抵触日(派遣期間制限)の管理の業務手順書テンプレート(人材紹介・派遣)
事業所単位と個人単位の抵触日を台帳で管理し、期限が近づいたら派遣先・派遣スタッフと対応を決める流れです。手順書にすると、期間制限違反や、抵触日直前の慌てた対応を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 抵触日の把握と期限前の対応を、毎月決まった日に同じ手順で行えるようにします。
- 範囲
- 派遣先から抵触日の通知を受けてから、期間制限の延長・配置換え・派遣終了のいずれかが決まるまでです。
- 始まるきっかけ
- 毎月の定例点検日、または派遣先から抵触日の通知・変更の連絡を受けたとき
- 頻度・量の目安
- 月1回の点検・派遣先数に応じて10〜200件
- 使う書類・システム
- 抵触日の通知書(派遣先から)、契約管理台帳、派遣元管理台帳、派遣スタッフの就業履歴
担当と役割
派遣営業
派遣先との対応方針の相談、意見聴取の実施状況の確認
コーディネーター
派遣スタッフへの説明、雇用安定措置の実施
派遣元責任者
台帳の点検、判断の確認
手順(10ステップ)
1. 派遣先の事業所単位の抵触日を台帳に入れる
派遣先・事業所名・抵触日・通知を受けた日を契約管理台帳に入れます。
- 確かめること
- 同じ事業所の別の組織単位の契約にも、同じ抵触日が入っているか確かめる。
- できあがるもの
- 事業所単位の抵触日
2. スタッフごとの個人単位の抵触日を台帳に入れる
同じ組織単位(課など)で働き始めた日から3年後の日を個人単位の抵触日として入れます。
- 確かめること
- 組織単位を変えて同じ派遣先で続ける場合は、新しい組織単位の開始日から数え直す。
- できあがるもの
- 個人単位の抵触日
3. 毎月、抵触日まで6か月以内の契約を抽出する
契約管理台帳から、事業所単位・個人単位のどちらかが6か月以内に来る契約を一覧にします。
- 確かめること
- どちらか早い方の抵触日で判断する。
- できあがるもの
- 抵触日接近の一覧
- 対象外確認派遣元責任者・目安 10分
4. 期間制限の対象外のスタッフを確かめる
派遣元で無期雇用のスタッフ、60歳以上のスタッフ、有期プロジェクト業務、日数限定業務、産休・育休などの代替業務は期間制限の対象外です。
- 確かめること
- 対象外の理由を台帳に書く。
- できあがるもの
- 対象外の判定
- 事業所単位派遣営業・目安 15分
5. 派遣先に延長の意向を確かめる
抵触日の6か月前を目安に、事業所単位の期間を延長するかを派遣先に聞きます。
- 確かめること
- 延長するなら、抵触日の1か月前までに派遣先が過半数労働組合などの意見を聞くことを伝える。
- できあがるもの
- 派遣先の意向
6. 延長後の新しい抵触日の通知を受け取る
意見聴取の後、派遣先から新しい抵触日の通知を受け取ります。
- 確かめること
- 通知が届かない場合、抵触日以降の契約を結ばない。
- できあがるもの
- 新しい抵触日の通知書
- 個人単位コーディネーター・目安 20分
7. スタッフに今後の希望を聞く
個人単位の抵触日の6か月前を目安に、同じ派遣先で別の組織単位に移る・別の派遣先に移る・派遣先に直接雇用されるなどの希望を聞きます。
- 確かめること
- 希望と説明した日を記録する。
- できあがるもの
- スタッフの希望の記録
- 雇用安定措置コーディネーター・目安 30分
8. 雇用安定措置を行う
同じ組織単位で3年見込みのスタッフには、派遣先への直接雇用の依頼、新しい派遣先の提供、派遣元での無期雇用などを行います。
- 確かめること
- 1年以上3年未満見込みのスタッフにも努力義務がある。行った措置を記録する。
- できあがるもの
- 雇用安定措置の記録
- 調整派遣営業・目安 30分
9. 派遣先と配置換えや契約終了を調整する
スタッフの希望を受け、組織単位の変更・派遣の終了・直接雇用の打診を派遣先と相談します。
- 確かめること
- 組織単位を変える場合は、業務内容が実際に変わるかを確かめる。
- できあがるもの
- 調整結果
10. 契約と台帳に結果を反映する
延長・配置換え・終了の結果を契約管理台帳と派遣元管理台帳に入れます。
- 確かめること
- 就業条件明示書の抵触日を更新した場合は、スタッフに交付し直す。
- できあがるもの
- 更新済みの台帳
締めのチェックリスト
- 事業所単位の抵触日を全契約に入れた
- 個人単位の抵触日を全スタッフに入れた
- 6か月以内に抵触日が来る契約を毎月抽出した
- 期間制限の対象外のスタッフに理由を書いた
- 延長する派遣先に意見聴取の期限を伝えた
- 延長後の新しい抵触日の通知を受け取った
- スタッフの希望を聞き、記録した
- 雇用安定措置を行い、記録した
- 就業条件明示書の抵触日を更新した
よくあるミスと防ぎ方
事業所単位だけを管理している
個人単位の抵触日は組織単位ごとに数えます。両方の欄を台帳に作り、早い方で判断します。
組織単位の変更が名ばかり
課の名前だけ変えて同じ業務を続けると、期間制限を逃れるためと見なされるおそれがあります。業務内容と指揮命令者が変わるかを確かめます。
意見聴取の実施を確かめない
派遣先が意見聴取をせずに受け入れを続けると、期間制限違反になります。新しい抵触日の通知を受け取るまで延長の契約を結びません。
測っておきたい指標
- 抵触日6か月前時点での方針決定率
- 雇用安定措置の実施率
- 期間制限違反件数(0件が基準)
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
労働者派遣法
事業所単位・個人単位の期間制限、派遣先による意見聴取、抵触日の通知、期間制限の対象外となる場合、雇用安定措置に関わります。
労働者派遣法(労働契約申込みみなし制度)
期間制限に違反して派遣を受け入れた場合、派遣先が派遣スタッフに労働契約を申し込んだものとみなされます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(人材サービス・10業務)
- 「抵触日(派遣期間制限)の管理」を含む10業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち5つは、自動化の候補です
よくある質問
- 組織単位とは何ですか。
- 課・グループなど、業務のまとまりがあり、組織の長が業務の配分や労務管理の権限を持つ単位です。派遣契約に組織単位を書いて管理します。
- 無期雇用のスタッフにも抵触日はありますか。
- 派遣元で無期雇用されているスタッフは、期間制限の対象外です。台帳に無期雇用である旨を書いておきます。
- 抵触日を過ぎて派遣を続けるとどうなりますか。
- 派遣先に労働契約申込みみなし制度が適用されるおそれがあるほか、行政指導などの対象になります。