買掛金管理の業務手順書テンプレート(業種共通)
検収した仕入を買掛金に計上し、請求書と照合し、月末に仕入先ごとの残高を確かめます。手順書にしておくと、仕入の計上漏れ・残高の食い違い・支払漏れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 仕入先ごとの買掛金残高を正しく保ち、支払を漏れなく予定に載せることを目的にします。
- 範囲
- 検収時の仕入計上から、請求書との照合、月末の残高照合、支払予定の作成まで。
- 始まるきっかけ
- 物品・サービスの検収が終わったとき、および月末
- 頻度・量の目安
- 毎日の計上・月1回の残高照合(仕入先20〜200社)
- 使う書類・システム
- 発注書、納品書・検収記録、請求書、購買管理システム・会計システム、仕入先マスタ
担当と役割
購買担当
発注・検収の記録
経理担当
仕入計上、請求書との照合、残高照合
経理責任者
差異の処理と残高の承認
手順(10ステップ)
1. 検収が終わったら購買管理システムで検収入力する
納品書の数量と現物を確かめてから入力する。
- 確かめること
- 納品書の数量と検収数量が一致するか
- できあがるもの
- 検収データ
2. 検収データから仕入(買掛金)を計上する
計上基準(検収基準)を社内で統一する。
- 確かめること
- 計上日が検収日になっているか
- できあがるもの
- 仕入の仕訳
3. 請求書が届いたら、計上済みの仕入と金額を照合する
仕入先の締め日ごとに、自社の計上額合計と請求額を比べる。
- 確かめること
- 差額0円か
- できあがるもの
- 照合結果
- 照合経理担当・目安 15分
4. 差異があれば原因を調べる
計上のタイミングずれ(締め日の違い)、単価の違い、返品の未処理の3つが多い。
- 確かめること
- 原因が特定できたか
- できあがるもの
- 差異の記録
- 照合購買担当・目安 15分
5. 単価・数量の差異は仕入先に確認し、正しい方に合わせる
自社の誤りなら計上を訂正、仕入先の誤りなら請求書の再発行を依頼する。
- 確かめること
- 訂正の記録が残っているか
- できあがるもの
- 訂正記録
- 未着経理担当・目安 15分
6. 検収済みなのに請求書が届かない仕入先を一覧にして催促する
月末時点で未着のものは見積額で未払計上する。
- 確かめること
- 未着の一覧と未払計上額が一致するか
- できあがるもの
- 未着一覧
- 残高照合経理担当・目安 30分
7. 月末に仕入先ごとの買掛金残高を出し、会計の残高と一致させる
仕入先別の残高合計と総勘定元帳の買掛金を突き合わせる。
- 確かめること
- 差額0円か
- できあがるもの
- 残高一覧
- 残高照合経理担当・目安 1時間
8. 主要仕入先とは半年〜年1回、残高確認書を取り交わす
決算月に取り交わすと監査や税務調査にも使える。
- 確かめること
- 回答のあった残高と自社残高が一致するか
- できあがるもの
- 残高確認書
- 予定経理担当・目安 20分
9. 買掛金から支払予定表を作る
取適法の対象取引は受領日から60日以内になるか確認する。
- 確かめること
- 支払日が全件入っているか
- できあがるもの
- 支払予定表
- 承認経理責任者・目安 15分
10. 残高一覧と差異の処理を確認し承認する
長期間動きのない残高(例: 6か月以上)は理由を確認する。
- 確かめること
- 動きのない残高の理由が書いてあるか
- できあがるもの
- 承認記録
締めのチェックリスト
- 検収日で仕入を計上した
- 請求書と計上額を照合した
- 差異の原因を特定し訂正した
- 請求書未着の仕入を未払計上した
- 仕入先別残高と会計残高が一致した
- 主要仕入先と残高確認をした
- 支払予定表を作った
- 取適法の対象取引が60日以内である
よくあるミスと防ぎ方
締め日の違いで差異が毎月出る
仕入先が20日締めで自社が月末計上だと、毎月ずれが出ます。照合は仕入先の締め日に合わせて行います。
返品の処理が漏れて買掛金が過大になる
返品伝票を購買担当が回し忘れることが原因です。返品は検収と同じ画面で入力するルールにします。
長期間動きのない残高を放置する
二重計上や処理漏れの可能性があります。月次で動きのない残高を一覧にして確認します。
測っておきたい指標
- 仕入先別残高の差異件数
- 請求書の照合にかかる日数
- 請求書未着による未払計上の件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
取適法(中小受託取引適正化法・2026年1月施行、旧下請法)
委託先への支払は受領日から60日以内。手形払い・振込手数料の差し引きは禁止
請求書に登録番号・税率ごとの対価の額と消費税額などの記載が必要
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「買掛金管理」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち3つは、自動化の候補です
よくある質問
- 仕入はいつ計上すればよいですか?
- 検収基準(検収した日)が一般的です。いったん決めた基準は毎期続けて使います。
- 請求書が月末までに届かない場合は?
- 検収済みであれば、発注金額などをもとに未払計上します。請求書が届いたら差額を調整します。
- 残高確認書は必ず必要ですか?
- 法律上の義務ではありませんが、残高の正しさを確かめる有効な手段です。少なくとも決算時に主要仕入先と行うのがおすすめです。