出荷検査の業務手順書テンプレート(製造業)
出荷検査は、完成品を顧客に送る前に、注文どおりの品物・数量・品質か、成績書や表示がそろっているかを最後に確かめる業務です。手順書にしておくと、品番違い・数量違いの誤出荷や、検査成績書の添付漏れによる受入拒否を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 顧客に届く前の最後の関門として、品質・数量・書類・表示を同じ基準で確かめ、合格したものだけを出荷します。
- 範囲
- 出荷指示を受けてから、最終検査・成績書の作成・梱包と表示の確認・出荷判定まで。配送の手配と送り状の作成は含みません。
- 始まるきっかけ
- 生産管理から出荷指示が出たとき、または完成品が倉庫に入庫されたとき。
- 頻度・量の目安
- 毎日。1日5〜40ロット
- 使う書類・システム
- 出荷指示書、製造指示書・工程内検査の記録、出荷検査規格書(顧客別の検査項目)、顧客指定の検査成績書の様式、梱包仕様書(荷姿・入数・ラベル)、計測器(校正済み)
担当と役割
出荷検査員(品質保証)
最終検査、検査成績書の作成、出荷可否の判定
出荷担当(物流)
出荷指示との照合、梱包、表示の確認
品質保証課長
成績書の承認、特別採用品の出荷判断
手順(13ステップ)
- 照合出荷担当・目安 3分
1. 出荷指示書と完成品の品番・数量を照らし合わせる
現品票の品番・図面の版・数量を出荷指示書と比べます。
- 確かめること
- 品番と版が注文と同じか
- できあがるもの
- 照合済みの出荷指示書
- 記録確認出荷検査員・目安 5分
2. 工程内検査の記録がそろっているか確かめる
そのロットの初物承認・定時検査・終物の記録が全てあるか見ます。
- 確かめること
- 記録の抜けや、処置の済んでいない異常がないか
- できあがるもの
- 記録確認の印
- 記録確認出荷検査員・目安 3分
3. 保留品・特別採用品が混ざっていないか確かめる
不適合品の処置記録と照合し、保留ロットが含まれていないか見ます。
- 確かめること
- 特別採用品は顧客の了承を得ているか
- できあがるもの
- 保留品の確認
- 検査出荷検査員・目安 10分
4. 規格書の抜取数で外観を検査する
顧客の受入基準と同じ見方で、キズ・汚れ・さび・異物を確かめます。
- 確かめること
- 限度見本を超える欠点がないか
- できあがるもの
- 外観の検査結果
- 検査出荷検査員・目安 10〜30分
5. 重要寸法・機能を測定する
顧客と取り決めた重要特性(寸法・硬さ・トルク・導通など)を測ります。
- 確かめること
- 測定値が規格内か
- できあがるもの
- 測定値
6. 検査成績書を作成する
顧客指定の様式に、品番・ロット番号・数量・測定値・判定・検査日・検査者を記入します。
- 確かめること
- 測定値の転記に誤りがないか。材料のミルシートの添付が必要か
- できあがるもの
- 検査成績書
- 成績書品質保証課長・目安 5分
7. 検査成績書を承認する
測定値と判定、添付書類を確かめて承認印を押します。
- 確かめること
- 規格値と判定が合っているか
- できあがるもの
- 承認済みの成績書
- 判定出荷検査員・目安 2分
8. 出荷可否を判定し、合格表示をつける
全項目が規格内なら出荷合格ラベルを貼ります。不合格は赤札をつけて隔離し、不適合品処置に回します。
- 確かめること
- 合格ラベルの品番・ロットが現品と一致するか
- できあがるもの
- 出荷合格ラベル
- 梱包出荷担当・目安 10〜30分
9. 梱包仕様書のとおりに梱包する
入数・仕切り・防錆・緩衝材の指定どおりに詰めます。
- 確かめること
- 入数×箱数が出荷数量と合うか
- できあがるもの
- 梱包済みの荷
10. 箱のラベル・現品票を確かめる
顧客指定のラベル(品番・数量・ロット・納入場所)を貼ります。
- 確かめること
- ラベルの内容が出荷指示書と1字違わず同じか。旧品番のラベルを使っていないか
- できあがるもの
- ラベル貼付済みの荷
- 書類出荷担当・目安 3分
11. 納品書・検査成績書を荷に添付する
顧客が成績書の同梱を求める場合は箱に入れ、別送の場合はメールで送ります。
- 確かめること
- 成績書が必要な注文に添付したか
- できあがるもの
- 添付済みの書類
12. 出荷検査の記録を保存する
ロット番号・出荷先・出荷日を記録し、後から追跡できるようにします。
- 確かめること
- ロット番号と出荷先がつながって記録されているか
- できあがるもの
- 出荷検査記録
13. 出荷完了を生産管理・営業に知らせる
出荷数量と出荷日を受注データに反映します。
- 確かめること
- 分納の残数量が正しいか
- できあがるもの
- 出荷実績
締めのチェックリスト
- 品番・図面の版・数量が出荷指示書と一致した
- 工程内検査の記録がそろっている
- 保留品・未承認の特別採用品が混ざっていない
- 顧客の重要特性を測定した
- 検査成績書の転記を確かめ、承認を受けた
- 出荷合格ラベルを貼った
- 梱包仕様どおり(入数・防錆・緩衝材)である
- ラベルの内容が出荷指示書と一致した
- 必要な成績書・ミルシートを添付した
- ロット番号と出荷先を記録した
よくあるミスと防ぎ方
成績書の測定値を転記ミスする
手書きから様式への写し間違いが起きます。測定値を直接データで入力し、規格値との判定を自動にします。
旧品番のラベルを貼る
設計変更後に古いラベルが残っていると起きます。品番変更時にラベルの在庫を回収します。
保留品を出荷してしまう
保留品が完成品と同じ棚にあると起きます。保留品は区切った場所に置き、赤札で表示します。
測っておきたい指標
- 顧客クレーム件数(流出不良)
- 誤出荷件数
- 成績書の不備による差し戻し件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
ISO 9001
8.6(製品及びサービスのリリース)に関わり、出荷前に要求事項を満たしたことを確かめ、リリースを許可した人を記録することが求められます。
製造物責任法(PL法)
製品の欠陥で事故が起きたとき、出荷時の検査記録とロットの追跡記録が原因の切り分けに使われます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(製造・14業務)
- 「出荷検査」を含む14業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち4つは、自動化の候補です
よくある質問
- 出荷検査と工程内検査で同じことを測る必要がありますか。
- 出荷検査では、顧客と取り決めた重要特性と、工程内では見られない外観・数量・表示を中心に確かめます。工程内の記録がそろっていることの確認も出荷検査の大切な役割です。
- 検査成績書の作成に時間がかかります。
- 測定値を入力すると顧客別の様式に自動で書き出す仕組みを ジンベイ GenApp で作れます。手書きの測定記録は ジンベイ GenOCR で読み取れます。
- 顧客ごとに成績書の様式が違って困ります。
- 顧客別に様式と記入項目を一覧にし、出荷指示書に様式の番号を書くと取り違えが減ります。