勤怠集計と派遣料金の請求の業務手順書テンプレート(人材紹介・派遣)
派遣スタッフのタイムシートを集め、派遣先の承認を確かめ、給与計算と派遣料金の請求を行う月次の流れです。手順書にすると、承認漏れ、36協定を超える時間外の見落とし、請求額と給与の食い違いを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 毎月の締めを同じ手順で行い、給与と請求の両方を正しい勤怠から作れるようにします。
- 範囲
- 締め日のタイムシート回収から、給与の確定・請求書の送付・入金の確認までです。
- 始まるきっかけ
- 毎月の締め日(例: 月末締め)が来たとき
- 頻度・量の目安
- 月1回・派遣スタッフ数に応じて50〜500枚
- 使う書類・システム
- タイムシート(紙・Excel・勤怠システム)、労働者派遣契約(料金・割増率)、派遣元の36協定、派遣元管理台帳
担当と役割
勤怠担当(営業事務)
タイムシートの回収、入力、差異の確認
派遣営業
派遣先の承認の督促、差異の確認
給与・経理担当
給与計算、請求書の発行、入金の消込
手順(12ステップ)
1. タイムシートを回収する
紙・FAX・勤怠システムで届いたタイムシートを、派遣先とスタッフの一覧に照らして回収済みにします。
- 確かめること
- 締め日の翌営業日までに未回収の一覧を作る。
- できあがるもの
- 回収状況の一覧
2. 紙・FAX のタイムシートを入力する
日ごとの始業・終業・休憩・時間外を勤怠システムに入れます。
- 確かめること
- 手書きの数字(1と7、0と6)の読み違いがないか、合計時間と照合する。
- できあがるもの
- 入力済みの勤怠データ
- 承認確認勤怠担当・目安 30分
3. 派遣先の指揮命令者の承認を確かめる
承認欄の署名・押印、または勤怠システムの承認記録を見ます。
- 確かめること
- 承認のないタイムシートは給与・請求に使わない。
- できあがるもの
- 承認確認済みの勤怠
4. 未回収・未承認を派遣先とスタッフに督促する
期限(例: 締め日から3営業日)を伝えて提出・承認を依頼します。
- 確かめること
- 督促した日と相手を記録する。
- できあがるもの
- 督促記録
5. 勤怠の異常を確かめる
休憩不足(6時間超で45分、8時間超で60分)、連続勤務、深夜時間、休日出勤を一覧で出します。
- 確かめること
- 契約にない休日出勤や、契約の就業時間外の業務がないかを見る。
- できあがるもの
- 異常一覧
- チェック勤怠担当・目安 20分
6. 時間外労働が36協定の範囲内か確かめる
月の時間外・休日労働の合計を、派遣元の36協定と労働者派遣契約の上限に照らします。
- 確かめること
- 上限に近いスタッフは派遣営業に知らせ、翌月の予定を派遣先と調整する。
- できあがるもの
- 時間外の確認結果
- 差異確認派遣営業・目安 30分
7. 異常や差異を派遣先・スタッフに確かめる
打刻漏れや承認後の修正の理由を聞き、修正後のタイムシートを受け取ります。
- 確かめること
- 修正は派遣先とスタッフの双方が認めたものだけにする。
- できあがるもの
- 確定した勤怠
8. 派遣元管理台帳に就業実績を反映する
就業した日、始業・終業時刻、休憩時間を台帳に記録します。
- 確かめること
- 台帳とタイムシートの日数が一致しているか確かめる。
- できあがるもの
- 更新済みの派遣元管理台帳
- 給与給与・経理担当・目安 1〜2日
9. 給与を計算する
時給、時間外・深夜・休日の割増、交通費、控除を計算します。
- 確かめること
- 時間外は25%以上、深夜は25%以上、法定休日は35%以上の割増になっているか確かめる。月60時間を超える時間外は50%以上。
- できあがるもの
- 給与明細の案
10. 派遣料金を計算して請求書を作る
契約の単価と割増率で、派遣先ごと・スタッフごとの請求額を計算します。
- 確かめること
- 請求の時間数と給与の時間数が一致しているか突き合わせる。
- できあがるもの
- 請求書
11. 派遣先に請求書を送る
派遣先指定の方法(郵送・PDF・請求書システム)で送り、明細として勤怠の集計表を添えます。
- 確かめること
- インボイスの記載事項がそろっている。
- できあがるもの
- 送付記録
12. 入金を確かめて消し込む
派遣先ごとに入金額と請求額を照合します。
- 確かめること
- 支払期日を過ぎた未入金は派遣営業に連絡する。
- できあがるもの
- 消込結果
締めのチェックリスト
- 全スタッフのタイムシートを回収した
- 全タイムシートに派遣先の承認がある
- 休憩時間の不足がない
- 時間外・休日労働が36協定と契約の範囲内である
- 修正は派遣先とスタッフの双方が認めた
- 派遣元管理台帳に就業実績を記録した
- 割増率が法定以上になっている
- 請求の時間数と給与の時間数が一致している
- 請求書にインボイスの記載事項がある
- 入金を消し込み、未入金を共有した
よくあるミスと防ぎ方
承認のないタイムシートで計算する
派遣先が認めていない時間で請求すると、後で減額を求められます。承認の確認を計算の前提にします。
給与と請求の時間数が合わない
給与は修正後、請求は修正前のデータを使うといった食い違いが起きます。確定した勤怠データを1つにして、両方の計算に使います。
36協定の上限超過に月末まで気づかない
時間外の集計を締め後にしかしないと、超過を防げません。月の途中でも勤怠システムで累計を確かめ、上限に近いスタッフを派遣先に知らせます。
測っておきたい指標
- タイムシートの回収完了日(締め日から何営業日か)
- 給与・請求の修正件数
- 未入金の件数と金額
関係する法令・規格
労働基準法
労働時間・休憩・割増賃金、36協定の範囲内での時間外・休日労働に関わります。36協定は派遣元が結びます。
労働者派遣法
派遣元管理台帳への就業実績の記録、派遣先管理台帳の記載事項の通知に関わります。
インボイス制度(消費税法)
派遣料金の請求書の記載事項に関わります。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(人材サービス・10業務)
- 「勤怠集計と派遣料金の請求」を含む10業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
12手順のうち8つは、自動化の候補です
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順4:未回収・未承認を派遣先とスタッフに督促する
- 手順8:派遣元管理台帳に就業実績を反映する
- 手順10:派遣料金を計算して請求書を作る
- 手順11:派遣先に請求書を送る
- 手順12:入金を確かめて消し込む
よくある質問
- 派遣スタッフの36協定は誰が結びますか。
- 雇用主である派遣元が、派遣元の事業場の過半数労働組合または過半数代表者と結びます。派遣先の36協定は使えません。
- 紙のタイムシートの入力を減らせますか。
- AI-OCR で日付・時刻の欄を読み取り、合計時間で検算する方法があります。勤怠システムへの移行が難しい派遣先がある場合に向いています。
- 派遣先から実績の通知は来ますか。
- 派遣先は派遣先管理台帳の記載事項(就業日・時間など)を月1回以上、派遣元に通知することになっています。タイムシートと照合に使えます。