格納・ロケーション管理の業務手順書テンプレート(物流業)
格納・ロケーション管理は、入荷した商品を決められた棚番(ロケーション)に入れ、どこに何があるかを常にシステムと一致させる業務です。手順書にしておくと、置き場所が分からない商品の探し回り、先入れ先出しの乱れ、システムと現物のずれによるピッキングの誤りを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 商品の置き場所を常にシステムと一致させ、ピッキングの時間と誤りを減らします。
- 範囲
- 入荷検品後の格納先の決定から、格納の登録・補充・ロケーションの見直しまで。
- 始まるきっかけ
- 入荷検品が終わったとき。ピッキング棚の在庫が補充点を下回ったとき。四半期ごとのロケーションの見直しのとき。
- 頻度・量の目安
- 毎日。格納は1日数百〜数千ケース
- 使う書類・システム
- WMS・ハンディ端末、ロケーションマスタ(棚番・棚の大きさ・耐荷重・温度帯)、出荷実績(品目別の出荷頻度)、入荷検品の結果
担当と役割
格納担当(倉庫作業者)
格納と補充、ハンディでの登録
倉庫リーダー
格納先のルールの決定、ロケーションの見直し
WMS担当
ロケーションマスタの管理
手順(13ステップ)
- 決定WMS担当・目安 —
1. 格納先のルールを決める
固定ロケーション(品目ごとに棚を決める)か、フリーロケーション(空いている棚に入れる)かを品目ごとに決めます。
- 確かめること
- 出荷の多い品目が出荷口の近くにあるか
- できあがるもの
- 格納ルール
2. 入荷した商品の格納先を指示する
WMSが空き棚と品目のルールから格納先を出し、格納指示書かハンディに表示します。
- 確かめること
- 棚の大きさ・耐荷重・温度帯に合っているか
- できあがるもの
- 格納指示
- 運搬格納担当・目安 ロットにより
3. 商品を格納先まで運ぶ
パレットはフォークリフト、ケースは台車で運びます。
- 確かめること
- 保留品・異常品を運んでいないか
- できあがるもの
- 運搬
- 確認格納担当・目安 10秒
4. 棚番のラベルをスキャンする
格納先の棚番ラベルをスキャンし、指示と同じ棚か確かめます。
- 確かめること
- 指示と違う棚に入れていないか
- できあがるもの
- 棚番の確認
- 格納格納担当・目安 1分
5. 商品を入れ、商品のコードをスキャンする
商品のコードをスキャンし、数量を入れて格納を登録します。
- 確かめること
- ロット・期限の違う商品を同じ棚の手前に入れていないか
- できあがるもの
- 格納の登録
- 先入れ先出し格納担当・目安 ケースにより
6. 古い期限の商品が先に出るように並べる
同じ棚に入れる場合、新しい商品を奥に、古い商品を手前に置きます。
- 確かめること
- 手前に古い期限の商品があるか
- できあがるもの
- 並べ方の確認
- 例外格納担当・目安 2分
7. 指示の棚に入らない場合は別の棚に入れて登録する
指示の棚がいっぱいの場合は、空いている棚に入れ、実際の棚番を登録し直します。
- 確かめること
- 登録をし直さずに別の棚に入れていないか
- できあがるもの
- 格納先の修正
8. ピッキング棚の補充をする
WMSの補充指示に沿って、保管棚からピッキング棚に移し、移動を登録します。
- 確かめること
- 補充の移動を登録したか
- できあがるもの
- 補充の記録
- 完了WMS担当・目安 10分
9. 格納の完了を確かめる
入荷計上したのに格納が登録されていない商品がないか確かめます。
- 確かめること
- 格納待ちの商品が当日中に残っていないか
- できあがるもの
- 格納完了の確認
- 点検倉庫リーダー・目安 20分
10. 毎日、抜き取りで棚と登録を照らし合わせる
10か所程度の棚を選び、WMSの登録と現物を比べます。
- 確かめること
- ずれがあれば原因を調べたか
- できあがるもの
- ロケーション点検の記録
11. 四半期ごとに出荷頻度で品目を分ける
出荷回数の多い順にA・B・Cに分けます(ABC分析)。
- 確かめること
- 季節で出荷が変わる品目を考えたか
- できあがるもの
- ABC分析の結果
- 見直し倉庫リーダー・目安 1時間
12. 出荷の多い品目を出荷口の近くに移す
A品目を取りやすい高さ・出荷口に近い棚に、C品目を奥や上段に移します。
- 確かめること
- 移動の作業量に見合う効果があるか
- できあがるもの
- ロケーションの見直し案
- 移動格納担当・目安 半日〜
13. ロケーションの移動を行い、登録する
見直し案に沿って商品を移し、移動をWMSに登録します。
- 確かめること
- 移動の登録と現物が一致したか
- できあがるもの
- ロケーション移動の記録
締めのチェックリスト
- 格納先が棚の大きさ・耐荷重・温度帯に合っている
- 棚番ラベルをスキャンした
- 商品のコードと数量を登録した
- 古い期限の商品を手前に置いた
- 指示と違う棚に入れた場合は登録し直した
- 補充の移動を登録した
- 当日中に格納待ちの商品が残っていない
- 抜き取りで棚と登録を照らし合わせた
- 四半期ごとにABC分析をした
- ロケーションの移動を登録した
よくあるミスと防ぎ方
登録せずに空いた棚に入れる
システム上は別の棚にあることになり、ピッキングで見つかりません。違う棚に入れたら必ず登録し直します。
新しい商品を手前に置く
古い商品が残り、期限切れになります。格納のときに手前の期限を確かめます。
出荷の多い品目が奥にある
ピッキングの歩く距離が長くなります。出荷頻度で定期的に配置を見直します。
測っておきたい指標
- ロケーションのずれの件数
- ピッキングの歩行距離・時間
- 格納までの時間
関係する法令・規格
倉庫業法
営業倉庫では、受寄物の保管の方法を定め、適正に管理することが求められます。
労働安全衛生規則
フォークリフトの運転には資格(最大荷重1トン以上は技能講習)が必要です。棚の耐荷重を超えた積み方をしないようにします。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(物流・運輸・12業務)
- 「格納・ロケーション管理」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち3つは、自動化の候補です
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順2:入荷した商品の格納先を指示する
- 手順8:ピッキング棚の補充をする
- 手順11:四半期ごとに出荷頻度で品目を分ける
よくある質問
- 固定ロケーションとフリーロケーションはどちらがよいですか。
- 品目数が少なく出荷が安定している倉庫は固定、品目の入れ替わりが多い倉庫はフリーが向いています。出荷の多い品目は固定、その他はフリーにする組み合わせもよく使われます。
- ABC分析の集計を自動にできますか。
- 出荷実績からの出荷回数の集計と分類は ジンベイ GenRPA で自動化できます。
- WMSがない倉庫ではどうしますか。
- 棚番を決めて表示し、入出庫管理表に棚番の欄を設けて記録します。小さく始めるなら、表計算の台帳から始められます。