入居者からの苦情対応の業務手順書テンプレート(不動産・賃貸管理)
入居者から騒音・ごみ出し・駐輪などの苦情を受け、事実を確かめ、全体への注意や当事者への連絡を行い、改善を確認して記録するまでの流れです。手順書にしておくと、苦情者の情報が相手に伝わるトラブルや、対応の放置による退去を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 入居者同士のトラブルを、公平に、苦情者のプライバシーを守って解決するための手順です。
- 範囲
- 苦情の受付から、事実確認、注意喚起、当事者への連絡、改善の確認、記録、オーナーへの報告まで。
- 始まるきっかけ
- 入居者から電話・メール・アプリで苦情の連絡が来たとき
- 頻度・量の目安
- 随時・管理戸数1,000戸あたり月10〜30件
- 使う書類・システム
- 苦情受付記録、賃貸借契約書・使用細則(騒音・ペット・ごみ)、掲示用の注意文、物件の巡回記録
担当と役割
受付担当
苦情の受付と記録
管理担当
事実確認、注意文の掲示、当事者への連絡
管理責任者
繰り返す場合の対応の判断、オーナーへの報告
オーナー(貸主)
契約違反への対応の判断
手順(10ステップ)
1. 苦情を受け、内容を記録する
日時・場所・内容(音の種類・時間帯)・頻度・苦情者の連絡先を聞きます。
- 確かめること
- 苦情者が名前を相手に伝えてほしくないか確認したか
- できあがるもの
- 苦情受付記録
- 判断受付担当・目安 2分
2. 緊急性を判断する
暴力・騒ぎ・異臭・水漏れなど、安全に関わる場合は警察・消防への連絡を案内します。
- 確かめること
- 事件性があるか
- できあがるもの
- 緊急度の記入
- 確認管理担当・目安 30分
3. 事実を確認する
現地を確認し、他の入居者の声や、ごみ置場・駐輪場の状況を写真に撮ります。
- 確かめること
- 発生源を推測で決めつけていないか
- できあがるもの
- 事実確認の記録
- 全体管理担当・目安 20分
4. まず全体への注意喚起を行う
発生源が特定できない場合や初回は、掲示やポスティングで全戸に注意します。
- 確かめること
- 特定の部屋が分かる書き方になっていないか
- できあがるもの
- 注意文の掲示
- 報告管理担当・目安 5分
5. 苦情者に対応内容を伝える
何をしたかを伝え、改善しない場合は再度連絡をもらうよう頼みます。
- 確かめること
- 苦情者に対応結果を伝えたか
- できあがるもの
- 苦情者への報告記録
- 個別管理担当・目安 15分
6. 続く場合、発生源と思われる入居者に個別に連絡する
苦情者が誰かを明かさずに、「近隣から音についてご意見がある」と伝えます。
- 確かめること
- 苦情者の情報を伝えていないか
- できあがるもの
- 個別連絡の記録
7. 1〜2週間後に改善したかを苦情者に確認する
改善しない場合は文書で注意します。
- 確かめること
- 確認日と結果を記録したか
- できあがるもの
- 改善確認の記録
- 判断管理責任者・目安 30分
8. 契約違反が続く場合、オーナーと対応を決める
使用細則違反を文書で通知し、改善がなければ契約上の措置を検討します。
- 確かめること
- 記録(日時・回数・内容)がそろっているか
- できあがるもの
- オーナー協議の記録
9. 月次でオーナーに苦情の状況を報告する
件数・内容・対応状況をまとめます。
- 確かめること
- 未解決の案件の見通しを書いたか
- できあがるもの
- オーナー報告
- 予防管理担当・目安 30分
10. よく起きる苦情を入居時の案内に反映する
ごみ出しのルールや楽器の使用時間などを、入居時の案内に入れます。
- 確かめること
- 入居時の案内を更新したか
- できあがるもの
- 入居案内の改訂
締めのチェックリスト
- 苦情の日時・内容・頻度を記録したか
- 匿名の希望を確認したか
- 緊急性を判断したか
- 現地で事実を確認したか
- まず全体に注意喚起したか
- 特定の部屋が分かる掲示にしていないか
- 苦情者に対応結果を伝えたか
- 個別連絡で苦情者を明かしていないか
- 改善を確認したか
- オーナーに報告したか
よくあるミスと防ぎ方
苦情者の情報が相手に伝わる
「〇号室から苦情が」と伝えると、入居者同士のトラブルが大きくなります。苦情者は明かさない運用にします。
一度の掲示で終わりにする
改善を確認しないと苦情者の不満が強まり、退去につながります。1〜2週間後に確認します。
記録がない
契約違反として対応するときに、日時や回数の記録がないと判断できません。毎回記録します。
測っておきたい指標
- 苦情の解決までの日数
- 同じ物件での再発件数
- 苦情を理由とする退去件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
個人情報保護法
苦情者・当事者の個人情報は、本人の同意なく第三者(相手方の入居者を含む)に提供しないようにします。
民法(用法遵守義務・信頼関係)
借主は契約や物件の性質で定まった用法に従って使う義務があります。迷惑行為が続き信頼関係が壊れた場合、解除が認められることがあります。
賃貸住宅管理業法
入居者からの苦情の発生状況と対応は、オーナーへの定期報告の内容に含めます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(不動産・12業務)
- 「入居者からの苦情対応」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち3つは、自動化の候補です
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順1:苦情を受け、内容を記録する
- 手順7:1〜2週間後に改善したかを苦情者に確認する
- 手順9:月次でオーナーに苦情の状況を報告する
よくある質問
- 騒音の発生源が分からないときはどうしますか
- まず全戸への掲示やポスティングで注意喚起し、苦情者に発生時刻を記録してもらって、事実を確かめます。
- 管理会社が入居者同士の話し合いに立ち会うべきですか
- 状況によりますが、感情的な対立になりやすいため、管理会社が間に立って伝える方法が一般的です。
- 苦情の記録を楽にするには
- 苦情の受付から完了までをジンベイ GenAppの台帳で管理すると、未解決の案件やオーナー報告用の集計がすぐに出せます。