固定資産管理の業務手順書テンプレート(業種共通)
資産を取得したら金額と用途で処理を判定し、台帳に登録して減価償却を計算し、年1回は現物と照合します。手順書にしておくと、資産と費用の判定ミス、廃棄した資産の計上残り、償却の誤りを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 固定資産を正しく計上・償却し、台帳と現物をいつも一致させることを目的にします。
- 範囲
- 資産の取得から、台帳登録、減価償却、移動、現物確認、売却・除却まで。償却資産の申告は別の手順書で扱います。
- 始まるきっかけ
- PC・機械・車両・ソフトウェアなどを購入・リース・自社制作したとき
- 頻度・量の目安
- 取得は随時・償却は毎月・現物確認は年1回
- 使う書類・システム
- 請求書・契約書、固定資産台帳、耐用年数表(国税庁)、資産の配置図
担当と役割
購入部門の担当
取得の申請、設置場所の報告
経理担当
処理の判定、台帳登録、償却計算
総務担当
管理番号シールの貼付、現物確認
経理責任者
判定と除却の承認
手順(10ステップ)
- 判定経理担当・目安 1件5分
1. 取得価額(付随費用を含む)で処理を判定する
10万円未満は消耗品費、20万円未満は一括償却資産(3年)も選べる。中小企業者等は40万円未満の特例(年合計300万円まで、令和8年4月1日以後の取得から)も検討する。
- 確かめること
- 付随費用(送料・設置費)を含めて判定したか
- できあがるもの
- 判定結果
- 判定経理担当・目安 1件10分
2. 修理・改良の支出は修繕費か資本的支出かを判定する
20万円未満、または3年以内の周期で行う修理は修繕費にできる。判断が難しい場合は税理士に確認する。
- 確かめること
- 判定の根拠を記録したか
- できあがるもの
- 判定記録
3. 固定資産台帳に資産名・取得日・事業供用日・取得価額・耐用年数・償却方法・設置場所を登録する
耐用年数は国税庁の耐用年数表で、資産の種類・構造・細目から選ぶ。
- 確かめること
- 事業供用日(使い始めた日)を入れたか
- できあがるもの
- 台帳の1行
- 登録総務担当・目安 1件3分
4. 現物に管理番号のシールを貼り、設置場所と管理者を記録する
管理番号は台帳と同じ番号にする。
- 確かめること
- シールの番号と台帳の番号が一致するか
- できあがるもの
- 管理番号シール
5. 毎月または期末に減価償却費を計算し計上する
期中取得は事業供用日から月割りで計算する。
- 確かめること
- 台帳の償却費合計と仕訳が一致するか
- できあがるもの
- 減価償却の仕訳
6. 資産を別の部署・拠点に移したら総務に報告する
部門別の償却費の配分と償却資産の申告先(市区町村)に影響する。
- 確かめること
- 台帳の設置場所を更新したか
- できあがるもの
- 移動の記録
- 現物確認総務担当・目安 半日〜1日
7. 年1回、台帳の一覧を持って現物を確認する
管理番号シールと台帳を照合し、見つからない資産・台帳にない資産を一覧にする。
- 確かめること
- 全件の有無を確認したか
- できあがるもの
- 現物確認表
8. 廃棄・売却する場合は除却申請を出す
廃棄の証明(業者の受領書・写真)を残す。
- 確かめること
- 除却申請に承認があるか
- できあがるもの
- 除却申請
- 除却経理担当・目安 1件10分
9. 除却日で台帳から外し、除却損・売却損益を計上する
償却資産の申告で「減少資産」として報告する対象にする。
- 確かめること
- 台帳と会計の帳簿価額が一致するか
- できあがるもの
- 除却の仕訳
- 照合経理責任者・目安 30分
10. 期末に台帳の帳簿価額合計と会計の残高を照合する
差がある場合は登録漏れ・除却漏れを調べる。
- 確かめること
- 差額0円か
- できあがるもの
- 照合表
締めのチェックリスト
- 付随費用を含めて取得価額を判定した
- 修繕費と資本的支出の判定根拠を記録した
- 事業供用日を台帳に入れた
- 耐用年数を耐用年数表で確認した
- 管理番号シールを貼った
- 償却費を台帳どおりに計上した
- 移動・除却を台帳に反映した
- 年1回の現物確認をした
- 台帳と会計の残高が一致した
よくあるミスと防ぎ方
送料・設置費を含めずに判定する
取得価額には付随費用が入ります。本体だけで判定すると、資産にすべきものを費用にしてしまいます。
買った日から償却を始める
償却は使い始めた日(事業供用日)からです。倉庫に置いたままの資産は償却できません。
廃棄した資産が台帳に残る
償却資産税を払い続けることになります。廃棄時に除却申請を出すルールと、年1回の現物確認で防ぎます。
測っておきたい指標
- 台帳と現物の不一致件数
- 資産・費用の判定の修正件数
- 除却の反映漏れ件数
関係する法令・規格
10万円未満は損金算入、20万円未満は3年で均等償却を選べる
令和8年度改正で40万円未満に引き上げ(年300万円まで、令和8年4月1日以後取得、令和11年3月31日まで)
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「固定資産管理」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち4つは、自動化の候補です
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順3:固定資産台帳に資産名・取得日・事業供用日・取得価額・耐用年数・償却方法・設置場所を登録する
- 手順6:資産を別の部署・拠点に移したら総務に報告する
- 手順8:廃棄・売却する場合は除却申請を出す
よくある質問
- 10万円未満のPCはどう処理しますか?
- 消耗品費として費用にできます。ただし情報漏えい対策のため、備品・IT資産の台帳では管理を続けることをおすすめします。
- 40万円未満の特例は誰でも使えますか?
- 青色申告をしている中小企業者等で、常時使用する従業員が400人以下などの要件があります。年間の合計は300万円までです。
- ソフトウェアも固定資産ですか?
- 購入・制作したソフトウェアは無形固定資産として、通常5年(自社利用)で償却します。クラウドサービスの利用料は費用です。