配車計画の業務手順書テンプレート(物流業)
配車計画は、翌日の配送依頼をまとめ、どの車両・どのドライバーで・どの順に回るかを決める業務です。手順書にしておくと、積載率の低い非効率な配車、拘束時間の上限を超える無理な計画、届け先の時間指定の見落としを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 積載率と時間指定を満たし、ドライバーの労働時間の基準を守った配車を、配車担当が替わっても同じ手順で組めるようにします。
- 範囲
- 翌日分の配送依頼の締めから、配車表の作成・確認・運行指示書への引き渡しと、当日の変更対応まで。
- 始まるきっかけ
- 毎日、翌日分の受付の締め時刻のあと。
- 頻度・量の目安
- 毎日。車両10〜100台分
- 使う書類・システム
- 配送依頼の一覧(翌日分)、車両台帳(車種・最大積載量・荷台寸法・温度帯)、ドライバーの勤務表と前日の終業時刻、届け先の条件の一覧、配車表
担当と役割
配車担当
配送依頼の集約、車両とルートの組み立て、配車表の作成
運行管理者
拘束時間・休息期間の確認、運行指示書の作成
協力会社(傭車先)
自社で足りない分の運送
ドライバー
前日の配車の確認、当日の変更の報告
手順(14ステップ)
1. 翌日分の配送依頼を集める
受付の締め時刻に、翌日分の依頼を全て配車表の作業欄に集めます。
- 確かめること
- 受付済みで配車表に載っていない依頼がないか
- できあがるもの
- 翌日分の依頼一覧
- 分類配車担当・目安 15分
2. 温度帯・車種・方面で依頼を分ける
冷凍・冷蔵・常温、パレット・バラ、方面(エリア)で分けます。
- 確かめること
- 温度帯の違う荷物を同じ車に組んでいないか
- できあがるもの
- 分類済みの一覧
- 勤務確認運行管理者・目安 15分
3. ドライバーの出勤予定と前日の終業時刻を確かめる
前日の終業から翌日の始業までの休息期間が基準を満たすドライバーを確かめます。
- 確かめること
- 休息期間が9時間を下回るドライバーを朝一番の運行に入れていないか
- できあがるもの
- 配車できるドライバーの一覧
- 組み立て配車担当・目安 30〜60分
4. 車両ごとに荷物を割り当てる
重さとパレット数が最大積載量・荷台に収まるように割り当てます。
- 確かめること
- 積載率(積載重量÷最大積載量)が低すぎないか、超えていないか
- できあがるもの
- 車両ごとの積み合わせ
- ルート配車担当・目安 30分
5. 届け先を回る順番を決める
時間指定の早い届け先から、道順の無駄がないように並べます。
- 確かめること
- 時間指定の幅に到着できるか
- できあがるもの
- ルート案
- 時間確認配車担当・目安 15分
6. 1日の拘束時間を見積もる
始業点呼から積み込み・運転・荷下ろし・待機・休憩・終業点呼までの時間を足します。
- 確かめること
- 拘束時間が原則13時間以内か。連続運転4時間ごとに休憩を入れたか
- できあがるもの
- 拘束時間の見積
- 調整配車担当・目安 15分
7. 基準を超える車両の荷物を組み直す
荷物を他の車両に移すか、翌日便・傭車に回します。
- 確かめること
- 組み直し後に時間指定を守れるか
- できあがるもの
- 修正した配車案
8. 自社で足りない分を協力会社に依頼する
荷物・時刻・運賃を書面で伝えます。
- 確かめること
- 協力会社に運送の内容と運賃を書面で交付したか
- できあがるもの
- 傭車の依頼書
- 確認運行管理者・目安 15分
9. 配車案を確かめ、承認する
ドライバーの拘束時間・運転時間・休息期間と、車両の点検予定を確かめます。
- 確かめること
- 月の拘束時間が284時間を超えそうなドライバーがいないか
- できあがるもの
- 承認済みの配車表
10. 運行指示書を作る(必要な運行)
乗務前・乗務後の点呼のいずれも対面などで行えない運行は、運行指示書を作ってドライバーに渡します。
- 確かめること
- 運行の経路・休憩地点・到着時刻が書かれているか
- できあがるもの
- 運行指示書
