配送依頼の受付の業務手順書テンプレート(物流業)
配送依頼の受付は、荷主から届いた配送の依頼を受け、荷物・集荷先・届け先・日時・荷役の条件を確かめ、運賃と附帯作業を合意して配車につなぐ業務です。手順書にしておくと、聞き漏れによる車両の手配ミスや、契約にない荷役作業を無償で行うことを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 配送依頼を漏れなく受け付け、条件と料金を書面で確かめてから配車に渡せるようにします。
- 範囲
- 荷主からの依頼の受付から、条件の確認・運賃の見積・書面の交付・配車への引き渡しまで。配車計画は別の手順書で扱います。
- 始まるきっかけ
- 荷主から電話・FAX・メール・Webで配送の依頼が届いたとき。定期便の追加・変更の連絡も含みます。
- 頻度・量の目安
- 毎日。1日20〜200件。翌日分の締め時刻は前日の夕方
- 使う書類・システム
- 配送依頼書(FAX・メール・Web)、荷主マスタ(運賃表・附帯作業の料金)、運送契約書・運送引受書、配車表、届け先の条件の一覧(時間指定・車両制限・荷下ろし方法)
担当と役割
受付担当(営業所事務)
依頼の受付、条件の確認、配車への引き渡し
営業担当
新規荷主の運賃・条件の取り決め
配車担当
車両・ドライバーの手配の可否の回答
運行管理者
安全面から無理な運行にならないかの確認
手順(13ステップ)
1. 依頼を受け付け、受付番号を振る
受信日時と荷主名を記録し、翌日分の締め時刻の前か後かを確かめます。
- 確かめること
- 同じ依頼の重複(電話とFAX)がないか
- できあがるもの
- 受付記録
2. 集荷先・届け先・日時を確かめる
住所・担当者・電話番号・集荷時刻・納品時刻(指定の幅)を確かめます。
- 確かめること
- 届け先の住所が地図で特定できるか
- できあがるもの
- 集配先の確認
- 内容確認受付担当・目安 3分
3. 荷物の内容・数量・重さ・荷姿を確かめる
品名・個数・総重量・パレット数・寸法・温度帯(常温・冷蔵・冷凍)・危険物の有無を聞きます。
- 確かめること
- 車両の積載量と荷台の大きさに収まるか
- できあがるもの
- 荷物の確認
- 条件確認受付担当・目安 3分
4. 荷役の条件と届け先の制限を確かめる
積み込み・荷下ろしの方法(手積み・フォークリフト)、棚入れ・ラベル貼りなどの附帯作業、待機の見込み、車両の大きさの制限を確かめます。
- 確かめること
- 契約にない附帯作業を求められていないか
- できあがるもの
- 荷役条件の確認
- 運賃受付担当・目安 5分
5. 運賃表で運賃と附帯作業の料金を出す
距離・重さ・車種で運賃を出し、高速道路料金・燃料サーチャージ・附帯作業料・待機料を加えます。
- 確かめること
- 運賃表にない条件は営業担当に見積を依頼したか
- できあがるもの
- 運賃の見積
- 運賃営業担当・目安 30分
6. 運賃表にない依頼の見積を出す
原価(人件費・燃料・車両費)と標準的な運賃を参考に見積を出します。
- 確かめること
- 附帯作業と待機の料金を分けて示したか
- できあがるもの
- 見積書
- 可否配車担当・目安 5分
7. 車両とドライバーの空きを確かめる
配車表で日時・車種の空きを確かめ、自社で無理なら協力会社(傭車)の手配を検討します。
- 確かめること
- ドライバーの拘束時間が改善基準告示の範囲に収まるか
- できあがるもの
- 手配可否の回答
- 確認運行管理者・目安 5分
8. 無理な運行になっていないか確かめる
到着時刻の指定が、休憩をとっても間に合う距離と時間か確かめます。
- 確かめること
- 連続運転4時間ごとの休憩をとっても間に合うか
- できあがるもの
- 安全面の確認
- 回答受付担当・目安 3分
9. 荷主に引き受けと運賃を回答する
引き受けの可否、運賃、集荷・到着の予定時刻を伝えます。
- 確かめること
- 条件の変更(時刻・車種)があれば伝えたか
- できあがるもの
- 引き受けの回答
