少額物品の購入(随意契約)の業務手順書テンプレート(自治体)
事務用品や備品などの少額の物品を、見積合わせで業者を決めて随意契約で購入し、納品を検査して請求書を受け取るまでの流れです。手順書にすると、分割発注や見積合わせの省略、検査の漏れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 少額の物品購入を、地方自治法と契約規則どおりに、同じ手順と記録で行えるようにします。
- 範囲
- 購入の要求から、見積合わせ、支出負担行為、発注、納品の検査、請求書の受付までです。支払は「請求書の受付と支払」で扱います。
- 始まるきっかけ
- 課内で物品の購入が必要になったとき
- 頻度・量の目安
- 随時・1課あたり月5〜30件
- 使う書類・システム
- 購入の要求書(品名・仕様・数量)、予算の執行状況、見積書(2者以上)、契約規則・財務規則
担当と役割
購入の要求者(担当職員)
購入の要求、仕様の決定、納品の検査
庶務・契約の担当
予算の確認、見積合わせ、発注
係長・課長
支出負担行為の決裁、検査員の指定
手順(10ステップ)
- 要求購入の要求者・目安 10分
1. 購入の要求書を作る
品名、仕様、数量、必要な時期、使いみちを書きます。
- 確かめること
- 特定のメーカーに限る場合は、その理由を書く。
- できあがるもの
- 購入の要求書
2. 予算の残りを確かめる
予算の科目と残額を確かめます。
- 確かめること
- 予算が足りない場合は、流用などの手続きを先に行う。
- できあがるもの
- 予算の確認
- 確認庶務・契約の担当・目安 5分
3. 随意契約できる金額か確かめる
予定価格が、規則で定める少額の随意契約の上限の範囲内かを確かめます。
- 確かめること
- 同じ物品を分けて発注し、上限を下回らせることをしない。
- できあがるもの
- 随意契約の可否
- 見積庶務・契約の担当・目安 1〜3日
4. 見積合わせを行う
規則で定める数(例: 2者以上)の業者から、同じ仕様で見積書をもらいます。
- 確かめること
- 見積の依頼の内容と期限を、全業者に同じ条件で伝える。
- できあがるもの
- 見積書
5. 見積を比べて業者を決める
見積額を一覧にし、最も低い価格の業者を選びます。
- 確かめること
- 仕様を満たしているかも確かめる。選定の理由を記録する。
- できあがるもの
- 見積の比較表
- 決裁係長・課長・目安 10分
6. 支出負担行為を決裁する
業者、金額、予算の科目、納期を確かめて決裁します。
- 確かめること
- 支出負担行為の決裁が、発注の前に終わっている。
- できあがるもの
- 支出負担行為の決裁
7. 業者に発注する
発注書(または請書)で、品名、数量、金額、納期、納品場所を伝えます。
- 確かめること
- 契約書を省略できる金額か、規則で確かめる。
- できあがるもの
- 発注書
8. 納品を検査する
納品書と発注書を照らし、品名・数量・仕様・破損の有無を確かめます。
- 確かめること
- 検査をした職員と日付を記録する。発注した職員と検査する職員を分けることが望ましい。
- できあがるもの
- 検査の記録
9. 備品は備品台帳に登録する
規則で定める備品に当たるものは、備品番号を振って台帳に登録し、ラベルを貼ります。
- 確かめること
- 消耗品と備品の区分を規則で確かめる。
- できあがるもの
- 備品台帳の1行
10. 請求書を受け取る
検査の後、業者から請求書を受け取り、受付日を記録します。
- 確かめること
- 請求書の金額が発注額と一致している。受付日から支払の期限を数える。
- できあがるもの
- 請求書の受付記録
締めのチェックリスト
- 予算の残額を確かめた
- 随意契約の上限の範囲内である
- 分割発注をしていない
- 規則で定める数の見積をとった
- 全業者に同じ条件で見積を依頼した
- 選定の理由を記録した
- 支出負担行為の決裁が発注の前である
- 納品書と発注書を照らして検査した
- 備品を台帳に登録した
- 請求書の受付日を記録した
よくあるミスと防ぎ方
分割発注で上限を下回らせる
まとめて買うべき物品を分けて発注すると、競争入札などの手続きを逃れたと見られます。年間の必要数をまとめて考えます。
発注の後に支出負担行為を決裁する
決裁の前の発注は、手続きの順番の誤りです。発注の前に決裁を終えます。
検査を省略する
数量の不足や仕様の違いに気づかないまま支払うことになります。納品のたびに検査の記録を残します。
測っておきたい指標
- 要求から納品までの日数
- 見積合わせの実施率(100%が基準)
- 検査の記録の不備件数
関係する法令・規格
地方自治法
契約の締結の方法(一般競争入札が原則で、随意契約は政令で定める場合に限る、第234条)、契約の履行の確保のための監督・検査(第234条の2)、支出負担行為(第232条の3)に関わります。
地方自治法施行令
随意契約によることができる場合(予定価格が別表で定める額の範囲内で、規則で定める額を超えないものなど、第167条の2)に関わります。
契約規則・財務規則(各自治体)
少額の随意契約の上限額、見積合わせの数、契約書の省略、検査の方法を定めています。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(自治体・10業務)
- 「少額物品の購入(随意契約)」を含む10業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち6つは、自動化の候補です
よくある質問
- 少額の随意契約の上限額はいくらですか。
- 地方自治法施行令の別表で定める額の範囲内で、各自治体の規則で定めています。自分の自治体の契約規則で確かめます。
- 見積は何者からとればよいですか。
- 多くの自治体の規則で2者以上とされていますが、金額などにより1者でよい場合もあります。規則で確かめます。
- 納品の検査は誰がしますか。
- 規則で検査員を定めます。発注した職員と検査する職員を分けると、誤りや不正を防ぎやすくなります。