顧客マスタの登録・変更の業務手順書テンプレート(業種共通)
新しい取引先を顧客マスタに登録するときに、会社の実在・反社会的勢力でないこと・インボイスの登録番号・与信を確かめ、重複を防いで登録します。手順書にしておくと、重複登録や古い住所への請求書の送付、確認漏れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 顧客マスタを正しく、重複なく保ち、取引の前に必要な確認を済ませることを目的にします。
- 範囲
- 新規登録の申請から、確認、重複チェック、登録、承認、変更・取引停止の処理、定期的な見直しまで。
- 始まるきっかけ
- 新規の取引先と取引を始めるとき、取引先の社名・住所・担当者・口座などが変わったとき
- 頻度・量の目安
- 随時(月数件〜数十件)・見直しは年1回
- 使う書類・システム
- 顧客登録申請書、商業登記の情報(登記事項証明書・法人番号公表サイト)、国税庁 適格請求書発行事業者公表サイト、反社チェックの記録、与信の資料
担当と役割
営業担当
登録・変更の申請、取引先からの情報の取得
営業事務
確認、重複チェック、登録
営業責任者・経理責任者
与信と取引条件の承認
手順(10ステップ)
1. 顧客登録申請書に会社名・所在地・代表者・担当者・連絡先・締め日・支払条件・請求書の送付方法を書く
名刺や会社のWebサイトだけでなく、取引先から書面で情報をもらう。
- 確かめること
- 締め日と支払条件を書いたか
- できあがるもの
- 顧客登録申請
2. 法人番号公表サイトで商号と所在地を確認し、法人番号を記録する
商号の表記(株式会社の前後・全角半角)を登記どおりにする。
- 確かめること
- 商号が登記と一致するか
- できあがるもの
- 法人番号の記録
3. インボイスの登録番号を公表サイトで確認する
取引先から仕入をする場合や、相殺がある場合に特に重要。
- 確かめること
- 登録番号の有無と名称を確認したか
- できあがるもの
- 登録番号の記録
- 反社営業事務・目安 10分
4. 反社会的勢力でないかを確認し、記録する
Web・新聞記事の検索、外部のデータベースなど社内のルールの方法で行う。
- 確かめること
- 確認日と方法を記録したか
- できあがるもの
- 反社チェックの記録
5. 顧客マスタに同じ会社が登録されていないか、法人番号・電話番号で検索する
支店・事業所ごとに登録する場合は、本社との関係を設定する。
- 確かめること
- 重複がないか
- できあがるもの
- 重複チェック済み
- 与信営業責任者・経理責任者・目安 15分
6. 取引の見込み額に応じて与信限度額と取引条件を決める
決算書・信用調査会社の情報などを使う。
- 確かめること
- 与信限度額を決めたか
- できあがるもの
- 与信の決定
7. 承認後、顧客マスタに登録し、得意先コードを営業担当に知らせる
登録した人と承認した人を記録する。
- 確かめること
- 申請内容とマスタが一致するか
- できあがるもの
- 顧客マスタ
- 変更営業事務・目安 5分
8. 社名・住所・口座などの変更の連絡は、書面で受けてから変更する
口座の変更は、登録済みの電話番号で本人確認する。
- 確かめること
- 変更の根拠書類があるか
- できあがるもの
- 変更記録
9. 年1回、取引のない顧客・登録番号の失効・与信の期限を確認する
1年以上取引のない顧客は取引停止の扱いにする。
- 確かめること
- 見直しの結果を記録したか
- できあがるもの
- 見直しの記録
10. 取引を停止する顧客は、マスタの状態を「停止」にし、新しい受注が入らないようにする
売掛金が残っている場合は回収が終わるまで経理と共有する。
- 確かめること
- 停止の理由を記録したか
- できあがるもの
- 停止の記録
締めのチェックリスト
- 取引先から書面で情報をもらった
- 法人番号と商号を確認した
- インボイスの登録番号を確認した
- 反社チェックを記録した
- 重複登録がない
- 与信限度額を決めた
- 登録者と承認者を記録した
- 変更は書面と電話で確認した
- 年1回の見直しをした
よくあるミスと防ぎ方
同じ会社を二重に登録する
「(株)」と「株式会社」の表記違いで重複が起きます。法人番号で検索してから登録します。
住所変更の反映漏れ
請求書が古い住所に届きます。変更の連絡を受けたらすぐに反映し、請求書の送付先も確認します。
反社チェックをしないまま取引を始める
取引開始後に判明すると解消が難しくなります。登録の手順に必ず入れ、契約書にも暴力団排除条項を入れます。
測っておきたい指標
- 重複登録の件数
- 登録にかかる日数
- 見直しで見つかった不備の件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
請求書に登録番号・税率ごとの対価の額と消費税額などの記載が必要
個人データの漏えい・滅失を防ぐための措置をとる
都道府県の暴力団排除条例
事業者に、契約時の相手方の確認や暴力団排除条項の導入を求めている
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「顧客マスタの登録・変更」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち7つは、自動化の候補です
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順2:法人番号公表サイトで商号と所在地を確認し、法人番号を記録する
- 手順3:インボイスの登録番号を公表サイトで確認する
- 手順7:承認後、顧客マスタに登録し、得意先コードを営業担当に知らせる
- 手順10:取引を停止する顧客は、マスタの状態を「停止」にし、新しい受注が入らないようにする
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順5:顧客マスタに同じ会社が登録されていないか、法人番号・電話番号で検索する
- 手順9:年1回、取引のない顧客・登録番号の失効・与信の期限を確認する
よくある質問
- 反社チェックはどこまで行えばよいですか?
- Web検索・新聞記事のデータベース・外部の調査サービスなど、社内で方法を決めて記録を残します。取引の規模に応じて方法を変える会社もあります。
- 個人事業主を登録するときの注意は?
- 個人の氏名・住所は個人情報です。利用目的を伝え、必要な範囲で取得します。
- 取引がない顧客は削除してよいですか?
- 過去の取引の記録とつながっているため、削除せず「取引停止」の状態にするのがおすすめです。