請求書発行の業務手順書テンプレート(業種共通)
締め日に売上データを確定し、得意先ごとに請求書を作り、上長の確認を経て送付・保存します。手順書にしておくと、請求漏れ・二重請求・インボイスの記載漏れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 得意先への請求を、締め日から決まった日数で正確に送ることを目的にします。担当が変わっても同じ品質で発行できるようにします。
- 範囲
- 締め日の売上確定から、請求書の送付、控えの保存、売掛金台帳への反映まで。入金消込は別の手順書で扱います。
- 始まるきっかけ
- 毎月の締め日(例: 20日締め・月末締め)を迎えたとき
- 頻度・量の目安
- 月1回(締め日ごと)・得意先30〜200社
- 使う書類・システム
- 販売管理システムの売上明細、得意先マスタ(締め日・送付方法・登録番号)、納品書控え・検収書、前回請求の残高
担当と役割
経理担当
売上データの確定、請求書の作成・送付
営業担当
値引き・返品・単価変更の有無を締め前に連絡
経理責任者
請求金額と送付先の最終確認、承認
手順(11ステップ)
- 締め準備経理担当・目安 15分
1. 締め日の3営業日前に営業へ未計上の売上・値引き・返品がないか確認を依頼する
依頼はメールか社内チャットで送り、回答期限を締め日の翌営業日正午にする。
- 確かめること
- 全営業担当から回答があるか
- できあがるもの
- 未計上連絡の一覧
- 締め準備営業担当・目安 30分
2. 手元の納品書控え・検収書と販売管理システムの売上明細を突き合わせる
納品済みなのに売上が入っていないもの、単価が見積と違うものを探す。
- 確かめること
- 納品書の件数と売上明細の件数が一致するか
- できあがるもの
- 差異の連絡
- 売上確定経理担当・目安 10分
3. 締め日で販売管理システムの売上を確定(ロック)する
確定後の変更は「赤黒訂正」で行うルールにし、上書き修正をしない。
- 確かめること
- 確定日時がシステムに記録されたか
- できあがるもの
- 確定済みの売上データ
4. 得意先マスタの締め日・請求書の様式・送付方法を確認して請求書を一括作成する
得意先指定の様式がある場合は別に作る。合計請求書か明細請求書かもマスタで決めておく。
- 確かめること
- 締め日が今回の対象と一致する得意先だけが出力されているか
- できあがるもの
- 請求書データ(PDF)
- 作成経理担当・目安 1件1分
5. インボイスの記載事項を確認する
登録番号、取引年月日、取引内容(軽減税率対象の表示)、税率ごとの合計額と適用税率、税率ごとの消費税額、交付先の名称の6点を見る。
- 確かめること
- 消費税額の端数処理が税率ごとに1回になっているか
- できあがるもの
- 記載事項チェック済みの請求書
- 作成経理担当・目安 20分
6. 前回請求額・入金額・繰越額の欄を売掛金台帳と照合する
入金消込が終わっていない得意先は繰越額がずれるので、消込を先に済ませる。
- 確かめること
- 繰越額が売掛金台帳の残高と一致するか
- できあがるもの
- 照合済みの請求書
7. 請求一覧表で前月比の大きい得意先と新規得意先を重点的に確認し承認する
前月比で50%以上増減した得意先は理由を営業に聞く。
- 確かめること
- 金額の大きい上位10社の明細を見たか
- できあがるもの
- 承認記録
8. 得意先ごとの送付方法(郵送・メール・Webの請求書サービス)で送る
メール送付は宛先を得意先マスタの請求先担当から引用し、手入力しない。
- 確かめること
- 宛先と請求書の会社名が一致するか
- できあがるもの
- 送付済みの記録
- 送付経理担当・目安 30分
9. 郵送分は封入前に請求書と封筒の宛名を1社ずつ照合する
窓付き封筒を使い、宛名の書き間違いをなくす。
- 確かめること
- 封入枚数と請求書の枚数が一致するか
- できあがるもの
- 郵送記録
- 保存経理担当・目安 10分
10. 請求書の控えを取引年月日・取引先・金額で検索できる形で保存する
電子で送った控えはPDFのままフォルダに保存し、ファイル名を「日付_取引先_金額」にそろえる。
- 確かめること
- 保存先とファイル名のルールどおりか
- できあがるもの
- 保存済みの控え
- 記録経理担当・目安 15分
11. 送付日を請求一覧に記入し、入金予定日を売掛金台帳に入れる
回収条件(例: 月末締め翌月末払い)から入金予定日を出す。
- 確かめること
- 入金予定日が全件入っているか
- できあがるもの
- 更新した売掛金台帳
締めのチェックリスト
- 締め日で売上を確定(ロック)した
- 営業から未計上・値引き・返品の連絡をすべて受けた
- インボイスの記載事項6点を確認した
- 消費税の端数処理が税率ごとに1回になっている
- 繰越額が売掛金台帳と一致した
- 前月比で大きく増減した得意先の理由を確認した
- 送付先と請求書の会社名を照合した
- 控えを検索できる形で保存した
- 入金予定日を売掛金台帳に入れた
よくあるミスと防ぎ方
締め後に売上が追加され請求漏れになる
締め前の確認依頼に回答期限を設けていないのが原因です。確定後の追加は翌月請求に回すか、追加請求書を出すかを事前に決めておきます。
明細ごとに消費税を端数処理してしまう
インボイスでは1つの請求書につき税率ごとに1回の端数処理です。システムの設定を一度確認しておきます。
別の会社の請求書をメールで送る
宛先を手入力すると起きます。マスタから宛先を引用し、送信前に会社名を声に出して確認します。
測っておきたい指標
- 締め日から請求書送付までの日数
- 請求書の訂正・再発行の件数
- 請求漏れの件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
請求書に登録番号・税率ごとの対価の額と消費税額などの記載が必要
メール・Web・電子契約で受け取った請求書等は電子データのまま検索できる形で保存(2024年1月から義務)
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「請求書発行」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち3つは、自動化の候補です
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順4:得意先マスタの締め日・請求書の様式・送付方法を確認して請求書を一括作成する
- 手順8:得意先ごとの送付方法(郵送・メール・Webの請求書サービス)で送る
よくある質問
- 請求書の控えは紙で保存しないといけませんか?
- 紙で発行した控えは紙で保存できます。メールで送った請求書は電子データのまま保存する必要があります(電子帳簿保存法)。
- 登録番号は毎回印字が必要ですか?
- はい。適格請求書の記載事項です。請求書の様式に固定で入れておくと漏れません。
- 締め後に返品が出た場合はどうしますか?
- 確定した請求は書き換えず、翌月の請求でマイナス計上するか、返品分の返還インボイスを出します。どちらにするかは得意先と事前に決めておきます。