ピッキングの業務手順書テンプレート(物流業)
ピッキングは、出荷指示に沿って、棚から商品を指定の数だけ取り出し、出荷先ごとにそろえる業務です。手順書にしておくと、似た品番・入数違いの取り違え、期限の古い商品を残す先入れ先出しの乱れ、出荷締めに間に合わない作業の遅れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 出荷指示どおりの商品を、正しい数・正しいロットで、締め時刻までにそろえられるようにします。
- 範囲
- 出荷指示の取り込みから、ピッキングリストの作成・ピッキング・欠品の報告・出荷検品への引き渡しまで。
- 始まるきっかけ
- 荷主から出荷指示が届き、出荷の締め時刻が来たとき(1日に数回の波動に分けることもあります)。
- 頻度・量の目安
- 毎日。1日数百〜数万行
- 使う書類・システム
- 出荷指示データ、WMS・ハンディ端末、ピッキングリスト(棚番順)、ロケーションマスタ、出荷先別のカゴ・コンテナ
担当と役割
出荷リーダー
出荷指示の取り込み、作業の割り振り、進み具合の管理
ピッキング担当
ハンディを使ったピッキング
WMS担当
ピッキングリストの作成、欠品の処理
手順(13ステップ)
1. 荷主の出荷指示を取り込む
締め時刻に出荷指示データをWMSに取り込みます。
- 確かめること
- 件数と行数が荷主の送信件数と一致するか
- できあがるもの
- 出荷指示
2. 在庫を引き当て、欠品を確かめる
先入れ先出し(または荷主の期限指定)で在庫を引き当て、引き当てられない明細を一覧にします。
- 確かめること
- 欠品の明細を荷主に知らせたか
- できあがるもの
- 引当結果・欠品一覧
- 方式出荷リーダー・目安 5分
3. ピッキングの方式を決める
出荷先が少なく行数が多い場合は摘み取り(オーダーごと)、出荷先が多く同じ品目が多い場合は種まき(品目ごとにまとめて取り、出荷先に分ける)を選びます。
- 確かめること
- 作業時間が締め時刻に間に合うか
- できあがるもの
- 方式の決定
- リストWMS担当・目安 5分
4. 棚番順のピッキングリストを作る
歩く距離が短くなるように棚番順に並べます。
- 確かめること
- 1枚のリストの量が1人の作業時間に合うか
- できあがるもの
- ピッキングリスト
- 割り振り出荷リーダー・目安 5分
5. 担当者にリストを割り振る
出荷先の締め時刻の早い順に割り振ります。
- 確かめること
- 締め時刻の早い出荷先から始めているか
- できあがるもの
- 作業の割り振り
- ピッキングピッキング担当・目安 10秒
6. 棚番ラベルをスキャンし、棚を確かめる
ハンディに表示された棚に行き、棚番をスキャンします。
- 確かめること
- 表示された棚と同じか
- できあがるもの
- 棚の確認
- ピッキングピッキング担当・目安 1行10〜30秒
7. 商品のコードをスキャンし、数量を取る
商品のコードをスキャンして品番を確かめ、指示の数を取ります。ケースとバラの単位に注意します。
- 確かめること
- 品番と単位が指示どおりか。手前の古い期限の商品から取ったか
- できあがるもの
- ピッキング実績
- 欠品ピッキング担当・目安 1分
8. 棚に商品が足りないときは欠品を登録する
足りない数をハンディで登録し、リーダーに知らせます。
- 確かめること
- 補充の途中でないか、近くの棚を確かめたか
- できあがるもの
- 欠品の登録
- 欠品WMS担当・目安 10分
9. 欠品の原因を確かめて処理する
補充漏れ・ロケーションのずれ・在庫の誤りを確かめ、補充か、荷主への欠品報告かを決めます。
- 確かめること
- 在庫データと現物のずれを直したか
- できあがるもの
- 欠品の処理
- 仕分けピッキング担当・目安 作業により
10. 出荷先ごとのカゴ・コンテナに入れる
種まきの場合は、出荷先ごとの棚に指示の数を入れます。
- 確かめること
- 出荷先のラベルとカゴが一致するか
- できあがるもの
- 出荷先ごとの荷
- 引き渡しピッキング担当・目安 5分
11. 出荷検品の場所に運ぶ
ピッキング済みのカゴを検品場に運び、完了を登録します。
- 確かめること
- リストの全行を終えたか
- できあがるもの
- ピッキング完了
- 進捗出荷リーダー・目安 随時
12. 締め時刻に向けて進み具合を確かめる
1時間ごとに残りの行数を確かめ、遅れていれば人を移します。
- 確かめること
- 締め時刻に間に合わない出荷先がないか
- できあがるもの
- 進捗の記録
- 振り返り出荷リーダー・目安 15分
13. 日次でピッキングの誤りと生産性を集計する
1人1時間あたりの行数と、検品で見つかった誤りの件数を集計します。
- 確かめること
- 誤りの多い品目の置き方を見直したか
- できあがるもの
- 日次の集計
締めのチェックリスト
- 出荷指示の件数が荷主の送信件数と一致した
- 欠品を荷主に知らせた
- 締め時刻の早い出荷先から作業した
- 棚番をスキャンした
- 商品のコードをスキャンした
- ケースとバラの単位を確かめた
- 古い期限の商品から取った
- 欠品の原因を確かめて在庫データを直した
- 出荷先のラベルとカゴが一致する
- リストの全行を終えて引き渡した
よくあるミスと防ぎ方
似た品番を取り違える
色違い・サイズ違いの商品が隣の棚にあると起きます。似た品目は離れた棚に置き、スキャンを省略しないようにします。
ケースとバラを取り違える
1ケースのつもりで1個を取るなどの誤りです。ハンディに単位を大きく表示します。
奥の新しい商品から取る
手前の古い商品が残り、期限切れになります。格納のときの並べ方とあわせて徹底します。
測っておきたい指標
- ピッキングの誤り率
- 1人1時間あたりのピッキング行数
- 締め時刻の遅延件数
関係する法令・規格
倉庫業法
営業倉庫では、受寄物を適正に管理し、荷主の指示どおりに出庫することが求められます。
食品表示法・食品衛生法
食品を扱う場合、荷主が指定する賞味期限の条件(納品期限)を守って出荷します。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(物流・運輸・12業務)
- 「ピッキング」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち2つは、自動化の候補です
よくある質問
- 摘み取りと種まきはどう使い分けますか。
- 出荷先ごとの行数が多く、品目が出荷先ごとに違う場合は摘み取り、同じ品目を多くの出荷先に出す場合は種まきが向いています。日によって切り替える倉庫もあります。
- ハンディがない場合はどうしますか。
- 紙のピッキングリストに棚番・品番・数量・単位を大きく書き、取ったら印をつけます。出荷検品で品番と数量を必ず照合します。
- 出荷指示の取り込みを自動にできますか。
- 荷主のシステムからの出荷指示の取り出しとWMSへの取り込みは ジンベイ GenRPA で自動化できます。FAXで届く出荷指示は ジンベイ GenOCR で読み取れます。