10. 運送の内容と運賃を書面で交付する
運送の内容・対価・附帯業務の内容と料金・燃料サーチャージなどを書いた書面(運送引受書など)を荷主と交わします。
- 確かめること
- 附帯作業と料金が書面に入っているか
- できあがるもの
- 運送引受書
11. 配車担当に依頼の内容を引き渡す
配車表に入力し、荷物・時刻・荷役条件・届け先の注意事項を書きます。
- 確かめること
- 届け先の注意事項(時間指定・入構方法)が抜けていないか
- できあがるもの
- 配車表への登録
- 変更受付担当・目安 3分
12. 依頼の変更・取消を記録する
変更の連絡日時・内容・連絡者を記録し、配車担当に知らせます。直前の取消は取り決めに沿ってキャンセル料を確かめます。
- 確かめること
- 配車済みの車両への連絡が済んだか
- できあがるもの
- 変更の記録
- 集計営業担当・目安 30分
13. 月次で荷主別の依頼件数と附帯作業を集計する
荷主別の件数・運賃・附帯作業・待機時間を集計し、料金の見直しに使います。
- 確かめること
- 料金をもらっていない附帯作業・待機がないか
- できあがるもの
- 月次集計
締めのチェックリスト
- 締め時刻の前後を確かめた
- 集荷先・届け先の住所・電話・時刻を確かめた
- 重さ・荷姿・温度帯・危険物の有無を確かめた
- 附帯作業と車両の制限を確かめた
- 附帯作業料・待機料を運賃と分けた
- 改善基準告示の範囲で運行できる
- 荷主に引き受けと運賃を回答した
- 運送の内容と料金を書面で交付した
- 届け先の注意事項を配車表に書いた
- 変更・取消を記録した
よくあるミスと防ぎ方
重さ・荷姿を聞き漏らす
車両に積めず当日に手配し直すことになります。受付票に重さ・パレット数・寸法の欄を設けて必ず聞きます。
附帯作業を無償で引き受ける
棚入れやラベル貼りを口頭で頼まれ、料金をもらえないことがあります。附帯作業は内容と料金を書面に入れます。
無理な時刻指定を受ける
休憩をとると間に合わない運行はドライバーの違反や事故につながります。運行管理者が確かめてから回答します。
測っておきたい指標
- 受付から配車までの時間
- 受付の聞き漏れによる手配し直しの件数
- 附帯作業料の請求率
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
貨物自動車運送事業法
2025年4月から、運送契約の締結時に、運送の内容・対価・附帯業務の内容と料金などを書面で交付することが義務づけられています。
改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)
2024年4月から、トラックドライバーの拘束時間は原則1日13時間以内・年3,300時間以内、連続運転は4時間以内などと定められています。
取適法(中小受託取引適正化法)
発荷主が運送事業者に運送を委託する取引(特定運送委託)が対象に加わり、荷主は発注内容の明示や支払期日の順守などが求められます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(物流・運輸・12業務)
- 「配送依頼の受付」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち4つは、自動化の候補です
よくある質問
- 荷主から附帯作業をお願いされたら、どうすればよいですか。
- 内容と料金を確かめて書面に入れてから引き受けます。2025年4月からの書面交付の義務で、附帯業務の内容と料金も書面に記載することになっています。
- FAXの配送依頼の入力を減らせますか。
- ジンベイ GenOCR で配送依頼書を読み取り、集配先・数量・時刻をデータにできます。配車表への転記は ジンベイ GenRPA で自動化できます。
- 待機時間の料金はもらえますか。
- 国が示す標準的な運賃では、待機時間料や積込料・取卸料が示されています。荷主と取り決めて書面に入れておきます。