補助金交付申請の審査の業務手順書テンプレート(自治体)
補助金の交付申請を受け付け、要件を審査して交付を決定し、事業の終了後に実績報告を審査して額を確定し、支払うまでの流れです。手順書にすると、要件の確認漏れや、実績報告の書類の不足、予算の超過を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 補助金の審査と額の確定を、要綱・交付規則どおりに同じ確認項目で行えるようにします。
- 範囲
- 交付申請の受付から、交付決定、実績報告の審査、額の確定、支払、書類の保存までです。
- 始まるきっかけ
- 補助金の募集期間に交付申請が届いたとき
- 頻度・量の目安
- 募集期間中・制度ごとに10〜500件
- 使う書類・システム
- 補助金交付申請書と添付書類(見積書・事業計画書など)、補助金交付要綱・補助金等交付規則、申請書類の審査チェックリスト、予算の執行状況
担当と役割
審査担当
受付、形式審査、内容の審査、起案
係長・課長
交付決定・額の確定の決裁
会計の担当
支出命令の審査、支払
手順(11ステップ)
1. 申請書を受け付け、受付順に記録する
受付日、受付番号、申請者、申請額を台帳に入れます。
- 確かめること
- 先着順の制度は、受付の日時を正確に記録する。
- できあがるもの
- 受付台帳
2. 申請書の内容を入力する
申請者情報、事業の内容、経費の内訳、申請額を入れます。
- 確かめること
- 見積書の金額と申請書の経費の内訳を照合する。
- できあがるもの
- 入力済みのデータ
- 形式審査審査担当・目安 10分
3. 記載と添付書類を確かめる
チェックリストで、記載漏れ、添付書類、押印・署名を確かめます。
- 確かめること
- 不備があれば、補正の期限を書面で伝える。
- できあがるもの
- 形式審査の記録
- 要件審査担当・目安 20分
4. 交付の要件を確かめる
対象者(住所・業種・規模)、対象経費、補助率と上限、事業の時期、税の滞納がないことなどを要綱で確かめます。
- 確かめること
- 交付決定の前に事業を始めていないか(事前着手の禁止の有無)を確かめる。
- できあがるもの
- 要件審査の記録
5. 予算の残りを確かめる
交付予定額の合計と、予算の残りを比べます。
- 確かめること
- 予算を超える場合の扱い(受付の締め切り・按分)を要綱どおりにする。
- できあがるもの
- 予算の確認
- 決定係長・課長・目安 15分
6. 交付の決定を決裁する
審査の結果と交付予定額、交付の条件を確かめて決裁します。
- 確かめること
- 不交付の場合は理由を具体的に書く。
- できあがるもの
- 交付決定の決裁
7. 交付決定通知書を送る
交付決定額、交付の条件、実績報告の期限を書いて送ります。
- 確かめること
- 事業の内容を変更する場合は事前に承認が必要なことを書く。
- できあがるもの
- 交付決定通知書
8. 実績報告を受け付けて審査する
事業の実施状況、領収書、写真、成果物で、交付決定どおりに事業が行われたかを確かめます。
- 確かめること
- 領収書の宛名・日付・金額が対象経費と一致し、事業の期間内である。
- できあがるもの
- 実績審査の記録
- 確定係長・課長・目安 15分
9. 補助金の額を確定する
実際にかかった対象経費に補助率を掛け、交付決定額と比べて少ない方で確定します。
- 確かめること
- 額の確定の計算を別の職員が検算する。
- できあがるもの
- 額の確定の決裁
10. 請求書を受けて支払う
額の確定通知を送り、申請者から請求書を受け取って支出命令を出します。
- 確かめること
- 振込先の口座名義が申請者と一致している。
- できあがるもの
- 支払の記録
11. 書類を保存し、事後の確認を行う
申請から支払までの書類を決めた期間保存します。財産を取得した場合は、処分の制限の期間を記録します。
- 確かめること
- 抽出で現地確認を行う場合は、対象と結果を記録する。
- できあがるもの
- 保存の記録
締めのチェックリスト
- 受付の日時を正確に記録した
- 見積書と申請書の経費の内訳を照合した
- 対象者・対象経費・補助率・上限を要綱で確かめた
- 事前着手に当たらないか確かめた
- 予算の残りを確かめた
- 不交付の理由を具体的に書いた
- 交付決定通知に実績報告の期限を書いた
- 領収書の宛名・日付・金額を確かめた
- 額の確定を別の職員が検算した
- 振込先の名義が申請者と一致している
よくあるミスと防ぎ方
交付決定前の事業の着手
要綱で事前着手を認めていない場合、交付決定前に契約・発注した経費は対象外になります。申請時と実績報告時の両方で日付を確かめます。
領収書の期間外・宛名違い
事業の期間外の支払や、申請者以外の宛名の領収書が混ざることがあります。実績審査のチェック項目にします。
額の確定の計算の誤り
補助率と上限の当てはめを誤ると、過払いや返還の手続きが必要になります。別の職員が検算します。
測っておきたい指標
- 申請から交付決定までの日数
- 実績報告から額の確定までの日数
- 補正・差し戻しの件数
関係する法令・規格
地方自治法
普通地方公共団体が公益上必要がある場合に補助をすることができる旨(第232条の2)に関わります。
補助金等交付規則・補助金交付要綱(各自治体)
申請、交付決定、変更の承認、実績報告、額の確定、交付の取消し・返還、財産の処分の制限を定めています。
行政手続条例(各自治体)
申請に対する審査・応答と、理由の提示に関わります。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(自治体・10業務)
- 「補助金交付申請の審査」を含む10業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち7つは、自動化の候補です
よくある質問
- 交付決定の前に事業を始めた申請者はどうなりますか。
- 要綱で事前着手を認めていない場合、交付決定前の経費は補助の対象になりません。申請の案内で事前に伝えておきます。
- 実績報告で金額が減った場合は。
- 実際の対象経費に補助率を掛けた額と、交付決定額のうち少ない方で額を確定します。
- 手書きの申請書や領収書の確認を早くできますか。
- AI-OCR で申請書や領収書の項目を読み取り、金額や日付を自動で照合する方法があります。要件の判断は職員が行います。