点呼の業務手順書テンプレート(物流業)
点呼は、運行管理者がドライバーの乗務の前と後に、健康状態・酒気帯びの有無・車両の点検結果を確かめ、運行の指示を出し、乗務後の報告を受ける業務です。手順書にしておくと、酒気帯びや体調不良のまま乗務させる事故のおそれや、記録の不備による行政処分を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 全てのドライバーに、決められた方法で点呼を行い、乗務させてよいかを確実に判断し、記録を残します。
- 範囲
- 乗務前点呼・乗務後点呼・中間点呼の実施と記録、アルコール検知器の管理まで。
- 始まるきっかけ
- ドライバーが乗務を始めるとき、乗務を終えたとき。乗務前・乗務後のいずれも対面などで点呼できない運行では、途中で中間点呼を行います。
- 頻度・量の目安
- 毎日。ドライバー1人につき1日2回以上、1回3〜5分
- 使う書類・システム
- 点呼記録簿、アルコール検知器(国家公安委員会が定めたもの)、運転者台帳・勤務表、日常点検表、運行指示書・配車表、運転免許証
担当と役割
運行管理者
点呼の実施、乗務の可否の判断、指示
運行管理補助者
運行管理者の補助として点呼の一部を実施
ドライバー
点呼を受け、健康状態・点検結果・運行の状況を報告
営業所長
点呼の実施状況と記録の確認
手順(13ステップ)
- 準備運行管理者・目安 2分
1. アルコール検知器が正常に動くか確かめる
電源・センサーの状態を確かめ、定期的に酒気を帯びていない人で0になること、酒気を含むもので反応することを確かめます。
- 確かめること
- 検知器の使用期限・校正の時期を過ぎていないか
- できあがるもの
- 検知器の点検記録
- 乗務前運行管理者・目安 1分
2. 対面でドライバーの顔色・様子を確かめる
表情・声・歩き方・目の充血などを見て、本人に体調を聞きます。
- 確かめること
- 疲労・病気・睡眠不足で安全に運転できないおそれがないか
- できあがるもの
- 健康状態の確認
- 乗務前運行管理者・目安 1分
3. アルコール検知器で酒気帯びの有無を確かめる
ドライバーに検知器を使わせ、測定値を目で確かめます。
- 確かめること
- 測定値が0.00か。反応があれば乗務させない
- できあがるもの
- 検知器の測定値
- 乗務前運行管理者・目安 1分
4. 日常点検の結果の報告を受ける
ブレーキ・タイヤ・灯火類などの日常点検を終えたか、異常がなかったかを確かめます。
- 確かめること
- 点検で異常があった車両を使わせていないか
- できあがるもの
- 日常点検の報告
- 乗務前運行管理者・目安 30秒
5. 免許証と運行に必要な事項を確かめる
免許証の有効期限と、運転できる車種かを確かめます。
- 確かめること
- 免許証を携帯しているか
- できあがるもの
- 免許の確認
- 乗務前運行管理者・目安 1分
6. 運行の指示と注意事項を伝える
ルート・届け先・時間指定・天候・工事規制・荷物の注意を伝えます。
- 確かめること
- 休憩をとる地点と時刻を伝えたか
- できあがるもの
- 指示事項の記録
- 判断運行管理者・目安 即時
7. 乗務させてよいかを判断する
酒気帯び・体調不良・点検の異常があれば乗務させず、代わりのドライバーを手配します。
- 確かめること
- 判断と理由を記録したか
- できあがるもの
- 乗務可否の判断
8. 点呼記録簿に記録する
点呼の日時・方法・ドライバー名・車両番号・確認結果・指示事項・点呼者を書きます。
- 確かめること
- 全ての欄を記入したか
- できあがるもの
- 点呼記録
- 中間点呼運行管理者・目安 3分
9. 必要な運行では電話などで中間点呼を行う
乗務前・乗務後のいずれも対面などで行えない運行では、途中で1回以上、電話などで健康状態・酒気帯び(携帯型検知器)を確かめます。
- 確かめること
- 携帯型検知器の測定結果を確かめたか
- できあがるもの
- 中間点呼の記録
- 乗務後運行管理者・目安 2分
10. 乗務後点呼で運行の報告を受ける
車両・道路・運行の状況、事故・ヒヤリハットの有無、荷待ちの状況を聞きます。
- 確かめること
- 事故・異常の報告がないか
- できあがるもの
- 乗務後の報告
- 乗務後運行管理者・目安 1分
11. 乗務後もアルコール検知器で確かめる
乗務後も検知器を使わせ、測定値を確かめます。
- 確かめること
- 測定値が0.00か
- できあがるもの
- 乗務後の測定値
- 引継ぎ運行管理者・目安 3分
12. 報告された車両の異常を整備担当に伝える
ブレーキの違和感・警告灯などの報告があれば整備担当に伝え、翌日の配車から外すか判断します。
- 確かめること
- 翌日の配車に反映したか
- できあがるもの
- 整備への連絡
- 保存営業所長・目安 10分
13. 点呼記録を確かめ、1年間保存する
毎日、記録の抜けがないか確かめ、点呼記録簿を1年間保存します。
- 確かめること
- 点呼の抜け・記入漏れがないか
- できあがるもの
- 確認済みの点呼記録
締めのチェックリスト
- 検知器の作動を確かめた
- 対面などの認められた方法で点呼した
- 顔色・様子と本人の申告を確かめた
- 乗務前・乗務後とも検知器を使った
- 日常点検の結果を確かめた
- 免許証の有効期限を確かめた
- 運行の指示(ルート・休憩・注意)を伝えた
- 必要な運行で中間点呼をした
- 事故・ヒヤリハット・荷待ちの報告を受けた
- 点呼記録を全ての欄で記入し、1年間保存している
よくあるミスと防ぎ方
検知器を使わず目視だけで済ませる
酒気帯びを見逃します。乗務前・乗務後とも必ず検知器を使い、測定値を記録します。
早朝・深夜の点呼が抜ける
運行管理者がいない時間帯に点呼が行われないことがあります。補助者を選任し、勤務表で点呼者を決めておきます。
記録をまとめて後から書く
実際の点呼の内容と記録がずれます。点呼のその場で記入します。
測っておきたい指標
- 点呼の実施率
- 点呼記録の記入漏れ件数
- 酒気帯び・体調不良で乗務を止めた件数
関係する法令・規格
貨物自動車運送事業輸送安全規則(点呼)
乗務前・乗務後の点呼、必要な場合の中間点呼、アルコール検知器の使用、点呼の記録と1年間の保存が定められています。
貨物自動車運送事業法
運行管理者の選任と、運行管理者が行う業務(点呼を含む)が定められています。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(物流・運輸・12業務)
- 「点呼」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち1つは、自動化の候補です
よくある質問
- 対面でない点呼は認められますか。
- 国土交通大臣が認める機器を使ったIT点呼や遠隔点呼など、一定の条件を満たす方法は認められています。導入する場合は条件と手続きを運輸支局で確かめます。
- 点呼記録の管理を楽にしたいです。
- 点呼記録をタブレットで入力し、検知器の測定値とあわせて保存する仕組みを ジンベイ GenApp で作れます。手書きの点呼記録簿は ジンベイ GenOCR で読み取れます。
- 白ナンバーの車両でもアルコールチェックは必要ですか。
- 一定台数以上の白ナンバーの車両を使う事業所では、安全運転管理者による運転前後のアルコールチェック(検知器の使用と記録の1年保存)が道路交通法の施行規則で義務づけられています。