直送手配の業務手順書テンプレート(卸売業)
直送手配は、得意先の注文を自社の倉庫を通さず、メーカーや仕入先から得意先の現場・店舗へ直接届けてもらう業務です。手順書にしておくと、納品先の伝え間違い、仕入先の伝票に仕入値が載って得意先に渡る事故、売上と仕入の計上漏れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 直送の注文を、納品先・伝票・計上の誤りなく、約束した日に届けられるようにします。
- 範囲
- 直送の可否の確認から、仕入先への手配・納品の確認・売上と仕入の計上まで。
- 始まるきっかけ
- 得意先から大口・大型の商品や、在庫を持たない商品の注文を受けたとき。工事現場への納品で現場直送を求められたとき。
- 頻度・量の目安
- 毎日。1日5〜50件
- 使う書類・システム
- 得意先からの注文書、仕入先の直送の条件(最低数量・送料・リードタイム)、直送の発注書、納品書の様式(自社名・無記名)、受注・出荷指示書(直送・帳合の区分つき)
担当と役割
受注担当(営業事務)
直送の可否確認、仕入先への発注、納品の確認
営業担当
得意先・現場との納品条件の調整
仕入先(メーカー)
出荷と配送
経理
売上と仕入の計上の確認
手順(13ステップ)
- 可否確認受注担当・目安 5分
1. 直送できる商品か仕入先の条件を確かめる
仕入先ごとの直送の最低数量・送料・出荷までの日数・届け先の制限(個人宅・現場の可否)を確かめます。
- 確かめること
- 希望の納品日に間に合うか
- できあがるもの
- 直送可否の判断
- 条件確認営業担当・目安 10分
2. 納品先の受け取り条件を得意先と決める
現場の住所・受取人・電話番号・時間指定・荷下ろしの方法(手降ろし・フォークリフトの有無)・車両の制限を確かめます。
- 確かめること
- 4t車が入れるか、時間指定があるか
- できあがるもの
- 納品条件の記録
- 受注受注担当・目安 3分
3. 直送区分で受注を登録する
受注データに「直送」の区分と仕入先を入れます。
- 確かめること
- 自社倉庫の在庫を引き当てていないか
- できあがるもの
- 直送の受注データ
4. 仕入先に直送の発注書を送る
品番・数量・納品先・受取人・電話・納品日時・荷下ろし条件・伝票の扱いを書きます。
- 確かめること
- 納品先の住所と電話を注文書から正しく写したか
- できあがるもの
- 直送の発注書
- 伝票受注担当・目安 3分
5. 納品書の扱いを仕入先と合わせる
自社名義の納品書を同封する、無記名の伝票にする、のどちらかを指示し、仕入値が載った書類を入れないよう伝えます。
- 確かめること
- 仕入先の請求書・価格入りの書類が同梱されないか
- できあがるもの
- 伝票の指示
6. 仕入先から出荷予定日と送り状番号を受け取る
出荷予定日を得意先に伝え、送り状番号を受注データに入れます。
- 確かめること
- 出荷予定が納品日に間に合うか
- できあがるもの
- 出荷予定の記録
- 連絡営業担当・目安 5分
7. 得意先に出荷予定と配送方法を知らせる
配送会社・送り状番号・到着予定を伝えます。チャーター便は車番とドライバーの連絡先も伝えます。
- 確かめること
- 現場の受取人に伝わっているか
- できあがるもの
- 出荷予定の連絡
8. 配送の状況を確かめる
送り状番号で配達状況を確かめ、遅れや不在があれば得意先と仕入先に知らせます。
- 確かめること
- 納品日の前日に配送状況を確かめたか
- できあがるもの
- 配送状況の記録
- 納品確認受注担当・目安 3分
9. 納品完了を確かめる
配達完了の記録か、得意先の受領印のある納品書の控えで確かめます。
- 確かめること
- 受領印・受領日を確かめたか
- できあがるもの
- 納品の確認記録
10. 売上と仕入を同じ日付で計上する
納品日で得意先への売上と、仕入先からの仕入を同時に計上します。
- 確かめること
- 売上だけ・仕入だけの計上になっていないか
- できあがるもの
- 売上・仕入の計上
- トラブル営業担当・目安 30分
11. 破損・数量違いがあれば仕入先と対応を決める
写真と数量を確かめ、再送・返品・値引きを仕入先と決め、得意先に伝えます。
- 確かめること
- 運送中の破損か出荷時の誤りかを切り分けたか
- できあがるもの
- トラブル対応の記録
- 照合経理・目安 30分
12. 月末に直送の売上と仕入を照らし合わせる
直送区分の受注ごとに、売上と仕入の両方が計上されているか確かめます。
- 確かめること
- 片方しか計上されていない受注がないか
- できあがるもの
- 直送の照合表
- 請求照合経理・目安 15分
13. 仕入先の請求の送料・数量を確かめる
直送の送料が条件どおりか、数量が納品と同じか確かめます。
- 確かめること
- 最低数量に満たない分の送料の扱いが条件どおりか
- できあがるもの
- 請求の確認
締めのチェックリスト
- 仕入先の直送条件を確かめた
- 納品先の住所・受取人・電話・時間指定を確かめた
- 車両の制限と荷下ろしの方法を確かめた
- 直送区分で受注を登録した
- 仕入値の載った書類を同梱しないよう指示した
- 送り状番号を受注データに入れた
- 納品日の前日に配送状況を確かめた
- 受領の記録を確かめた
- 売上と仕入を同じ日付で計上した
- 月末に直送の売上と仕入を照合した
よくあるミスと防ぎ方
仕入値入りの伝票が得意先に届く
仕入先の標準の納品書が同梱されて起きます。発注書に伝票の扱いを必ず書き、初めての仕入先には電話でも伝えます。
現場に車両が入れない
大型車が入れず持ち帰りになり、再配送の費用がかかります。受注時に車両の制限を聞きます。
仕入だけ計上し、売上が漏れる
自社の倉庫を通らないため出荷実績が上がってきません。直送区分の受注を月末に照合します。
測っておきたい指標
- 直送の納期遵守率
- 直送のトラブル件数
- 売上・仕入の計上漏れ件数
関係する法令・規格
取適法(中小受託取引適正化法)
自社が発荷主として運送事業者に配送を委託する場合は特定運送委託として取適法の対象になりえます。仕入先が手配する配送は仕入先と運送事業者の取引です。
インボイス制度
直送でも、得意先への適格請求書は自社が発行します。仕入先から受け取る請求書の登録番号も確かめます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(卸売・商社・12業務)
- 「直送手配」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち4つは、自動化の候補です
よくある質問
- 自社名の伝票を仕入先に使ってもらうにはどうしますか。
- 自社名入りの納品書の様式を仕入先に渡すか、仕入先が無記名の伝票で出荷し、自社から得意先に納品書を送る方法があります。取引の始めに取り決めておきます。
- 配送状況の確認を自動にできますか。
- 送り状番号から配達状況を調べて一覧にする作業は ジンベイ GenRPA で自動化できます。
- 直送と帳合はどう違いますか。
- 直送は物の流れ(仕入先から得意先へ直接届ける)、帳合は伝票と代金の流れ(自社を通す)の話です。直送で帳合を取る取引が多いため、受注時に両方の区分を記録します。