産休・育休の手続きの業務手順書テンプレート(業種共通)
妊娠・出産や育児休業の申出を受けたら、制度を個別に知らせ、社会保険料の免除や給付金の申請を行い、復帰後の働き方まで手続きします。手順書にしておくと、申出の期限や給付の申請漏れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 社員が安心して産休・育休を取り、手続きの漏れなく職場に戻れるようにすることを目的にします。
- 範囲
- 妊娠・出産の申出から、個別周知・意向確認、産前産後休業、育児休業(産後パパ育休を含む)、給付と保険料免除、復帰後の手続きまで。
- 始まるきっかけ
- 社員から妊娠・出産(配偶者の出産を含む)の申出があったとき
- 頻度・量の目安
- 随時
- 使う書類・システム
- 育児・介護休業規程、育児休業申出書、産前産後休業取得者申出書・育児休業等取得者申出書、出産手当金・育児休業給付金の申請書、賃金台帳
担当と役割
人事担当
個別周知、届出、給付の申請
上長
業務の引き継ぎと代替要員の手配
社員
申出と書類の提出
手順(10ステップ)
- 周知人事担当・目安 30分
1. 申出を受けたら、育休制度・申出先・給付・保険料の扱いを個別に知らせ、取得の意向を確認する
面談・書面などで行い、取得を控えさせるような言い方をしない。
- 確かめること
- 周知と意向確認の記録があるか
- できあがるもの
- 個別周知の記録
- 計画上長・目安 1時間
2. 休業の期間と引き継ぎの計画、代替要員の手配を決める
業務を一人に寄せず、手順書や引き継ぎ書を作る。
- 確かめること
- 引き継ぎの担当と期限を決めたか
- できあがるもの
- 引き継ぎ計画
3. 産前産後休業中の社会保険料免除のため、産前産後休業取得者申出書を出す
産前6週(多胎は14週)・産後8週が産休の期間。
- 確かめること
- 申出書を出したか
- できあがるもの
- 申出書の控え
- 産休人事担当・目安 15分
4. 健康保険の出産手当金・出産育児一時金の手続きを案内する
出産育児一時金は医療機関の直接支払制度を使うことが多い。
- 確かめること
- 本人に申請方法を伝えたか
- できあがるもの
- 案内の記録
5. 育児休業の申出書を、開始予定日の1か月前までに出す(産後パパ育休は2週間前まで)
分割取得や期間の変更も申出で行う。
- 確かめること
- 開始日・終了日が書いてあるか
- できあがるもの
- 育児休業申出書
6. 育児休業等取得者申出書を年金事務所(健康保険組合)に出し、保険料の免除を受ける
月の末日に休業しているか、同じ月に14日以上の休業があると、その月の保険料が免除される。
- 確かめること
- 免除の対象月を確認したか
- できあがるもの
- 申出書の控え
7. ハローワークに育児休業給付金の受給資格の確認と初回の申請を行い、その後原則2か月ごとに申請する
両親ともに14日以上休業した場合などの出生後休業支援給付金も確認する。
- 確かめること
- 次回の申請期限を登録したか
- できあがるもの
- 申請の控え
- 休業中人事担当・目安 15分
8. 休業中の連絡方法と、復帰日の確認時期を本人と決めておく
復帰の1〜2か月前に面談し、勤務時間や働き方を確認する。
- 確かめること
- 面談日を登録したか
- できあがるもの
- 連絡の記録
- 復帰人事担当・目安 30分
9. 復帰後の働き方(短時間勤務・残業の免除など)を確認し、手続きする
3歳から小学校入学前の子を持つ人には、会社が選んだ2つ以上の柔軟な働き方の措置から選べるようにする(2025年10月から)。
- 確かめること
- 本人の希望を確認したか
- できあがるもの
- 働き方の申出
10. 復帰後に給与が下がった場合は、育児休業等終了時報酬月額変更届と養育期間の特例の申出を検討する
養育期間の特例は、将来の年金額を休業前の水準で計算する仕組み。
- 確かめること
- 本人に説明したか
- できあがるもの
- 届出の控え
締めのチェックリスト
- 個別周知と意向確認をした
- 引き継ぎ計画を作った
- 産休の保険料免除の申出をした
- 出産手当金などの申請方法を伝えた
- 育休の申出書を期限までに受け取った
- 育休の保険料免除の申出をした
- 育児休業給付金の次回申請期限を登録した
- 復帰前の面談日を決めた
- 復帰後の働き方を確認した
- 終了時の月額変更・養育特例を検討した
よくあるミスと防ぎ方
個別周知を口頭だけで済ませる
周知と意向確認は会社の義務です。いつ・何を伝えたかを記録に残します。
給付金の2か月ごとの申請を忘れる
申請が遅れると本人の生活に響きます。申請期限をカレンダーに入れ、担当を決めます。
男性の育休の申出に消極的な対応をする
取得を控えさせるような言動はハラスメントにあたります。上長向けにも制度の説明をしておきます。
測っておきたい指標
- 育休取得率(男女別)
- 復帰率
- 給付申請の遅れ件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
育児休業・産後パパ育休、個別周知・意向確認、柔軟な働き方の措置
育児休業給付金・出生後休業支援給付金の申請
産休・育休中の社会保険料の免除
産前6週・産後8週の休業
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「産休・育休の手続き」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち5つは、自動化の候補です
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順3:産前産後休業中の社会保険料免除のため、産前産後休業取得者申出書を出す
- 手順6:育児休業等取得者申出書を年金事務所(健康保険組合)に出し、保険料の免除を受ける
- 手順7:ハローワークに育児休業給付金の受給資格の確認と初回の申請を行い、その後原則2か月ごとに申請する
- 手順10:復帰後に給与が下がった場合は、育児休業等終了時報酬月額変更届と養育期間の特例の申出を検討する
よくある質問
- 育休は何歳まで取れますか?
- 原則は子が1歳になるまでです。保育所に入れないなどの理由があれば、最長2歳まで延長できます。
- 育休の取得状況の公表は必要ですか?
- 常時雇用する労働者が300人を超える会社は、男性の育休取得率などを年1回公表する義務があります(2025年4月から)。
- 休業中に働いてもらってもよいですか?
- 産後パパ育休は労使協定があれば、本人の同意の範囲で一部働くことができます。通常の育休は臨時的・一時的な場合に限られます。