月次決算の業務手順書テンプレート(業種共通)
月末から決まった日数で、売上・仕入・経費・残高を確定し、試算表と月次報告を作ります。手順書にしておくと、締めが遅れる原因(証憑の回収待ち・照合の手戻り)が見え、担当者が休んでも締められます。
この手順書の範囲
- 目的
- 毎月の業績と財政状態を、決まった日(例: 翌月第5営業日)までに正しく経営に報告することを目的にします。
- 範囲
- 月末の締めから、計上・照合・決算整理・試算表の確認・経営への報告まで。年次決算の特有の作業は別の手順書で扱います。
- 始まるきっかけ
- 毎月の月末
- 頻度・量の目安
- 月1回・翌月第5〜10営業日に完了
- 使う書類・システム
- 月次決算スケジュール表、会計システム、売掛金・買掛金の台帳、預金・カードの明細、在庫表、固定資産台帳
担当と役割
経理担当
計上・照合・決算整理仕訳
各部門の担当
請求書・経費申請・在庫数の期限内提出
経理責任者
試算表のチェック、月次報告の作成
経営者
月次報告の確認
手順(11ステップ)
- 準備経理責任者・目安 15分
1. 月末の5営業日前に、各部門へ提出物と期限を案内する
請求書・経費申請・在庫数・勤怠など、何をいつまでに出すかを一覧で送る。
- 確かめること
- 全部門に案内が届いたか
- できあがるもの
- 締めの案内
2. 売上を確定し、売掛金台帳と会計の売上を一致させる
販売管理システムの月次売上と会計の売上高を比べる。
- 確かめること
- 差額0円か
- できあがるもの
- 売上の確定
- 計上経理担当・目安 1時間
3. 仕入・外注費・経費を計上し、請求書未着分は見積で未払計上する
未着の一覧を作り、翌月に届いたら差額を調整する。
- 確かめること
- 未着の一覧が作ってあるか
- できあがるもの
- 仕入・経費の計上
4. 預金残高を通帳・インターネットバンキングの残高と照合する
月末残高の証明として明細のPDFを保存する。
- 確かめること
- 全口座の残高が一致するか
- できあがるもの
- 預金残高の照合表
- 照合経理担当・目安 40分
5. 売掛金・買掛金・仮払金・仮受金の残高を補助簿と照合する
仮勘定は中身を一覧にし、翌月に持ち越す理由を書く。
- 確かめること
- 仮勘定に理由のない残高がないか
- できあがるもの
- 残高の照合表
- 整理経理担当・目安 30分
6. 減価償却費・賞与引当金・前払費用などの月割り計上を入れる
年額を12で割った額を毎月計上し、月による利益のぶれを抑える。
- 確かめること
- 月割り計上の一覧どおりに入れたか
- できあがるもの
- 決算整理仕訳
- 整理経理担当・目安 20分
7. 在庫を計上する(実地棚卸または帳簿在庫)
月次は帳簿在庫、四半期・期末は実地棚卸と決めるなど基準を統一する。
- 確かめること
- 在庫金額の根拠資料があるか
- できあがるもの
- 在庫の計上
- 確認経理責任者・目安 1時間
8. 試算表を前月・前年同月・予算と比べ、大きな増減の理由を確認する
差が一定(例: 20%かつ50万円)を超える科目は内訳を見る。
- 確かめること
- 増減理由がすべて説明できるか
- できあがるもの
- 増減分析
- 確認経理責任者・目安 30分
9. マイナス残高・科目違い・税区分の誤りがないか確認する
資産科目のマイナス、消費税の区分違いは毎月チェックする。
- 確かめること
- 異常な残高がないか
- できあがるもの
- チェック済みの試算表
- 報告経理責任者・目安 1時間
10. 月次報告(損益・資金・主要KPI)を作り、経営者に報告する
数字に加えて、増減の理由と翌月の見通しを短く書く。
- 確かめること
- 締め切り日までに報告したか
- できあがるもの
- 月次報告書
- 振り返り経理責任者・目安 15分
11. 締めが遅れた作業と原因を記録し、翌月の案内に反映する
遅れの多い提出物は期限の前倒しやリマインドを増やす。
- 確かめること
- 遅れの原因を記録したか
- できあがるもの
- 振り返りメモ
締めのチェックリスト
- 各部門に提出物と期限を案内した
- 売上が販売管理と会計で一致した
- 請求書未着分を未払計上した
- 全口座の預金残高が一致した
- 仮勘定の中身と理由を確認した
- 月割りの決算整理仕訳を入れた
- 在庫を計上した
- 大きな増減の理由を確認した
- 異常な残高・税区分の誤りがない
- 期限内に経営へ報告した
よくあるミスと防ぎ方
証憑待ちで締めが遅れる
請求書が届くのを待っていると遅れます。見積で未払計上し、翌月に差額を調整するルールにします。
仮勘定がたまっていく
中身のわからない仮払金・仮受金が年末に問題になります。毎月一覧にし、持ち越す理由を書きます。
前月比を見ないで報告する
計上漏れや二重計上は増減分析で見つかります。科目ごとに前月・前年と比べる手順を省きません。
測っておきたい指標
- 月次決算の完了日(翌月第何営業日か)
- 締め後の修正仕訳の件数
- 提出物の期限遅れの件数
この業務で残す書類の保存期間
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「月次決算」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち2つは、自動化の候補です
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順2:売上を確定し、売掛金台帳と会計の売上を一致させる
- 手順4:預金残高を通帳・インターネットバンキングの残高と照合する
よくある質問
- 月次決算は何日で終わらせるのが目安ですか?
- 翌月第5〜10営業日が多いです。まずは今の日数を測り、遅れる作業から短くします。
- 月次で減価償却費を計上する必要はありますか?
- 法律上の義務ではありませんが、年額を月割りで計上すると毎月の利益が実態に近くなり、決算時の調整も小さくなります。
- 毎月実地棚卸をすべきですか?
- 負担が大きい場合は、月次は帳簿在庫、四半期や期末に実地棚卸とする方法があります。基準を決めて続けることが大切です。