誤出荷対応の業務手順書テンプレート(物流業)
誤出荷対応は、品違い・数量違い・送り先違いの出荷が分かったときに、荷主と届け先への影響を止め、正しい商品を届け、誤った商品を回収して在庫を正し、原因と再発防止を報告する業務です。手順書にしておくと、対応の遅れによる荷主の信用の低下や、在庫の訂正漏れによる二次的な誤りを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 誤出荷の影響をすぐに止め、事実にもとづく原因と対策を荷主に報告します。
- 範囲
- 誤出荷の連絡の受付から、再出荷・回収・在庫の訂正・原因の調査・報告書の提出まで。
- 始まるきっかけ
- 荷主や届け先から「違う商品が届いた」「数が足りない」などの連絡があったとき。棚卸や検品で誤出荷に気づいたとき。
- 頻度・量の目安
- 随時。月数件
- 使う書類・システム
- 誤出荷の連絡(荷主・届け先)、出荷実績・検品の記録・送り状番号、在庫データ(ロケーション別)、防犯カメラの記録(ある場合)、誤出荷の報告書
担当と役割
センター長・出荷リーダー
対応の指揮、荷主への報告
WMS担当
出荷記録の調査、在庫の訂正
出荷担当
正しい商品の再出荷、誤った商品の回収の手配
荷主の担当者
届け先への連絡と対応の方針の判断
手順(13ステップ)
1. 連絡の内容を記録する
出荷日・出荷先・送り状番号・届いた商品と数量・本来の商品と数量を聞き取ります。
- 確かめること
- 届いた商品の品番・ロットを写真で送ってもらったか
- できあがるもの
- 受付記録
- 確認WMS担当・目安 20分
2. 出荷実績と検品の記録を調べる
出荷指示・ピッキング実績・検品の記録・送り状の発行記録を確かめます。
- 確かめること
- 検品でスキャンした記録が残っているか
- できあがるもの
- 記録の調査結果
- 確認WMS担当・目安 20分
3. 在庫を確かめて誤出荷の事実を確定する
本来の商品の在庫が多く、誤って出た商品の在庫が少なくなっているか、棚を数えて確かめます。
- 確かめること
- 他の出荷先にも同じ誤りが出ていないか
- できあがるもの
- 事実の確定
- 第一報センター長・目安 15分
4. 荷主に事実と対応の案を報告する
分かった事実、影響する出荷先、再出荷と回収の案を当日中に伝えます。
- 確かめること
- 推測と事実を分けて伝えたか
- できあがるもの
- 荷主への第一報
- 再出荷出荷担当・目安 30分
5. 正しい商品を最優先で出荷する
荷主の了承を得て、正しい商品を最短の便で送ります。
- 確かめること
- 再出荷の検品を2人で行ったか
- できあがるもの
- 再出荷の記録
- 回収出荷担当・目安 15分
6. 誤った商品の回収を手配する
届け先に回収の日時を連絡し、配送会社に引き取りを依頼します。荷主が届け先への連絡を行う場合は荷主と分担を決めます。
- 確かめること
- 届け先に余計な手間をかけない方法か
- できあがるもの
- 回収の手配
- 訂正WMS担当・目安 10分
7. 在庫データを訂正する
誤って出た商品と、出なかった本来の商品の在庫を訂正し、回収したら戻します。
- 確かめること
- 訂正の理由を記録したか
- できあがるもの
- 在庫の訂正
- 回収確認出荷担当・目安 10分
8. 回収した商品の状態を確かめて在庫に戻す
数量・破損を確かめ、良品は元の棚に、破損品は保留にします。
- 確かめること
- 回収の数量が誤出荷の数量と一致するか
- できあがるもの
- 回収品の確認
- 原因出荷リーダー・目安 30分
9. 発生の原因を調べる
ピッキングの誤り・格納の誤り(棚の中身の違い)・マスタの誤り・送り状の貼り間違いのどれかを確かめます。
- 確かめること
- 棚に別の商品が混ざっていないか
- できあがるもの
- 発生原因
- 原因出荷リーダー・目安 30分
10. 検品で止められなかった理由を調べる
スキャンの省略・数量の手入力・検品の手順の抜けなどを確かめます。
- 確かめること
- 検品の手順どおりに作業されていたか
- できあがるもの
- 流出原因
- 対策センター長・目安 30分
11. 再発防止策を決める
似た商品の棚を離す、スキャンの省略をできない設定にする、送り状を1件ずつ発行するなど、仕組みで防ぐ対策を決めます。
- 確かめること
- 対策の担当と期限が決まっているか
- できあがるもの
- 再発防止策
- 報告センター長・目安 1時間
12. 誤出荷の報告書を荷主に出す
事実・影響・対応・原因・再発防止策・実施日を書きます。
- 確かめること
- 荷主の指定の期限に間に合うか
- できあがるもの
- 誤出荷の報告書
- 効果確認出荷リーダー・目安 15分
13. 対策後の誤出荷の件数を確かめる
1か月後に同じ原因の誤出荷が出ていないか確かめ、荷主に報告します。
- 確かめること
- 再発していないか
- できあがるもの
- 効果確認の記録
締めのチェックリスト
- 届いた商品の写真をもらった
- 出荷・検品の記録を調べた
- 在庫を数えて事実を確定した
- 他の出荷先への影響を確かめた
- 当日中に荷主に第一報を出した
- 再出荷を2人で検品した
- 在庫データを訂正した
- 回収品の数量と状態を確かめた
- 発生原因と流出原因の両方を調べた
- 報告書を期限内に出し、効果を確かめた
よくあるミスと防ぎ方
在庫の訂正を忘れる
誤った商品の在庫が実際より多く残り、次の出荷で欠品が起きます。回収前と回収後の2回、訂正を確かめます。
原因を「確認不足」で終える
再発します。なぜ確認しなかったのか(できなかったのか)まで調べ、仕組みで防ぐ対策にします。
荷主より先に届け先に連絡する
荷主と届け先の関係に影響します。届け先への連絡は荷主と分担を決めてから行います。
測っておきたい指標
- 誤出荷率(出荷100万件あたりなど)
- 第一報までの時間
- 同じ原因の再発件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
倉庫業法
営業倉庫の事業者は、倉庫寄託約款に沿って受寄物を管理し、出庫の誤りによる損害の扱いも約款や荷主との契約で決まります。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(物流・運輸・12業務)
- 「誤出荷対応」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち1つは、自動化の候補です
よくある質問
- 誤出荷の費用は誰が負担しますか。
- 荷主との契約や倉庫寄託約款で決まります。一般には、倉庫側の作業の誤りであれば再出荷と回収の費用は倉庫側の負担とする取り決めが多いです。
- 誤出荷の記録を管理したいです。
- 受付から再発防止策・効果確認までを1つの台帳で管理すると、同じ原因の繰り返しに気づけます。ジンベイ GenApp で台帳を作れます。
- 誤出荷率はどのくらいが目安ですか。
- 扱う商品や作業の方法で大きく変わるため、まず自社の実績を測り、荷主と目標を決めます。