械、天候、進捗を日報に記録し、元請の確認を経て原価と工程の管理に使うまでの流れです。手順書にしておくと、出面の数え間違いや、出来高査定・労務費集計の根拠がない状態を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 毎日の作業実績を同じ書式で正確に残し、原価管理・工程管理・労働時間の把握に使えるようにします。
- 範囲
- 作業終了後の日報作成から、元請の確認、原価への集計、保管まで。
- 始まるきっかけ
- 毎作業日の終業時
- 頻度・量の目安
- 毎日・1現場あたり協力会社5〜20社分
- 使う書類・システム
- 作業日報(協力会社)、工事日報(元請)、工程表、出勤簿・入退場記録(CCUSの就業履歴)、重機・リース機械の伝票
担当と役割
協力会社の職長
自班の出面・作業内容・作業時間の記入
現場代理人
日報の確認、工事日報(元請)の作成
工事事務担当
出面・機械の集計、原価管理表への反映
工事部長
工程の遅れと原価の確認
手順(11ステップ)
- 記入協力会社の職長・目安 5分
1. 作業終了後に、職種別の人数と作業時間を書く
作業員ごとの開始・終了時刻、休憩、残業を書きます。
- 確かめること
- 入退場記録の人数と一致するか
- できあがるもの
- 作業日報(人数・時間)
- 記入協力会社の職長・目安 5分
2. 作業内容と場所、進み具合を書く
「3階 C通り 壁型枠 建込み 60%」のように、場所・工種・進捗を書きます。
- 確かめること
- 工程表の工種名と同じ言葉を使っているか
- できあがるもの
- 作業日報(作業内容)
- 記入協力会社の職長・目安 3分
3. 使用機械・搬入材料・残材を書く
重機の機種と稼働時間、搬入された材料の数量を書きます。
- 確かめること
- リース機械の稼働時間が伝票と合うか
- できあがるもの
- 作業日報(機械・材料)
- 記入協力会社の職長・目安 3分
4. ヒヤリハット・指示事項・翌日の予定を書く
元請からの指示や、図面の不明点も書きます。
- 確かめること
- 翌日の人数と作業が書かれているか
- できあがるもの
- 作業日報(連絡欄)
5. 協力会社の日報を確認し、確認印を押す
人数・作業内容が当日の巡視内容と合うかを見ます。
- 確かめること
- 水増しや記入漏れがないか
- できあがるもの
- 確認済み作業日報
- 元請日報現場代理人・目安 15分
6. 工事日報を作る
天候、気温、全体の出面、主要な作業、検査・立会、来訪者、事故の有無を書きます。
- 確かめること
- 雨天中止・作業中止の理由を書いたか
- できあがるもの
- 工事日報
7. 出面と機械稼働を集計し、原価管理表に入れる
協力会社別・職種別に人工(にんく)を月で集計します。
- 確かめること
- 常用(人工精算)分と請負分を分けたか
- できあがるもの
- 人工集計表
- 工程現場代理人・目安 10分
8. 工程表と実績を比べ、遅れを把握する
進捗率を工程表に記入し、遅れがあれば回復策を考えます。
- 確かめること
- 遅れが3日以上の工種を工事部長に報告したか
- できあがるもの
- 工程の実績記入
9. 元請職員の労働時間を集計する
日報と勤怠記録から時間外労働を集計し、上限に近い職員を確認します。
- 確かめること
- 月45時間・年360時間の原則を超えていないか(特別条項の範囲内か)
- できあがるもの
- 時間外労働の集計
- 報告工事部長・目安 15分
10. 週ごとに工程と原価の状況を確認する
人工の予算消化率と工程の進捗率を並べて見ます。
- 確かめること
- 予算消化が進捗より大きく先行していないか
- できあがるもの
- 週次の確認記録
11. 日報を工事ごとに保管する
紙は月ごとに綴じ、電子は工事番号のフォルダに保存します。
- 確かめること
- 全作業日の日報がそろっているか
- できあがるもの
- 日報綴り
締めのチェックリスト
- 人数が入退場記録と合っているか
- 作業時間と休憩が書かれているか
- 作業内容が場所・工種・進捗で書かれているか
- 機械の稼働時間が伝票と合うか
- ヒヤリハット・指示事項を書いたか
- 元請の確認印があるか
- 工事日報に天候と中止理由を書いたか
- 人工を原価管理表に集計したか
- 工程の遅れを把握したか
- 職員の時間外労働を確認したか
よくあるミスと防ぎ方
出面の数え間違い
途中入場・早退の人を数え忘れがちです。入退場記録やCCUSの就業履歴と突き合わせます。
作業内容が「型枠」だけ
場所と進捗がないと出来高査定や工程管理に使えません。工程表と同じ言葉で場所と割合を書きます。
日報をまとめ書きする
数日分をあとで書くと実態と合いません。当日の終業時に書く運用にします。
測っておきたい指標
- 日報の提出率(当日中)
- 人工の予算消化率と進捗率の差
- 日報の集計にかかる時間
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
労働基準法(時間外労働の上限規制)
建設業も2024年4月から上限規制が適用され、原則月45時間・年360時間、特別条項でも年720時間などの上限があります(災害の復旧・復興の事業には一部適用除外あり)。
労働安全衛生法66条の8の3
事業者は労働者の労働時間の状況を客観的な方法で把握し、記録を3年間保存します。
建設業法(帳簿の備付け)
日報そのものは帳簿の必須書類ではありませんが、下請代金の支払や出来高の根拠として保存しておくと説明に使えます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(建設・14業務)
- 「作業日報の作成」を含む14業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち4つは、自動化の候補です
よくある質問
- 協力会社の日報と元請の工事日報は両方要りますか
- 協力会社の日報は人数と作業の実績、元請の工事日報は現場全体の記録として役割が違います。両方そろえると、出来高査定や事故時の説明に使えます。
- 常用(人工精算)の請求と照合するには
- 日報の人工集計と協力会社の請求書の人工数を月末に突き合わせます。差があれば日付単位で確認します。
- 手書きの日報を集計するのが大変です
- 手書き日報をジンベイ GenOCRで読み取れば、人数や作業内容を表にでき、原価管理表への転記を減らせます。