図面の出図・改訂の業務手順書テンプレート(製造業)
図面の出図・改訂は、設計した図面を検図・承認して版番号をつけ、製造・購買・外注先に配り、改訂のときは旧版を確実に回収する業務です。手順書にしておくと、旧版図面での加工や、外注先に新しい図面が届いていないことによる不良を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 現場と外注先が常に最新版の図面で作業できるようにし、版違いによる作り直しを防ぎます。
- 範囲
- 図面の作成完了から、検図・承認・出図・配布・旧版回収・台帳更新まで。設計変更の要否の検討(ECR)は4M変更・設計変更の手順で扱います。
- 始まるきっかけ
- 新規品の図面が完成したとき、設計変更(ECO)が決まり図面を改訂するとき、顧客から改訂図面を受け取ったとき。
- 頻度・量の目安
- 週に数件〜数十件
- 使う書類・システム
- 図面(CADデータ・PDF)、検図チェックリスト、図面管理台帳(図番・版・配布先)、図面変更通知書、設計変更管理表(ECR/ECO)、配布先リスト(社内部署・外注先)
担当と役割
設計者
図面の作成・改訂、改訂内容の記入
検図者
検図チェックリストに沿った確認
設計課長
図面の承認
図面管理担当(技術管理)
版番号の管理、出図、配布と回収、台帳の更新
手順(14ステップ)
- 作成設計者・目安 10分
1. 図面を仕上げ、改訂欄に版と内容を書く
改訂の場合は、改訂記号・改訂日・改訂内容・理由を図面の改訂欄に書き、変更箇所に改訂記号を付けます。
- 確かめること
- 改訂箇所が全て記号で示されているか
- できあがるもの
- 改訂欄の記入
- 検図検図者・目安 30〜60分
2. 検図チェックリストで図面を確かめる
寸法の抜け・重複、公差、材質、表面処理、注記、表題欄を確かめます。
- 確かめること
- チェックリストの全項目に印をつけたか
- できあがるもの
- 検図済みの図面
- 検図設計者・目安 15〜30分
3. 検図の指摘を直す
指摘の一覧に対応内容を書き、検図者に再確認してもらいます。
- 確かめること
- 指摘が全て閉じているか
- できあがるもの
- 修正済みの図面
4. 図面を承認する
検図記録と改訂内容を確かめ、表題欄に承認印(電子承認)を入れます。
- 確かめること
- 承認前の図面を出図していないか
- できあがるもの
- 承認済みの図面
5. 図面管理台帳に図番・版・承認日を登録する
新しい版を「有効」、旧版を「廃版」にします。
- 確かめること
- 台帳の最新版と図面の版が同じか
- できあがるもの
- 台帳の更新
- 登録図面管理担当・目安 5分
6. 正式な図面データを保管場所に置く
承認済みのPDFを決められたフォルダに置き、ファイル名に図番と版を入れます。
- 確かめること
- 作業中のデータと正式版が分かれているか
- できあがるもの
- 正式版の保管
- 通知図面管理担当・目安 15分
7. 図面変更通知書を作る
図番・新旧の版・改訂内容・適用時期(いつのロットから)・旧版品の扱い(使用可・手直し・廃却)を書きます。
- 確かめること
- 適用時期と在庫品の扱いが決まっているか
- できあがるもの
- 図面変更通知書
- 配布図面管理担当・目安 15分
8. 配布先リストのとおりに新版を配る
製造・検査・購買・外注先に、通知書と新版図面を送ります。
- 確かめること
- 配布先リストに漏れがないか(外注先・再外注先を含む)
- できあがるもの
- 配布の記録
- 受領確認図面管理担当・目安 数日
9. 配布先から受領の返事をもらう
外注先には受領確認の返信を求め、期限までに返事がなければ催促します。
- 確かめること
- 全配布先から受領を確認したか
- できあがるもの
- 受領確認の記録
- 回収図面管理担当・目安 30分
10. 旧版の紙図面を回収するか廃版印を押す
現場に配った紙の旧版を回収し、参考に残す場合は「廃版」の印を押します。
- 確かめること
- 現場の作業台・掲示板に旧版が残っていないか
- できあがるもの
- 回収の記録
- 反映購買担当・目安 15分
11. 発注中の品目の図面の版を外注先と合わせる
発注残に旧版の注文がないか確かめ、変更発注を出します。
- 確かめること
- 旧版で手配済みの材料・仕掛品の費用負担を決めたか
- できあがるもの
- 変更発注
12. 部品表・製造指示書の版を更新する
部品表の図面の版を更新し、次の製造指示書から新版を出します。
- 確かめること
- 切り替えロットが通知書の適用時期と同じか
- できあがるもの
- 部品表の更新
- 確認品質保証・目安 30分
13. 切り替え後の初回ロットで新版どおりか確かめる
初回ロットで改訂箇所を重点的に検査します。
- 確かめること
- 改訂箇所の寸法・仕様が新版どおりか
- できあがるもの
- 初回ロットの検査記録
14. 月末に受領確認と回収の未完了を確かめる
台帳で、配布から2週間を過ぎて受領確認・回収が済んでいないものを一覧にします。
- 確かめること
- 未完了に担当と期限が入っているか
- できあがるもの
- 未完了一覧
締めのチェックリスト
- 改訂欄と変更箇所に改訂記号がある
- 検図チェックリストの全項目を確かめた
- 承認を受けてから出図した
- 台帳の最新版が図面と一致している
- 正式版と作業中データを分けて保管した
- 変更通知書に適用時期と旧版品の扱いがある
- 配布先リストに外注先を含め漏れがない
- 全配布先から受領確認を得た
- 現場の旧版を回収した
- 部品表・製造指示書の版を更新した
よくあるミスと防ぎ方
外注先に新版が届いていない
メールの送り先が担当者個人だけだと起きます。受領確認の返信を必須にし、返事がない先を催促します。
現場に旧版のコピーが残る
作業台に貼った写しが回収されません。配布した紙図面に番号を振り、回収時に番号で確かめます。
適用時期を決めずに出図する
いつのロットから新版か分からず混在します。通知書に切り替えロットと在庫品の扱いを必ず書きます。
測っておきたい指標
- 版違いによる不良件数
- 出図から受領確認までの日数
- 旧版回収の完了率
関係する法令・規格
ISO 9001
7.5.3(文書化した情報の管理)と8.5.6(変更の管理)に関わり、版の管理、配布、旧版の誤使用の防止が求められます。
取適法(中小受託取引適正化法)
外注先への図面の改訂で発注内容が変わる場合、変更内容を明示し、旧版で手配済みの材料費などを一方的に負担させないようにします。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(製造・14業務)
- 「図面の出図・改訂」を含む14業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
14手順のうち4つは、自動化の候補です
よくある質問
- 紙の図面はもう配らないほうがよいですか。
- 電子で閲覧する仕組みにすると旧版の残りを防ぎやすくなります。紙を使う場合は配布番号を振り、回収を記録します。
- 顧客から届く図面の版管理はどうしますか。
- 顧客図番と自社の管理番号を台帳で対応づけ、顧客の改訂を受けたら同じ手順で社内と外注先に出図します。
- 出図と配布の管理を楽にできますか。
- 図面管理台帳と承認・配布・受領確認の流れを ジンベイ GenApp で仕組みにすると、受領確認の返事がない配布先や旧版の回収漏れを一覧で確かめられます。検図そのものは、検図チェックリストで確認項目をそろえることから始めると見落としが減ります。