工事写真の整理の業務手順書テンプレート(建設業)
撮影計画を立て、黒板(電子小黒板)に必要事項を書いて撮影し、工種・測点ごとに整理して写真台帳にまとめるまでの流れです。手順書にしておくと、埋め戻した後で撮り直せない写真の撮り忘れや、整理に何日もかかる状態を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 後から確認できない部分(配筋・埋設物・下地)を確実に記録し、検査と引渡しに使える写真台帳を作ります。
- 範囲
- 撮影計画の作成から、日々の撮影・整理、写真台帳の作成・提出まで。
- 始まるきっかけ
- 工事に着手するとき(撮影計画)と、毎日の作業終了時(整理)
- 頻度・量の目安
- 毎日・1現場あたり1日20〜200枚
- 使う書類・システム
- 共通仕様書・写真管理基準(発注者の基準)、工程表、撮影計画表、デジタルカメラ・電子小黒板アプリ、写真台帳
担当と役割
現場代理人
撮影計画の作成、写真台帳の確認と提出
工事担当者
撮影・黒板の記入・日々の整理
協力会社の職長
自社施工部分の撮影協力(配筋・埋設配管など)
工事事務担当
写真台帳の体裁整え・電子納品データの作成
手順(11ステップ)
- 計画現場代理人・目安 2時間
1. 発注者の写真管理基準を確認し、撮影項目を一覧にする
工種ごとに、撮影する時期(着手前・施工中・完成)と頻度、撮影箇所を表にします。
- 確かめること
- 不可視部分(配筋・埋設・防水下地・断熱材)の撮影を入れたか
- できあがるもの
- 撮影計画表
- 計画現場代理人・目安 30分
2. 工程表に撮影タイミングを書き込む
「コンクリート打設前に配筋検査写真」など、工程と撮影を紐づけます。
- 確かめること
- 打設・埋め戻しの前日に撮影予定が入っているか
- できあがるもの
- 撮影予定入りの工程表
- 撮影工事担当者・目安 1分/枚
3. 黒板に工事名・工種・測点・設計値・実測値を書く
電子小黒板を使う場合も記載項目は同じです。寸法は設計値と実測値を並べます。
- 確かめること
- 黒板の文字が写真で読める大きさか
- できあがるもの
- 黒板の記入
- 撮影工事担当者・目安 1〜3分/枚
4. 撮影対象と黒板、スケール(リボンロッド等)を一緒に撮る
全景と近景を撮り、寸法はスケールの目盛りが読めるように撮ります。
- 確かめること
- 対象・黒板・スケールが1枚に収まっているか
- できあがるもの
- 撮影データ
- 撮影協力会社の職長・目安 随時
5. 元請が立ち会えない部分を撮影し、当日中に共有する
撮影項目を事前に伝え、撮影後すぐ共有フォルダに上げてもらいます。
- 確かめること
- 撮影計画の項目と一致しているか
- できあがるもの
- 共有された写真
- 確認工事担当者・目安 5分
6. 撮影直後に写真を確認し、不足があればその場で撮り直す
ピンぼけ・黒板の読めない写真・スケールの不足を確認します。
- 確かめること
- 埋め戻し・打設の前に撮り直したか
- できあがるもの
- 確認済み写真
7. その日のうちに工種・種別・測点ごとのフォルダに分ける
写真のファイル名や属性に撮影日・工種・測点を入れます。
- 確かめること
- 写真を加工(明るさ・トリミング等)していないか
- できあがるもの
- 整理済みフォルダ
8. 撮影計画表に撮影済みを記録する
撮影日と枚数を記入し、未撮影の項目を洗い出します。
- 確かめること
- 今週撮る予定で未撮影のものがないか
- できあがるもの
- 撮影計画表の更新
9. 写真台帳を作る
1ページ3枚などの書式に、写真と説明(工種・測点・設計値・実測値)を並べます。
- 確かめること
- 写真と説明の対応がずれていないか
- できあがるもの
- 写真台帳
- 確認現場代理人・目安 1時間
10. 写真台帳を確認する
撮影計画と台帳を照合し、抜けがないか確認します。
- 確かめること
- 不可視部分の写真がすべてあるか
- できあがるもの
- 確認済み写真台帳
- 提出工事事務担当・目安 半日
11. 発注者の指定形式で提出する
公共工事は電子納品の基準に沿ってデータを作り、写真の信憑性確認(改ざん検知)機能に対応したアプリの写真を使います。
- 確かめること
- チェックシステムでエラーがないか
- できあがるもの
- 提出データ・紙の台帳
締めのチェックリスト
- 撮影計画表に不可視部分が入っているか
- 工程表に撮影予定を書いたか
- 黒板の記載事項がそろっているか
- スケールの目盛りが読めるか
- 撮影直後に確認したか
- 当日中に整理したか
- 写真を加工していないか
- 撮影計画と台帳を照合したか
- 写真と説明が対応しているか
- 提出形式のチェックを通したか
よくあるミスと防ぎ方
埋め戻し後に撮り忘れに気づく
不可視部分は撮り直せません。工程表に撮影予定を書き、前日に担当を決めます。
写真の整理を月末にまとめてする
どの測点の写真か分からなくなります。当日中にフォルダ分けし、撮影計画表に記録します。
写真の加工
明るさ調整やトリミングでも改ざんと見なされることがあります。公共工事の写真は加工しないのが原則です。
測っておきたい指標
- 撮り忘れ・撮り直しの件数
- 写真台帳の作成時間
- 検査での写真指摘件数
関係する法令・規格
写真管理基準(各発注者の共通仕様書)
撮影項目・頻度・黒板の記載事項・提出方法は発注者の基準で決まります。国土交通省の工事では写真管理基準とデジタル写真管理情報基準に従います。
電子小黒板の使用
国土交通省の工事では、改ざん検知機能(信憑性確認)を備えた電子小黒板の使用が認められています。
建設業法(営業に関する図書)
発注者から直接請け負った工事では、完成図や打合せ記録などを10年間保存します。写真台帳もあわせて保存しておくと説明に使えます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(建設・14業務)
- 「工事写真の整理」を含む14業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち3つは、自動化の候補です
よくある質問
- 黒板には何を書けばよいですか
- 工事名、工種・種別、測点(位置)、設計寸法と実測寸法、撮影日が基本です。発注者の写真管理基準に指定があればそれに従います。
- 写真の明るさを直してもよいですか
- 公共工事では写真の編集は原則として認められていません。暗い場合は撮り直します。
- 写真台帳の作成を早くするには
- 写真の属性情報(工種・測点)から台帳に自動で並べる仕組みを作ると、月末の作業が大きく減ります。ジンベイ GenRPAで台帳ソフトへの貼り込みを自動化する方法もあります。