車両の日常点検・定期点検の業務手順書テンプレート(物流業)
車両の点検は、ドライバーが運行前にブレーキ・タイヤ・灯火類などを確かめる日常点検と、3か月ごとの定期点検整備を、期限どおりに行い記録する業務です。手順書にしておくと、タイヤの脱落やブレーキの不具合による事故、定期点検の期限切れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 事業用トラックを安全な状態で運行させ、点検と整備の記録を期限どおりに残します。
- 範囲
- 毎日の運行前の日常点検、異常時の整備依頼、3か月ごとの定期点検整備の期限管理まで。車検の手続きは期限の管理だけ扱います。
- 始まるきっかけ
- 毎日の運行前(1日1回)、点検の期限が近づいたとき、ドライバーから異常の報告があったとき。
- 頻度・量の目安
- 日常点検は毎日・1台10〜15分。定期点検は3か月ごと
- 使う書類・システム
- 日常点検表(車両ごと)、車両管理台帳(車検・定期点検の期限)、点検整備記録簿、整備依頼書
担当と役割
ドライバー
運行前の日常点検と記録、異常の報告
整備管理者
日常点検の内容の決定、整備の判断、定期点検の管理
運行管理者
点呼での点検結果の確認、異常車両の配車からの除外
整備工場
定期点検整備・修理
手順(13ステップ)
- 準備ドライバー・目安 1分
1. 車両の周りと下を確かめる
車両の下の油漏れ・水漏れ、周りの障害物を見ます。
- 確かめること
- 前日に駐車したときと違う漏れがないか
- できあがるもの
- 周囲の確認
- タイヤドライバー・目安 3分
2. タイヤの空気圧・亀裂・溝・ホイールナットを確かめる
点検ハンマーで空気圧とナットのゆるみを確かめ、溝の深さと亀裂を見ます。ナットのマーキングのずれも見ます。
- 確かめること
- ナットのゆるみ・脱落、マーキングのずれがないか
- できあがるもの
- タイヤの点検結果
- エンジンルームドライバー・目安 3分
3. 冷却水・エンジンオイル・ブレーキ液・バッテリー液の量を確かめる
各タンクの量が上限と下限の間にあるか確かめます。
- 確かめること
- 下限を下回っていないか
- できあがるもの
- 液量の点検結果
- 灯火ドライバー・目安 2分
4. ライト・ウインカー・ブレーキランプ・反射器を確かめる
点灯と点滅、汚れ・破損を確かめます。
- 確かめること
- 全ての灯火が点くか
- できあがるもの
- 灯火の点検結果
- 運転席ドライバー・目安 3分
5. ブレーキ・ハンドル・ミラー・警告灯を確かめる
ブレーキペダルの踏みしろと効き、駐車ブレーキの引きしろ、エアブレーキの空気圧の上がり方、ミラーの映りを確かめます。
- 確かめること
- 警告灯が点いたままになっていないか
- できあがるもの
- 運転席の点検結果
- 荷台ドライバー・目安 2分
6. 荷台・ゲート・冷凍機を確かめる
テールゲートリフターの動き、荷台の床の破損、冷凍機の温度設定を確かめます。
- 確かめること
- 冷凍機が設定温度まで下がるか
- できあがるもの
- 荷台の点検結果
7. 日常点検表に記入する
項目ごとに良・否を書き、否の内容を具体的に書きます。
- 確かめること
- 全ての項目を記入したか
- できあがるもの
- 日常点検表
- 報告ドライバー・目安 1分
8. 点呼で点検結果を報告する
異常の有無を運行管理者に報告します。
- 確かめること
- 異常をそのままにして出発していないか
- できあがるもの
- 点呼での報告
- 判断整備管理者・目安 5分
9. 異常がある車両を運行させてよいか判断する
ブレーキ・タイヤ・灯火など安全に関わる異常は運行を止め、整備します。
- 確かめること
- 判断と理由を記録したか
- できあがるもの
- 運行可否の判断
- 整備整備管理者・目安 1時間〜
10. 整備を依頼し、結果を記録する
整備工場に依頼し、整備の内容と完了日を点検整備記録簿に書きます。
- 確かめること
- 整備後に異常が直ったことを確かめたか
- できあがるもの
- 整備記録
11. 3か月点検と車検の期限を確かめる
車両管理台帳で、翌月に期限が来る車両を一覧にし、整備工場を予約して配車担当に知らせます。
- 確かめること
- 期限の1か月前に予約したか
- できあがるもの
- 点検の予定
- 定期点検整備工場・目安 半日
12. 3か月ごとの定期点検整備を行う
点検基準に沿って点検し、点検整備記録簿に記録します。
- 確かめること
- 点検整備記録簿を車両に備え、記録を保存しているか
- できあがるもの
- 点検整備記録簿
- 確認整備管理者・目安 30分
13. 月末に日常点検表と整備の状況を確かめる
日常点検の抜け、否の項目の整備の完了を確かめます。
- 確かめること
- 否の項目が全て整備済みか
- できあがるもの
- 月次の確認
締めのチェックリスト
- 車両の下の油漏れ・水漏れを確かめた
- タイヤの空気圧・溝・亀裂を確かめた
- ホイールナットのゆるみ・マーキングのずれを確かめた
- 冷却水・オイル・ブレーキ液の量が範囲内である
- 全ての灯火が点く
- ブレーキの効きと警告灯を確かめた
- 日常点検表の全項目を記入した
- 安全に関わる異常の車両を運行させていない
- 3か月点検・車検の期限を1か月前に確かめた
- 点検整備記録簿を保存している
よくあるミスと防ぎ方
ホイールナットのゆるみを見逃す
大型車のタイヤ脱落事故の多くはナットのゆるみが原因です。マーキングをつけ、ずれを毎日確かめます。特にタイヤ交換の後は締め直しを確かめます。
点検表に印だけつける
実際に確かめていない点検になります。否の内容を具体的に書く欄を設け、整備管理者が抜き打ちで確かめます。
定期点検の期限を過ぎる
配車が詰まっていると後回しになります。期限の1か月前に予約し、配車表に入れます。
測っておきたい指標
- 日常点検の実施率
- 点検での異常の発見件数
- 定期点検の期限内実施率
- 車両故障による運休件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
道路運送車両法(日常点検・定期点検)
自動車の使用者は日常点検と定期点検整備を行う義務があります。事業用トラックは3か月ごとの定期点検整備が必要で、点検整備記録簿を備えて保存します。
貨物自動車運送事業輸送安全規則
整備管理者の選任と、点呼で日常点検の実施を確かめることが定められています。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(物流・運輸・12業務)
- 「車両の日常点検・定期点検」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち2つは、自動化の候補です
よくある質問
- 日常点検は毎日必要ですか。
- 事業用自動車は、1日1回、運行の前に日常点検を行うことが求められています。
- 点検表の確認を楽にできますか。
- 手書きの点検表は ジンベイ GenOCR で読み取り、否の項目だけを一覧にできます。点検をスマートフォンで入力し、整備依頼につなぐ仕組みは ジンベイ GenApp で作れます。
- タイヤ交換の後に気をつけることはありますか。
- 交換後しばらく走るとナットがゆるむことがあるため、規定のトルクで締めたあと、一定の距離を走ってから締め直しを確かめます。