オーナーへの送金と定期報告の業務手順書テンプレート(不動産・賃貸管理)
毎月の家賃入金を物件・オーナーごとに集計し、管理手数料や修繕費を差し引いて送金明細を作って送金し、年1回以上の定期報告を行うまでの流れです。手順書にしておくと、送金額の計算ミスや送金遅れ、法定の定期報告の漏れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- オーナーに正確な金額を期日どおり送金し、管理状況を法令どおり報告するための手順です。
- 範囲
- 月次の家賃集計から、差引項目の確定、送金、送金明細の送付、定期報告まで。
- 始まるきっかけ
- 毎月の送金日の5営業日前(入金の締め後)
- 頻度・量の目安
- 毎月・オーナー数十〜数百名
- 使う書類・システム
- 家賃の入金・滞納管理表、修繕費・立替金の請求書、管理受託契約書(手数料・送金日)、送金明細のひな形、管理業務の実施記録
担当と役割
経理担当
入金の集計、差引の計算、送金処理
管理担当
修繕費・立替金の確定、定期報告の作成
管理責任者(業務管理者)
送金額と報告内容の確認
オーナー(貸主)
明細・報告の確認
手順(10ステップ)
1. 当月の家賃入金を締め、物件・オーナーごとに集計する
入金済み・未入金・保証会社からの代位弁済を分けて集計します。
- 確かめること
- 前月の遅れ入金を当月分に含めたか
- できあがるもの
- オーナー別入金集計
2. 修繕費・立替金・広告料など差し引く費用を確定する
業者の請求書とオーナー承認の記録を照合します。
- 確かめること
- 承認が必要な費用に承認があるか
- できあがるもの
- 差引項目一覧
- 計算経理担当・目安 30分
3. 管理手数料を計算する
管理受託契約の料率と計算の基準(賃料のみか、共益費を含むか)どおりに計算します。
- 確かめること
- 料率と計算の基準が契約書と一致するか
- できあがるもの
- 手数料の計算
4. 送金明細を作る
部屋ごとの入金、滞納、差引項目、送金額を一覧にします。
- 確かめること
- 明細の合計と送金額が一致するか
- できあがるもの
- 送金明細
5. 送金額と明細を確認・承認する
前月と大きく違うオーナーは理由を確認します。
- 確かめること
- 送金額が大きく変わった理由が明細で分かるか
- できあがるもの
- 承認記録
6. 送金日に送金し、明細を送る
オーナーの口座へ振り込み、明細をメール・郵送で送ります。
- 確かめること
- 送金日(契約で決めた日)を守ったか
- できあがるもの
- 送金記録・送付記録
- 分別経理担当・目安 月30分
7. 預り金(家賃・敷金)の口座と自社の口座を分けて管理する
管理物件の家賃は専用口座で受け、帳簿でオーナーごとに残高を分けます。
- 確かめること
- 専用口座の残高と帳簿の合計が一致するか
- できあがるもの
- 預り金の残高照合
- 定期報告管理担当・目安 1時間/オーナー
8. 管理業務の実施状況を報告書にまとめる
報告対象期間の家賃の収納状況、修繕・点検の実施状況、入居者からの苦情と対応を書きます。
- 確かめること
- 報告対象期間が1年を超えていないか
- できあがるもの
- 定期報告書
9. 定期報告書を確認し、オーナーに交付する
書面または承諾を得て電磁的方法で交付し、説明します。
- 確かめること
- 交付日と方法を記録したか
- できあがるもの
- 交付記録
- 問合せ管理担当・目安 随時
10. オーナーからの問い合わせに答え、記録する
明細の内容への質問は、根拠資料(請求書・承認記録)で回答します。
- 確かめること
- 回答の期限と内容を記録したか
- できあがるもの
- 問い合わせ記録
締めのチェックリスト
- 入金を締めて集計したか
- 代位弁済の入金を分けたか
- 差引費用にオーナー承認があるか
- 手数料が契約どおりか
- 明細の合計と送金額が一致するか
- 送金日を守ったか
- 預り金を分別管理しているか
- 専用口座と帳簿が一致するか
- 定期報告の期間が1年以内か
- 定期報告の交付を記録したか
よくあるミスと防ぎ方
手数料の計算基準の違い
オーナーごとに料率や対象(共益費を含むか)が違うのに一律で計算してしまいます。契約ごとの条件を台帳に入れておきます。
承認のない修繕費の差引
承認が必要な金額なのに差し引くとトラブルになります。承認記録と照合します。
預り金と自社資金の混在
家賃を自社口座で受けると分別管理違反になります。専用口座と帳簿で分けます。
測っておきたい指標
- 送金日の遵守率
- 送金明細の訂正件数
- 定期報告の期限内交付率
関係する法令・規格
賃貸住宅管理業法16条(財産の分別管理)
管理業者は、受け取った家賃・敷金等を自己の固有財産や他の管理受託契約の財産と分けて管理します。
賃貸住宅管理業法20条(委託者への定期報告)
管理業者は、管理業務の実施状況などを、契約を結んだ日から1年を超えない期間ごと及び契約期間の満了後遅滞なく、オーナーに報告します。
賃貸住宅管理業法(登録・業務管理者)
管理戸数200戸以上の管理業者は国土交通大臣の登録が必要で、営業所ごとに業務管理者を置きます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(不動産・12業務)
- 「オーナーへの送金と定期報告」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち6つは、自動化の候補です
よくある質問
- 定期報告はどのくらいの頻度で必要ですか
- 賃貸住宅管理業法で、管理受託契約を結んだ日から1年を超えない期間ごと、及び契約期間の満了後遅滞なく行うことになっています。
- 管理戸数が200戸未満でも分別管理は必要ですか
- 登録義務は200戸以上ですが、登録した業者は戸数にかかわらず法の規制を受けます。登録していなくても、預り金を分けて管理することが望まれます。
- 送金明細の作成を楽にするには
- 入金データと請求書をジンベイ GenOCRとジンベイ GenRPAで取り込み、明細を自動で作ると、月末の作業時間を減らせます。