賃貸借契約の更新の業務手順書テンプレート(不動産・賃貸管理)
契約満了の数か月前に貸主・借主の意向を確かめ、更新の案内を出し、更新料と保証・保険の更新を済ませて合意書を交わすまでの流れです。手順書にしておくと、通知期間の過ぎた法定更新、更新料の請求漏れ、火災保険の切れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 契約満了までに、条件を確かめたうえで更新の手続きを終えるための手順です。
- 範囲
- 満了の4か月前の抽出から、意向確認、案内、合意書の締結、台帳の更新まで。
- 始まるきっかけ
- 契約台帳で、満了日の4か月前になった契約を抽出したとき
- 頻度・量の目安
- 毎月・管理戸数の1/24程度(2年契約の場合)
- 使う書類・システム
- 契約台帳、賃貸借契約書、更新合意書(更新契約書)、保証会社の更新案内、火災保険の更新案内
担当と役割
更新担当
対象の抽出、意向確認、案内と合意書の送付
オーナー(貸主)
更新の可否・条件の決定
借主
更新の意思表示、更新料の支払
経理担当
更新料の入金確認、オーナーへの送金
手順(10ステップ)
1. 満了日の4か月前の契約を抽出する
契約台帳から、普通借家・定期借家を分けて一覧にします。
- 確かめること
- 定期借家の契約が混ざっていないか(更新ではなく再契約)
- できあがるもの
- 更新対象一覧
- 意向更新担当・目安 10分/件
2. オーナーに更新の可否と条件を確認する
賃料の改定、更新料、特約の変更の有無を聞きます。
- 確かめること
- 満了の1年前から6か月前までに更新しない旨の通知が必要な場合、期間内か
- できあがるもの
- オーナー意向の記録
- 意向更新担当・目安 5分/件
3. 借主の滞納・苦情の状況を確認する
家賃の入金状況と、近隣からの苦情の記録を見ます。
- 確かめること
- 滞納がある場合の対応をオーナーと決めたか
- できあがるもの
- 借主の状況メモ
4. 借主に更新の案内を送る
満了日、新しい契約期間、賃料、更新料、更新事務手数料、火災保険・保証会社の更新を書き、回答期限を示します。
- 確かめること
- 更新料などの金額が契約書の定めと一致するか
- できあがるもの
- 更新案内
- 回答更新担当・目安 随時
5. 借主の回答を受け、更新しない場合は解約手続きに回す
回答がない場合は電話・メールで確認します。
- 確かめること
- 回答期限を過ぎた借主に連絡したか
- できあがるもの
- 回答の記録
- 保険更新担当・目安 5分/件
6. 火災保険(家財)の更新を確認する
保険会社・代理店から更新手続きが済んだことを確認します。
- 確かめること
- 満期日までに更新されたか
- できあがるもの
- 保険の更新記録
- 保証更新担当・目安 5分/件
7. 保証会社の更新手続きを確認する
更新保証料の支払が済んだか確認します。
- 確かめること
- 保証が切れていないか
- できあがるもの
- 保証の更新記録
- 合意書更新担当・目安 3〜7日
8. 更新合意書を作り、署名を集める
賃料など条件を変える場合は変更内容を明記します。
- 確かめること
- オーナー・借主双方の署名がそろったか
- できあがるもの
- 締結済み更新合意書
9. 更新料と事務手数料の入金を確認し、オーナー分を送金する
受領した更新料を管理受託契約の条件で精算します。
- 確かめること
- 更新料と手数料を分けて記録したか
- できあがるもの
- 入金・送金記録
10. 契約台帳の満了日と次回の更新期限を更新する
新しい満了日、次回の案内時期、保険・保証の満期を入れます。
- 確かめること
- 台帳の更新漏れがないか
- できあがるもの
- 契約台帳の更新
締めのチェックリスト
- 満了4か月前に抽出したか
- 定期借家を分けたか
- オーナーの意向を確かめたか
- 滞納・苦情を確認したか
- 更新案内の金額が契約書どおりか
- 回答期限後に連絡したか
- 火災保険の更新を確かめたか
- 保証の更新を確かめたか
- 合意書の署名がそろったか
- 台帳を更新したか
よくあるミスと防ぎ方
案内が遅れて法定更新になる
更新しない・条件を変える場合は、満了の1年前から6か月前までに通知が必要です。4か月前では遅い場合があるので、条件変更の希望は早めにオーナーに聞きます。
火災保険の切れ
更新手続きが借主任せで、保険が切れたままになることがあります。満期日を台帳で管理し確認します。
定期借家を「更新」してしまう
定期借家は期間満了で終了し、続ける場合は再契約です。台帳で契約の種類を分けて管理します。
測っておきたい指標
- 満了日までの更新手続き完了率
- 法定更新になった件数
- 更新率(更新件数÷満了件数)
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
借地借家法26条(建物賃貸借契約の更新等)
期間の定めがある普通借家で、期間満了の1年前から6か月前までに更新しない旨や条件を変更しなければ更新しない旨の通知をしないと、同じ条件で更新したものとみなされます(法定更新)。貸主からの通知には正当事由が必要です。
借地借家法38条(定期建物賃貸借)
定期借家は更新がなく、期間1年以上の場合は満了の1年前から6か月前までに借主へ終了の通知をします。
更新料(最高裁平成23年7月15日判決)
契約書に明確に定められ、高すぎない更新料は有効と判断されています。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(不動産・12業務)
- 「賃貸借契約の更新」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち4つは、自動化の候補です
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順1:満了日の4か月前の契約を抽出する
- 手順4:借主に更新の案内を送る
- 手順10:契約台帳の満了日と次回の更新期限を更新する
よくある質問
- 更新の合意書を交わさなかったらどうなりますか
- 普通借家では、期間満了後も借主が住み続け、貸主が遅滞なく異議を述べなければ、従前と同じ条件で更新したとみなされます(法定更新)。以後は期間の定めのない契約になります。
- 法定更新でも更新料はもらえますか
- 契約書の定め方によって判断が分かれます。契約書に法定更新の場合も支払う旨を明記しておくのが一般的です。
- 更新案内を効率よく送るには
- 契約台帳から対象を自動で抽出し、案内を差し込みで作れるようにすると漏れを防げます。ジンベイ GenAppで台帳と通知を仕組み化できます。