派遣元管理台帳の作成と保存の業務手順書テンプレート(人材紹介・派遣)
派遣スタッフごとに派遣元管理台帳を作り、契約内容・就業実績・教育訓練・苦情などを記録して3年間保存する流れです。手順書にすると、記載漏れや、労働局の調査の際に台帳が出せない事態を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 派遣元管理台帳の記載事項を漏れなく、毎月の締めと連動して更新できるようにします。
- 範囲
- 派遣開始時の台帳作成から、毎月の更新、派遣終了後の保存期間の管理までです。
- 始まるきっかけ
- 派遣を開始するとき、毎月の勤怠締め、教育訓練・苦情など記載事項が発生したとき
- 頻度・量の目安
- 派遣開始ごと・毎月の締め・派遣スタッフ数に応じて10〜500件
- 使う書類・システム
- 労働者派遣契約書、就業条件明示書、タイムシート・派遣先からの就業実績の通知、教育訓練の受講記録
担当と役割
営業事務
台帳の作成と毎月の更新
コーディネーター
教育訓練・キャリアコンサルティング・雇用安定措置の記録
派遣元責任者
台帳の点検と保存の管理
手順(11ステップ)
1. 派遣開始時にスタッフごとの台帳を作る
氏名、協定対象かどうか、無期雇用か有期か(有期なら契約期間)、60歳以上かを入れます。
- 確かめること
- 派遣スタッフ1人ごとに作る。
- できあがるもの
- 派遣元管理台帳
2. 派遣先と契約内容を台帳に入れる
派遣先の名称、事業所名と所在地、就業場所、組織単位、業務内容、責任の程度、派遣期間、就業日、始業・終業時刻、休憩時間、派遣元責任者・派遣先責任者を入れます。
- 確かめること
- 契約書・就業条件明示書の内容と一致しているか照合する。
- できあがるもの
- 契約内容が入った台帳
- 作成営業事務・目安 5分
3. 社会保険・雇用保険の加入状況を入れる
健康保険・厚生年金・雇用保険の資格取得届の提出の有無と、未加入の場合はその理由を入れます。
- 確かめること
- 派遣先への通知と同じ内容になっているか確かめる。
- できあがるもの
- 保険の加入状況欄
- 作成派遣元責任者・目安 5分
4. 期間制限の対象外であれば、その理由を入れる
有期プロジェクト業務、日数限定業務、産休・育休などの代替業務の場合は、その内容を入れます。
- 確かめること
- 対象外の理由が契約書と一致している。
- できあがるもの
- 対象外の理由欄
5. 就業実績を記録する
就業した日ごとの始業・終業時刻と休憩時間を入れます。
- 確かめること
- 派遣先からの就業実績の通知とタイムシートの日数が一致している。
- できあがるもの
- 就業実績欄
6. 教育訓練の実施内容を記録する
段階的・体系的な教育訓練の日時と内容、キャリアコンサルティングの日時と内容を入れます。
- 確かめること
- 受講記録(出欠・修了)と一致している。
- できあがるもの
- 教育訓練欄
- 随時コーディネーター・目安 10分
7. 苦情の処理状況を記録する
苦情を受けた日、内容、処理の状況を入れます。
- 確かめること
- 派遣先から通知を受けた苦情も含める。
- できあがるもの
- 苦情処理欄
- 随時コーディネーター・目安 10分
8. 雇用安定措置の内容を記録する
派遣先への直接雇用の依頼、新しい派遣先の提供などの措置の内容を入れます。
- 確かめること
- スタッフの希望と、行った措置の両方を書く。
- できあがるもの
- 雇用安定措置欄
9. 毎月、記載漏れを点検する
全スタッフの台帳を一覧にし、空欄の項目を抽出します。
- 確かめること
- 空欄は翌月5日までに埋める。
- できあがるもの
- 点検結果
- 終了営業事務・目安 5分
10. 派遣終了時に台帳を締める
派遣終了日を入れ、最終の就業実績を反映します。
- 確かめること
- 終了日から3年後を保存期限として入れる。
- できあがるもの
- 締めた台帳
- 保存派遣元責任者・目安 年1回・1時間
11. 保存期間が過ぎた台帳を廃棄する
保存期限を過ぎた台帳を一覧にし、廃棄の記録を残して削除・裁断します。
- 確かめること
- 労働局の調査や係争の対象になっているものは廃棄しない。
- できあがるもの
- 廃棄の記録
締めのチェックリスト
- 全派遣スタッフに台帳がある
- 協定対象かどうか・無期か有期か・60歳以上かを入れた
- 契約内容が契約書・明示書と一致している
- 保険の加入状況と未加入の理由を入れた
- 就業実績を毎月入れた
- 教育訓練・キャリアコンサルティングを記録した
- 苦情の処理状況を記録した
- 雇用安定措置を記録した
- 派遣終了日と保存期限を入れた
よくあるミスと防ぎ方
契約更新のたびに台帳を作り直して履歴が消える
更新前の契約内容も保存の対象です。台帳は追記で更新し、変更の日付を残します。
教育訓練の記録がない
教育訓練の実施は派遣元の義務で、台帳の記載事項でもあります。受講記録と台帳を連動させます。
終了後すぐに台帳を削除する
派遣元管理台帳は派遣終了の日から3年間保存します。保存期限を台帳に入れて管理します。
測っておきたい指標
- 台帳の記載漏れ件数(月次点検)
- 就業実績の反映完了日
- 教育訓練の記録率
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
労働者派遣法
派遣元管理台帳の作成・記載・保存(3年間)に関わります。
労働者派遣法施行規則
台帳の記載事項(協定対象かどうか、就業日・時間、教育訓練、苦情、雇用安定措置など)を定めています。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(人材サービス・10業務)
- 「派遣元管理台帳の作成と保存」を含む10業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち5つは、自動化の候補です
よくある質問
- 派遣元管理台帳はExcelでもよいですか。
- 様式は決まっていないため、記載事項がそろっていれば Excel やシステムで作れます。調査で求められたときに印刷・提出できるようにしておきます。
- 派遣先管理台帳との違いは何ですか。
- 派遣先管理台帳は派遣先が作ります。記載事項は似ていますが、派遣元の台帳には雇用保険・社会保険の状況や雇用安定措置など派遣元の情報が入ります。
- 保存期間はいつから数えますか。
- 労働者派遣の終了の日から3年間です。