請求書の受付と支払の業務手順書テンプレート(自治体)
業者から請求書を受け取り、検査と照合を経て支出命令を出し、会計管理者の審査を受けて期限内に支払うまでの流れです。手順書にすると、支払の遅れや、請求額と契約額の食い違いを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 請求書の受付から支払までを、支払遅延防止法の期限内に、同じ照合項目で行えるようにします。
- 範囲
- 請求書の受付から、照合、支出命令、会計管理者の審査、支払、記録までです。
- 始まるきっかけ
- 業者から請求書が届いたとき(納品・完了の検査の後)
- 頻度・量の目安
- 毎日・1課あたり月10〜100件
- 使う書類・システム
- 請求書、契約書・発注書、検査の記録(納品書・完了届)、支出負担行為の決裁の記録
担当と役割
担当職員
請求書の受付、照合、支出命令の起案
係長・課長
支出命令の決裁
会計課(会計管理者)
支出命令の審査、支払
手順(11ステップ)
1. 請求書の受付日を記録する
受付日を請求書に記入し、請求書受領台帳に入れます。
- 確かめること
- 受付日から支払の期限(工事は40日、それ以外は30日以内など)を計算して入れる。
- できあがるもの
- 請求書受領台帳の1行
2. 請求書の内容をシステムに入れる
業者名、請求日、金額、振込先、登録番号を財務会計システムに入れます。
- 確かめること
- 金額と振込先を請求書と照合する。
- できあがるもの
- 入力済みのデータ
3. 契約・検査・請求の三点を照合する
契約書(発注書)の金額、検査の記録の数量、請求書の金額を照らします。
- 確かめること
- 検査が終わっていない請求は、支払の手続きに進めない。
- できあがるもの
- 三点照合の記録
- 確認担当職員・目安 3分
4. 支出負担行為との対応を確かめる
支出負担行為の決裁の金額・予算の科目と、請求が合っているか確かめます。
- 確かめること
- 差額がある場合は、理由を確かめて記録する。
- できあがるもの
- 確認の記録
- 差戻し担当職員・目安 10分
5. 不備のある請求書を差し戻す
金額の誤り・記載漏れがあれば、理由を書いて業者に差し戻します。
- 確かめること
- 差し戻した日と理由を記録する。適法な請求書を受け取った日から期限を数え直す。
- できあがるもの
- 差戻しの記録
6. 支出命令を起案する
支払先、金額、予算の科目、支払予定日を書いて起案します。
- 確かめること
- 支払予定日が期限より前である。
- できあがるもの
- 支出命令の起案
- 決裁係長・課長・目安 5分
7. 支出命令を決裁する
照合の記録と起案の内容を確かめて決裁します。
- 確かめること
- 決裁の権限を確かめる。
- できあがるもの
- 決裁済みの支出命令
- 審査会計課(会計管理者)・目安 10分
8. 支出命令を審査する
支出負担行為が法令・予算に反していないか、債務が確定しているかを確かめます。
- 確かめること
- 不備があれば担当課に返す。
- できあがるもの
- 審査の記録
9. 支払う
指定金融機関を通じて口座に振り込みます。
- 確かめること
- 振込先の名義が請求書の業者と一致している。
- できあがるもの
- 支払の記録
10. 台帳に支払日を入れる
支払日を請求書受領台帳に入れ、期限内に支払ったかを確かめます。
- 確かめること
- 期限を過ぎた支払は、遅延利息の要否を確かめる。
- できあがるもの
- 支払済みの台帳
11. 期限が近い未払いを毎週確かめる
台帳から、支払期限まで7日以内の未払いを一覧にします。
- 確かめること
- 滞っている理由(検査待ち・決裁待ち)を確かめる。
- できあがるもの
- 未払いの一覧
締めのチェックリスト
- 請求書の受付日を記録した
- 支払の期限を台帳に入れた
- 金額と振込先を請求書と照合した
- 契約・検査・請求の三点を照合した
- 検査が終わってから支払の手続きに進んだ
- 支出負担行為と請求が対応している
- 差し戻した日と理由を記録した
- 支払予定日が期限より前である
- 振込先の名義が業者と一致している
- 期限が近い未払いを毎週確かめた
よくあるミスと防ぎ方
請求書が担当者の机に滞留する
受付日を記録しないと、支払の期限を誰も把握できません。受け取ったその日に台帳に入れます。
検査の前に請求書の処理を進める
検査で数量の不足がわかっても、支払が済んでいると取り戻す手続きが必要になります。検査の記録を照合の条件にします。
差戻しの記録がない
業者から「請求書を出したのに払われない」と言われたときに説明できません。差し戻した日と理由を記録します。
測っておきたい指標
- 支払期限内の支払率(100%が基準)
- 受付から支払までの平均日数
- 差戻しの件数
関係する法令・規格
政府契約の支払遅延防止等に関する法律
給付の完了の検査の期限(通知を受けた日から10日以内、工事は14日以内)と、支払の期限(適法な請求を受けた日から30日以内、工事は40日以内)、遅延利息に関わります。地方公共団体の契約にも準用されます。
地方自治法
支出負担行為(第232条の3)、支出の方法(長の命令と会計管理者による支出、第232条の4)に関わります。
財務規則(各自治体)
請求書の受付、支出命令、審査、支払の手続きを定めています。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(自治体・10業務)
- 「請求書の受付と支払」を含む10業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち7つは、自動化の候補です
よくある質問
- 支払の期限はいつまでですか。
- 政府契約の支払遅延防止等に関する法律で、適法な請求を受けた日から、工事は40日以内、それ以外は30日以内とされ、地方公共団体の契約にも準用されます。契約で短い期限を決めている場合はそれに従います。
- 請求書を差し戻した場合の期限は。
- 適法な支払請求を受けた日から数えるため、不備で差し戻した場合は、直った請求書を受け取った日から数え直します。差し戻した日と理由を記録しておきます。
- 請求書の入力を減らせますか。
- AI-OCR で請求書の業者名・金額・振込先を読み取り、財務会計システムへの入力を補う方法があります。三点照合と決裁は職員が行います。