空室の募集と広告の業務手順書テンプレート(不動産・賃貸管理)
空室が出ることが分かった時点で、オーナーと募集条件を決め、物件の情報と写真を整え、広告のルールに沿って掲載し、成約したら速やかに掲載を止めるまでの流れです。手順書にしておくと、おとり広告や誇大広告、記載ミスによるトラブルを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 空室を早く埋めつつ、広告のルールを守るための手順です。
- 範囲
- 解約通知の受付から、募集条件の決定、広告の作成・掲載、内見対応、成約後の掲載停止まで。
- 始まるきっかけ
- 借主から解約通知を受けたとき、または新築・リフォームで募集を始めるとき
- 頻度・量の目安
- 随時・繁忙期は月数十件
- 使う書類・システム
- 物件台帳・設備表、周辺の募集事例・成約事例、募集図面(マイソク)、物件写真、不動産の表示に関する公正競争規約
担当と役割
募集担当
募集条件の提案、物件情報の作成、広告掲載
オーナー(貸主)
賃料・条件の決定、広告の承諾
管理担当
設備・修繕状況の情報提供、内見の鍵の管理
仲介会社
客付け・内見の案内
手順(10ステップ)
- 条件募集担当・目安 30分
1. 周辺の事例をもとに募集条件を提案する
賃料・共益費・敷金・礼金・フリーレントの有無などを、近隣の同じ間取りの事例と比べて提案します。
- 確かめること
- 比較した事例の条件(築年数・駅距離)がそろっているか
- できあがるもの
- 募集条件の提案書
2. 募集条件と広告の掲載を承諾する
条件と、どの媒体・仲介会社に広告してよいかを決めます。
- 確かめること
- 広告の承諾を書面・メールで残したか
- できあがるもの
- 承諾記録
- 情報管理担当・目安 30分
3. 設備と現況を確認する
設備の有無・型番、リフォームの内容、入居可能日を確認します。
- 確かめること
- 退去前の部屋は「入居可能日」を正しく書けるか
- できあがるもの
- 設備・現況の確認
- 写真募集担当・目安 1時間
4. 写真を撮り、間取り図を用意する
部屋全体・水回り・収納・眺望を撮ります。他の部屋の写真を使う場合はその旨を表示します。
- 確かめること
- 写真が実際の部屋と違う場合の表示をしたか
- できあがるもの
- 写真・間取り図
- 作成募集担当・目安 30分
5. 広告(募集図面・ポータル掲載)を作る
所在地、交通(徒歩分数は道路距離80mにつき1分)、面積、築年月、賃料・管理費・敷金・礼金、取引態様を書きます。
- 確かめること
- 取引態様(貸主・代理・媒介)を明示したか
- できあがるもの
- 募集図面・掲載原稿
- 確認募集担当・目安 10分
6. 表現のルールを確認する
「最高」「格安」などの根拠のない表現、事実と違う設備、存在しない物件の表示をしていないか見ます。
- 確かめること
- 二重価格や根拠のない強調表現がないか
- できあがるもの
- 表示の確認
7. ポータル・自社サイトに掲載し、仲介会社に情報を流す
掲載日と媒体を記録します。
- 確かめること
- 掲載情報と募集図面の内容が一致しているか
- できあがるもの
- 掲載記録
8. 内見の申込みを受け、鍵を貸し出す
仲介会社への鍵の貸出・返却を記録します。
- 確かめること
- 返却予定時刻を過ぎた鍵がないか
- できあがるもの
- 鍵の貸出記録
- 反響募集担当・目安 15分/週
9. 反響と内見の数を記録し、条件の見直しを提案する
掲載から2〜3週間で反響が少なければ、写真・条件の見直しをオーナーに提案します。
- 確かめること
- 反響の数を媒体ごとに記録したか
- できあがるもの
- 反響の集計
10. 申込み・成約後は速やかに掲載を止める
すべての媒体で「申込みあり」または掲載停止にします。
- 確かめること
- 成約済みの物件が掲載されたままになっていないか
- できあがるもの
- 掲載停止の記録
締めのチェックリスト
- 周辺事例を比べたか
- オーナーの承諾を残したか
- 入居可能日が正しいか
- 写真が実際の部屋か(違えば表示)
- 徒歩分数を80m=1分で計算したか
- 取引態様を明示したか
- 根拠のない強調表現がないか
- 掲載内容が図面と一致するか
- 鍵の貸出を記録したか
- 成約後に掲載を止めたか
よくあるミスと防ぎ方
成約後の掲載放置(おとり広告)
成約した物件を掲載し続けると、おとり広告として処分の対象になります。申込みが入った時点で全媒体を更新します。
設備の誤表示
エアコンの台数やインターネット設備などを間違えると、契約後のトラブルになります。設備表と照合してから掲載します。
徒歩分数の計算違い
直線距離で計算すると実際より短くなります。道路距離で80mを1分として計算します。
測っておきたい指標
- 空室期間(退去から入居まで)
- 掲載から申込みまでの日数
- 媒体ごとの反響数
関係する法令・規格
宅地建物取引業法32条(誇大広告等の禁止)
物件の所在・規模・設備・賃料などについて、事実と違う表示や実際より著しく有利と誤認させる表示は禁止されています。
宅地建物取引業法34条(取引態様の明示)
広告をするときは、自ら貸主か、代理か、媒介かを明示します。
不動産の表示に関する公正競争規約
徒歩所要時間の計算方法(道路距離80mにつき1分)、おとり広告の禁止、特定用語(「最高」「格安」など)の使用制限などが定められています。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(不動産・12業務)
- 「空室の募集と広告」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち4つは、自動化の候補です
よくある質問
- 前の入居中に募集してもよいですか
- 解約通知を受けていれば募集できます。内見ができない場合はその旨と、入居可能日を正しく表示します。
- 似た部屋の写真を使ってもよいですか
- 実際の部屋と異なる写真を使う場合は、他の部屋の写真であることを明示します。
- 複数のポータルの更新を楽にするには
- 掲載・掲載停止をジンベイ GenRPAで自動化すると、成約後の掲載停止漏れを防げます。