社会保険の月額変更届の業務手順書テンプレート(業種共通)
昇給・降給や手当の変更で固定的賃金が変わったとき、3か月の報酬の平均で標準報酬月額が2等級以上変わるかを判定し、届け出ます。手順書にしておくと、届出漏れによる保険料のずれを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 固定的賃金が変わった人の標準報酬月額を、遅れなく改定することを目的にします。
- 範囲
- 固定的賃金の変動の把握から、3か月の報酬の確認、要件の判定、届出、給与への反映まで。
- 始まるきっかけ
- 昇給・降給、手当の新設・廃止、時給・日給の変更、雇用形態の変更があったとき
- 頻度・量の目安
- 随時(4月の昇給時に集中)
- 使う書類・システム
- 賃金台帳、給与変更の記録(辞令・労働条件の変更通知)、健康保険・厚生年金の保険料額表
担当と役割
人事担当
固定的賃金の変動の記録
給与担当
3か月の報酬の確認、判定、届出
手順(10ステップ)
- 準備人事担当・目安 初回30分
1. 昇給・手当の変更を決めたら、変動月を給与担当と共有する仕組みをつくる
辞令や労働条件の変更通知を給与担当にも回す。
- 確かめること
- 給与担当に回る流れがあるか
- できあがるもの
- 共有の手順
2. 固定的賃金(基本給・役職手当・通勤手当・住宅手当など)が変わった人と変わった月を記録する
残業代など毎月変わるものは固定的賃金ではない。
- 確かめること
- 変動のあった月を記録したか
- できあがるもの
- 変動の記録
3. 変動後の給与を支払った月から3か月の報酬と支払基礎日数を記録する
3か月とも支払基礎日数が17日以上(短時間労働者は11日以上)であることが要件。
- 確かめること
- 3か月とも日数要件を満たすか
- できあがるもの
- 3か月の報酬表
4. 3か月の平均で標準報酬月額を求め、今の等級と比べる
2等級以上の差があれば届出が必要。
- 確かめること
- 2等級以上の差があるか
- できあがるもの
- 判定結果
- 判定給与担当・目安 1名3分
5. 固定的賃金の増減と平均報酬の増減の向きが同じか確認する
固定的賃金が上がったのに残業減で平均が下がった場合などは対象外。
- 確かめること
- 増減の向きが一致するか
- できあがるもの
- 判定記録
6. 月額変更届を作る
改定は変動後4か月目の標準報酬月額から。
- 確かめること
- 改定月が正しいか
- できあがるもの
- 月額変更届
7. 速やかに年金事務所(健康保険組合)へ提出する
電子申請(e-Gov)が便利。
- 確かめること
- 提出日を記録したか
- できあがるもの
- 提出控え
8. 決定通知を受けたら、改定月の保険料から給与に反映する
当月控除か翌月控除かで、変わる給与の月が違う。
- 確かめること
- 反映した月が正しいか
- できあがるもの
- 更新した給与マスタ
- 算定との関係給与担当・目安 5分
9. 7〜9月に改定される人は、その年の算定基礎届の対象外にする
算定基礎届の対象者一覧から外す。
- 確かめること
- 算定の一覧から外したか
- できあがるもの
- 対象者一覧の更新
- 通知給与担当・目安 5分
10. 本人に新しい標準報酬月額と保険料が変わる月を知らせる
給与明細の備考に書く方法もある。
- 確かめること
- 本人に知らせたか
- できあがるもの
- 通知記録
締めのチェックリスト
- 固定的賃金の変動月を記録した
- 3か月の報酬と支払基礎日数を記録した
- 2等級以上の差を判定した
- 増減の向きが一致するか確認した
- 改定月(4か月目)を確認した
- 届出を提出した
- 改定月の保険料から反映した
- 算定基礎届の対象から外した
よくあるミスと防ぎ方
通勤手当の変更を見落とす
引っ越しによる通勤手当の変更も固定的賃金の変動です。住所変更の連絡と同時に記録します。
残業代の増減だけで届出してしまう
固定的賃金の変動がなければ対象外です。まず固定的賃金の変動があるかを確認します。
届出を忘れて後から遡る
遡って保険料を徴収・返金することになります。変動の記録から3か月後に確認する予定を入れます。
測っておきたい指標
- 届出漏れの件数
- 変動から届出までの日数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
固定的賃金の変動で2等級以上の差が出たとき、4か月目から改定
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「社会保険の月額変更届」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち6つは、自動化の候補です
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順2:固定的賃金(基本給・役職手当・通勤手当・住宅手当など)が変わった人と変わった月を記録する
- 手順4:3か月の平均で標準報酬月額を求め、今の等級と比べる
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順3:変動後の給与を支払った月から3か月の報酬と支払基礎日数を記録する
- 手順6:月額変更届を作る
- 手順7:速やかに年金事務所(健康保険組合)へ提出する
- 手順8:決定通知を受けたら、改定月の保険料から給与に反映する
よくある質問
- 1等級しか変わらない場合は?
- 月額変更届の対象外です。次の算定基礎届で見直されます。
- 時給が上がったパートは対象ですか?
- 時給の変更は固定的賃金の変動です。3か月の要件を満たし2等級以上変われば対象です。
- 等級の上限・下限に当たる場合は?
- 上限・下限の等級の人は、1等級の差でも届出が必要になる特例があります。日本年金機構の案内で確認します。