11. ドライバーに翌日の配車を知らせる
車両・積み込み場所と時刻・届け先の順番・注意事項を伝えます。
- 確かめること
- 届け先の入構方法・荷下ろしの注意を伝えたか
- できあがるもの
- 配車の連絡
- 当日対応配車担当・目安 随時
12. 当日の追加・遅延・事故に合わせて配車を変える
ドライバーからの連絡を受け、他の車両への振り替えや荷主への連絡をします。
- 確かめること
- 変更でドライバーの拘束時間が基準を超えないか
- できあがるもの
- 当日の変更記録
13. 実績を配車表に記録する
到着時刻・待機時間・荷役時間・積載率の実績を入れます。
- 確かめること
- 荷待ち・荷役の時間を乗務記録と合わせたか
- できあがるもの
- 配車の実績
- 振り返り配車担当・目安 30分
14. 週次で積載率と荷待ちを集計する
車両別の積載率・実車率と、届け先別の荷待ち時間を集計します。
- 確かめること
- 荷待ちの長い届け先を荷主に伝えたか
- できあがるもの
- 週次の集計
締めのチェックリスト
- 翌日分の依頼が全て配車表に載っている
- 温度帯の違う荷物を混ぜていない
- 休息期間が9時間以上のドライバーを割り当てた
- 最大積載量・荷台寸法を超えていない
- 時間指定に到着できるルートである
- 拘束時間が原則13時間以内である
- 連続運転4時間ごとに休憩を入れた
- 傭車に運送の内容と運賃を書面で交付した
- 必要な運行に運行指示書を作った
- 実績(到着・待機・荷役の時間)を記録した
よくあるミスと防ぎ方
前日の終業時刻を見ずに朝便に入れる
休息期間が足りず基準違反になります。勤務表で前日の終業時刻を確かめてから割り当てます。
待機時間を見込まない
荷待ちの長い届け先があると拘束時間が延びます。届け先別の荷待ちの実績を計画に入れます。
積載重量だけ見て荷台に入らない
軽くてかさばる荷物は重さが余っても積めません。パレット数と寸法も確かめます。
測っておきたい指標
- 積載率
- 実車率
- 拘束時間の基準超過件数
- 荷待ち時間(届け先別)
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)
2024年4月から、トラックドライバーの拘束時間は原則1日13時間以内(上限15時間)・1か月284時間以内・年3,300時間以内、休息期間は継続11時間を基本に9時間を下回らない、連続運転は4時間以内などと定められています。
貨物自動車運送事業輸送安全規則
2025年4月から、荷待ち時間や荷役作業の記録の対象が全ての車両に広がりました。配車の実績と乗務記録をそろえます。
貨物自動車運送事業法(実運送体制管理簿)
元請として荷主から引き受けた運送を協力会社に委託する場合、一定の貨物について実運送事業者の名称などを記録した実運送体制管理簿を作り、1年間保存します。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(物流・運輸・12業務)
- 「配車計画」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
14手順のうち5つは、自動化の候補です
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順1:翌日分の配送依頼を集める
- 手順8:自社で足りない分を協力会社に依頼する
- 手順11:ドライバーに翌日の配車を知らせる
よくある質問
- 積載率はどのくらいを目標にすればよいですか。
- 荷物の性質や片道輸送の多さで変わります。まず車両別・ルート別の実績を測り、低いルートの組み合わせを見直すところから始めます。
- 配車表の作成に時間がかかります。
- 配送依頼の取り込みとドライバーへの連絡は ジンベイ GenRPA で自動化できます。配車表と拘束時間の自動計算は ジンベイ GenApp で仕組みにできます。
- 拘束時間の上限を超えそうなときはどうしますか。
- 荷物を他の車両や翌日に回すか、協力会社に依頼します。荷待ちが原因の場合は、荷主に予約の導入などの改善を求めます。