設備点検の業務手順書テンプレート(製造業)
設備点検は、加工機・プレス・コンプレッサーなどの設備を、始業前と決められた周期に点検し、故障や事故の前に異常を見つける業務です。手順書にしておくと、点検の抜けによる突然の故障停止や、法令で決められた定期自主検査の実施漏れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 設備の異常を早く見つけて故障停止と労働災害を防ぎ、法定の点検を期限内に行えるようにします。
- 範囲
- 始業前の日常点検、週次・月次の定期点検、年次の定期自主検査(特定自主検査を含む)と、異常時の修理依頼まで。設備の更新計画は含みません。
- 始まるきっかけ
- 毎日の始業時、点検カレンダーの点検日、異常音・振動などに気づいたとき。
- 頻度・量の目安
- 日常点検は毎日・設備ごとに5〜10分。定期点検は月1回、定期自主検査は年1回など
- 使う書類・システム
- 設備点検表(日常点検・設備ごと)、点検カレンダー(定期・法定点検の予定)、設備台帳、取扱説明書・点検基準書、修理依頼書
担当と役割
作業者(設備の使用者)
始業前の日常点検と記録、異常の報告
保全担当
定期点検、修理、点検カレンダーの管理
製造課長
点検記録の確認、修理の優先順位の判断
検査業者(特定自主検査の資格者)
動力プレス・フォークリフト等の特定自主検査
手順(13ステップ)
- 日常点検作業者・目安 1分
1. 設備ごとの点検表を手元に用意する
設備に掛けた点検表で、その月の点検項目と記入欄を確かめます。
- 確かめること
- 点検表の設備番号が目の前の設備と同じか
- できあがるもの
- 点検表
- 日常点検作業者・目安 2分
2. 電源を入れる前に外観と周りを確かめる
油漏れ・配管のゆるみ・カバーの外れ・周囲の工具や切りくずの散乱を見ます。
- 確かめること
- 安全カバー・インターロックが外されていないか
- できあがるもの
- 外観の点検結果
- 日常点検作業者・目安 2分
3. 油量・空気圧・冷却水を確かめる
潤滑油の油面計、エア圧力計、クーラントの量を、点検基準書の範囲と比べます。
- 確かめること
- 基準範囲内か
- できあがるもの
- 油量・圧力の記録
- 日常点検作業者・目安 2分
4. 起動して異常音・振動・非常停止を確かめる
空運転で異音・振動・発熱を確かめ、非常停止ボタンが効くかを試します。
- 確かめること
- 非常停止で確実に止まるか
- できあがるもの
- 作動の点検結果
5. 点検表に〇・×と数値を記入する
異常がなければ〇、異常があれば×と内容を書きます。
- 確かめること
- 全項目を記入したか(空欄を残さない)
- できあがるもの
- 点検表の記入
- 異常時作業者・目安 即時
6. 異常があれば使用を止めて班長に報告する
安全に関わる異常(非常停止・安全装置)は使用禁止の札をつけます。
- 確かめること
- 安全装置の異常のまま使っていないか
- できあがるもの
- 異常の報告
7. 修理依頼書を出す
設備番号・異常の内容・発生日時・生産への影響を書いて保全担当に出します。
- 確かめること
- 緊急度(即日・今週中・次回の計画保全)を書いたか
- できあがるもの
- 修理依頼書
- 修理保全担当・目安 30分〜
8. 修理し、修理記録を残す
原因・交換部品・作業時間を設備台帳の修理履歴に書きます。
- 確かめること
- 修理後に試運転して異常がないことを確かめたか
- できあがるもの
- 修理記録
9. 点検カレンダーで今月の定期点検を確かめる
月次・半年・年次の点検項目(ベルトの張り・ボールねじのガタ・油の交換など)を確かめます。
- 確かめること
- 前回の点検日から周期を超えていないか
- できあがるもの
- 今月の点検予定
- 定期点検保全担当・目安 30〜120分
10. 定期点検を行い、測定値を記録する
点検基準書のとおりに測り、交換時期の近い部品を記録します。
- 確かめること
- 交換時期を過ぎた消耗品がないか
- できあがるもの
- 定期点検記録
- 法定点検保全担当・目安 15分
11. 法定の定期自主検査・特定自主検査の期限を確かめる
動力プレス・フォークリフト・クレーン・局所排気装置などの検査期限を台帳で確かめ、業者を手配します。
- 確かめること
- 期限の1か月前までに手配したか
- できあがるもの
- 検査の手配
- 法定点検保全担当・目安 10分
12. 検査結果を記録し、検査標章を貼る
特定自主検査の結果は記録して保存し、検査済みの標章を設備に貼ります。
- 確かめること
- 記録を3年間保存する場所が決まっているか
- できあがるもの
- 検査記録・標章
- 確認製造課長・目安 15分
13. 月末に点検表を回収して確かめる
空欄・×の項目と、修理の完了状況を確かめて確認印を押します。
- 確かめること
- ×の項目が全て修理済みか、対応日が決まっているか
- できあがるもの
- 確認済みの点検表
締めのチェックリスト
- 全設備の日常点検表に当日分の記入がある
- 安全カバー・インターロックが正常である
- 非常停止の作動を確かめた
- 油量・空気圧が基準範囲内である
- ×の項目に修理依頼が出ている
- 安全に関わる異常の設備に使用禁止札をつけた
- 修理後に試運転をした
- 今月の定期点検を終えた
- 法定検査の期限を1か月前に確かめた
- 特定自主検査の記録を保存し標章を貼った
よくあるミスと防ぎ方
点検表に〇を先にまとめて書く
実際には見ていない点検になります。項目ごとに数値を書く欄を設け、班長が抜き打ちで確かめます。
小さな異常を報告しない
油のにじみや異音を放置すると大きな故障になります。「気になったら×」と決め、報告しやすくします。
法定点検の期限切れ
設備台帳と別に期限を管理すると漏れます。点検カレンダーに法定点検を入れ、1か月前に知らせる仕組みにします。
測っておきたい指標
- 設備故障による停止時間(月)
- 日常点検の実施率
- 法定点検の期限内実施率
- 平均故障間隔(MTBF)
関係する法令・規格
労働安全衛生法(第45条 定期自主検査)
動力プレス・フォークリフトなど一定の機械は定期自主検査が必要で、一部は資格者による特定自主検査が義務づけられています。記録は3年間保存します。
労働安全衛生規則
機械の安全装置・覆いの取り外しの禁止、作業開始前の点検などが定められています。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(製造・14業務)
- 「設備点検」を含む14業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち3つは、自動化の候補です
よくある質問
- 点検項目はどう決めればよいですか。
- 設備の取扱説明書の点検項目をもとに、過去に故障した部位を加えます。始業前に5〜10分で終わる量に絞り、時間のかかる項目は定期点検に回します。
- 紙の点検表の集計を楽にしたいです。
- ジンベイ GenOCR で手書きの点検表を読み取り、×の項目を一覧にできます。点検をタブレットで入力し、修理依頼まで自動でつなぐ仕組みは ジンベイ GenApp で作れます。
- 特定自主検査が必要な設備はどれですか。
- 動力プレス、フォークリフト、ショベルローダー、不整地運搬車、高所作業車などが対象です。対象かどうかは労働安全衛生法施行令と所管の労働基準監督署で確かめてください。