小口現金管理の業務手順書テンプレート(業種共通)
少額の支払に使う手元の現金を、出納帳に記録し、毎日の残高を数えて照合し、定額に補充します。手順書にしておくと、現金の過不足や私的流用、領収書の紛失を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 手元現金と出納帳の残高をいつも一致させ、不正や紛失を起こさないことを目的にします。
- 範囲
- 小口現金からの支払、出納帳の記帳、日々の残高確認、定額への補充、月末の締めまで。
- 始まるきっかけ
- 社員が少額の現金支払を依頼したとき、および毎日の終業時
- 頻度・量の目安
- 毎日・1日数件(定額 例: 5万円・10万円)
- 使う書類・システム
- 小口現金出納帳、金種表、領収書・レシート、仮払申請書
担当と役割
小口現金係
支払、出納帳の記帳、残高の確認
経理責任者
月末の立会い、補充の承認
依頼者(社員)
支払依頼と領収書の提出
手順(10ステップ)
1. 支払が必要なときは仮払申請書に目的と予定額を書いて依頼する
精算額が仮払額と違えば差額を返金・追加で受け取る。
- 確かめること
- 申請に上長の承認があるか
- できあがるもの
- 仮払申請
- 支払小口現金係・目安 1件2分
2. 現金を渡すときに仮払簿へ日付・相手・金額を記録し、受領サインをもらう
仮払いは原則として翌営業日までに精算する。
- 確かめること
- 受領サインがあるか
- できあがるもの
- 仮払簿の1行
- 精算小口現金係・目安 1件2分
3. 領収書を受け取り、仮払額との差額を精算する
領収書の日付・金額・内容を確認し、私的な品物が含まれていないかを見る。
- 確かめること
- 領収書の金額と精算額が一致するか
- できあがるもの
- 精算済みの領収書
4. 出納帳に日付・摘要・勘定科目・金額・残高を記入する
摘要には「何を・誰が・何のために」を短く書く。
- 確かめること
- 記帳後の残高が計算上正しいか
- できあがるもの
- 出納帳の1行
- 残高確認小口現金係・目安 10分
5. 終業時に金種表で現金を数え、出納帳の残高と照合する
紙幣・硬貨の枚数を金種ごとに数え、合計を出す。
- 確かめること
- 現金の合計と出納帳の残高が一致するか
- できあがるもの
- 金種表
- 過不足小口現金係・目安 15分
6. 一致しない場合はその日の領収書と記帳を見直し、原因がわからなければ責任者に報告する
原因不明の差額は現金過不足として記録し、勝手に補てんしない。
- 確かめること
- 報告日時と差額を記録したか
- できあがるもの
- 過不足の記録
- 保管小口現金係・目安 2分
7. 現金・出納帳は鍵のかかる金庫に保管し、鍵の管理者を決める
鍵を持つ人は2名までにし、貸し借りを記録する。
- 確かめること
- 金庫を施錠したか
- できあがるもの
- 施錠の記録
- 補充小口現金係・目安 15分
8. 残高が一定額を下回ったら、使った分の領収書をまとめて補充を申請する
定額資金前渡制にすると、使った額=補充額になり管理しやすい。
- 確かめること
- 領収書の合計と補充申請額が一致するか
- できあがるもの
- 補充申請
- 補充経理責任者・目安 15分
9. 補充申請を承認し、口座から引き出した現金を補充する
引き出しと補充は別の人が立ち会う。
- 確かめること
- 補充後の残高が定額になったか
- できあがるもの
- 補充の記録
- 月末経理責任者・目安 20分
10. 月末に抜き打ちを含めて現金の実査に立ち会い、出納帳と会計の残高を照合する
実査は担当者以外が行う。
- 確かめること
- 現金・出納帳・会計の3つの残高が一致するか
- できあがるもの
- 実査記録
締めのチェックリスト
- 仮払いに受領サインがある
- 仮払いを翌営業日までに精算した
- 領収書に私的な品物が含まれていない
- 出納帳の残高計算が正しい
- 終業時の現金と出納帳が一致した
- 過不足を勝手に補てんしていない
- 金庫を施錠した
- 補充額が使った領収書の合計と一致する
- 月末の実査で3つの残高が一致した
よくあるミスと防ぎ方
過不足を担当者が自腹で合わせる
原因がわからなくなり、不正の発見も遅れます。差額は必ず記録して責任者に報告します。
仮払いが精算されずに残る
仮払簿の確認を毎日の残高確認に組み込み、2日を過ぎたものは本人に連絡します。
1人で出納・記帳・補充をすべて行う
不正の温床になります。補充と月末の実査は別の人が行う体制にします。
測っておきたい指標
- 現金過不足の発生回数
- 仮払いの未精算件数
- 小口現金の月間使用額
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
3万円未満の公共交通機関の運賃などは領収書がなくても帳簿の記載で控除できる
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「小口現金管理」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち2つは、自動化の候補です
よくある質問
- 小口現金はなくしたほうがよいですか?
- 法人カードや立替精算に切り替えると現金の管理負担は減ります。郵便の着払いなど現金が必要な場面が残るなら、定額を小さくして続けるのも一つの方法です。
- 現金過不足はどう処理しますか?
- 原因がわかるまでは「現金過不足」で記録し、決算までに判明しなければ雑損失・雑収入に振り替えます。
- 金種表は毎日必要ですか?
- 毎日作ることで、差額が出た日をすぐに特定できます。様式を決めておけば数分で終わります。