入荷・検品の業務手順書テンプレート(卸売業)
卸売業の入荷・検品は、仕入先から届いた商品を、入荷予定(発注)と照らし合わせて品番・数量・賞味期限・破損の有無を確かめ、在庫と仕入に計上する業務です。手順書にしておくと、数量違いのまま仕入を計上して請求と合わなくなることや、期限の短い商品を受け入れてしまうことを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 届いた商品を発注どおりに確かめて受け入れ、在庫と仕入のデータを正しくします。
- 範囲
- トラックの到着から、検品・格納・入荷計上・差異の連絡まで。仕入先への支払は対象外です。
- 始まるきっかけ
- 仕入先や運送会社のトラックが倉庫に到着したとき。
- 頻度・量の目安
- 毎日。1日10〜60便、数百〜数千ケース
- 使う書類・システム
- 入荷予定表(発注データ)、納品書、商品マスタ(JAN・入数・賞味期限の許容日数)、ハンディ端末、入荷検品表
担当と役割
入荷担当(倉庫)
荷受け、検品、入荷計上
仕入担当
数量違い・品違い・期限の短い商品の仕入先との調整
倉庫責任者
受け入れの判断(期限・破損)
手順(13ステップ)
1. 到着したトラックを受け付け、荷下ろしの場所を指示する
到着時刻・運送会社・仕入先を記録し、バースを割り当てます。
- 確かめること
- 入荷予定にある便か
- できあがるもの
- 受付記録(到着時刻)
2. 納品書と入荷予定を照らし合わせる
仕入先・発注番号・品番・数量を入荷予定表と比べます。
- 確かめること
- 予定にない商品や数量の違いがないか
- できあがるもの
- 照合済みの納品書
- 外装入荷担当・目安 3分
3. 外装の破損・濡れ・つぶれを確かめる
ケースの破れ・へこみ・濡れを見て、ドライバーの前で写真を撮ります。
- 確かめること
- 破損を受領書に書き込んでから受け取ったか
- できあがるもの
- 外装の確認記録
- 検品入荷担当・目安 ケースにより
4. JANコードと数量をハンディで検品する
ケースのJAN(ITF)をスキャンし、入数×ケース数+バラで数えます。
- 確かめること
- スキャンした品番と数量が予定と一致するか
- できあがるもの
- 検品データ
- 期限入荷担当・目安 2分
5. 賞味期限・ロットを確かめて記録する
ケースの賞味期限を読み、商品マスタの許容日数(納品期限)を満たすか確かめます。
- 確かめること
- 前回入荷分より古い日付の商品が来ていないか(日付の逆転)
- できあがるもの
- 期限・ロットの記録
- 判定倉庫責任者・目安 5分
6. 期限が短い・破損がある商品の受け入れを判断する
受け入れる・一部受け入れ・返品(持ち帰り)を決めます。
- 確かめること
- 仕入担当に相談したか
- できあがるもの
- 受け入れの判断
- 差異入荷担当・目安 3分
7. 数量違い・品違いを記録する
不足・過剰・品違いの品番と数量を入荷検品表に書きます。
- 確かめること
- 納品書に差異を書き込み、ドライバーの確認をもらったか
- できあがるもの
- 差異の記録
- 格納入荷担当・目安 ケースにより
8. ロケーションに格納する
決められた棚番に入れ、ハンディで格納先を登録します。古い期限の商品が先に出るように並べます。
- 確かめること
- 格納先の登録と実際の場所が同じか
- できあがるもの
- 格納記録
9. 入荷を計上し、在庫を増やす
検品した数量で入荷を計上します。
- 確かめること
- 納品書の数量ではなく、検品した数量で計上したか
- できあがるもの
- 入荷計上
- 連絡仕入担当・目安 10分
10. 差異を仕入先に連絡する
不足分の追納、過剰分の返品または買い取り、品違いの交換を仕入先と決めます。
- 確かめること
- 赤伝・黒伝の発行を依頼したか
- できあがるもの
- 差異の連絡記録
- 欠品解消仕入担当・目安 10分
11. 欠品待ちの受注に入荷を引き当てる
入荷した商品で、入荷待ちの受注を引き当て、出荷指示を出します。
- 確かめること
- 待っている得意先に出荷日を知らせたか
- できあがるもの
- 引当結果
- 照合仕入担当・目安 1社15分
12. 月末に仕入先の請求と入荷計上を照らし合わせる
請求書の明細と入荷計上を比べ、違いを洗い出します。
- 確かめること
- 赤伝・返品が請求に反映されているか
- できあがるもの
- 請求照合の記録
- 集計倉庫責任者・目安 30分
13. 月次で入荷の差異と待ち時間を集計する
仕入先別の差異件数と、トラックの到着から荷下ろし完了までの時間を集計します。
- 確かめること
- 荷待ちが長い時間帯がないか
- できあがるもの
- 月次の入荷集計
締めのチェックリスト
- 入荷予定にない便を受け付けていない
- 納品書と入荷予定を照合した
- 外装の破損を受領書に書いた
- JANと数量をスキャンで確かめた
- 賞味期限が納品期限を満たす
- 日付の逆転がない
- 差異を記録し、ドライバーの確認をもらった
- 格納先を登録した
- 検品した数量で計上した
- 差異を仕入先に連絡した
よくあるミスと防ぎ方
納品書の数量で計上する
実際の数量と違っても気づかず、在庫が合わなくなります。検品した数量で計上します。
日付の逆転に気づかない
前回より古い期限の商品が入ると、得意先から受け取りを拒まれることがあります。前回の期限を画面に出して比べます。
破損を後から申し出る
受け取った後では運送会社や仕入先に認めてもらえません。荷受けのときに確かめて記録します。
測っておきたい指標
- 入荷差異の件数
- 入荷から格納までの時間
- トラックの荷待ち時間
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
物流効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)
荷受けをする側(着荷主)にも、トラックの荷待ち時間・荷役時間を短くする努力義務があります。到着時刻と荷下ろしの完了時刻を記録しておくと改善に使えます。
食品表示法
食品を扱う場合、表示(期限・アレルゲン)の誤りや欠落がある商品を受け入れないように確かめます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(卸売・商社・12業務)
- 「入荷・検品」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち3つは、自動化の候補です
よくある質問
- 全数をスキャンする時間がありません。
- 実績の安定した仕入先はケース数の確認とバラの抜き取りにし、差異の多い仕入先だけ全数検品にする方法があります。仕入先別の差異件数で見直します。
- 紙の納品書の照合を楽にできますか。
- ジンベイ GenOCR で納品書を読み取り、入荷予定と自動で突き合わせられます。
- 荷待ち時間を記録する必要はありますか。
- 物流効率化法で荷主にも荷待ち時間の短縮が求められています。到着と荷下ろし完了の時刻を記録しておくと、予約の仕組みづくりなどの改善に使えます。