住民からの要望・苦情の受付の業務手順書テンプレート(自治体)
電話・窓口・メール・Webフォームで寄せられた住民の要望や苦情を記録し、担当課に振り分けて期限内に回答するまでの流れです。手順書にすると、担当課の押し付け合いや回答の放置、同じ要望への回答のばらつきを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 住民の声を一か所で記録し、担当と期限を決めて、必ず回答まで追えるようにします。
- 範囲
- 要望・苦情の受付から、担当課での対応と回答、記録の集計までです。
- 始まるきっかけ
- 住民から要望・苦情・意見が寄せられたとき
- 頻度・量の目安
- 毎日・全庁で1日5〜50件
- 使う書類・システム
- 住民からの連絡(電話メモ・メール・Web フォーム)、要望・苦情の受付記録、担当課の一覧(業務の分担)、過去の回答例
担当と役割
受付担当(広聴の担当・各課の窓口)
受付、記録、担当課への振り分け
担当課の職員
事実の確認、対応、回答の起案
担当課の課長
対応方針の決定、回答の決裁
手順(11ステップ)
1. 要望・苦情の内容を記録する
受付日時、受付方法、氏名・連絡先(匿名の場合はその旨)、場所、内容、回答の希望の有無を記録します。
- 確かめること
- 相手の言葉をそのまま書き、受付担当の推測を混ぜない。
- できあがるもの
- 受付記録の1行
- 受付受付担当・目安 5分
2. 緊急性を判断する
道路の陥没・倒木・漏水など危険があるものは、すぐ担当課に電話で伝えます。
- 確かめること
- 夜間・休日の緊急連絡の手順に沿う。
- できあがるもの
- 緊急連絡の記録
3. 担当課を決めて送る
業務の分担の一覧で担当課を決め、受付記録を送ります。
- 確かめること
- 複数の課にまたがるものは、主担当の課を決めて記録する。
- できあがるもの
- 振り分けの記録
4. 回答期限を決める
回答の希望がある場合、受付から決めた日数(例: 14日)で期限を入れます。
- 確かめること
- 期限までに回答できない場合は、途中経過を伝える運用にする。
- できあがるもの
- 回答期限
- 確認担当課の職員・目安 案件による
5. 事実を確かめる
現地の確認、関係者への聞き取り、過去の経緯を確かめます。
- 確かめること
- 現地の写真と日時を記録する。
- できあがるもの
- 事実確認の記録
- 方針担当課の課長・目安 15分
6. 対応の方針を決める
対応する・検討する・対応できないのいずれかと、その理由を決めます。
- 確かめること
- 同じ内容の過去の回答と食い違わないか確かめる。
- できあがるもの
- 方針の記録
- 回答担当課の職員・目安 30分
7. 回答を起案する
結論、理由、今後の予定を平易な言葉で書きます。
- 確かめること
- 対応できない場合も、理由と代わりの方法を書く。
- できあがるもの
- 回答の起案
- 決裁担当課の課長・目安 10分
8. 回答を決裁する
回答の内容と表現を確かめて決裁します。
- 確かめること
- 個人の情報や他の住民の情報が含まれていない。
- できあがるもの
- 決裁済みの回答
- 回答担当課の職員・目安 10分
9. 回答して記録する
電話・文書・メールで回答し、回答日と方法を受付記録に入れます。
- 確かめること
- 期限内に回答したか記録する。
- できあがるもの
- 回答の記録
10. 期限を過ぎた案件を確かめる
毎週、受付記録から回答期限を過ぎた案件を一覧にし、担当課に連絡します。
- 確かめること
- 同じ課で遅れが続く場合は、管理職に報告する。
- できあがるもの
- 期限超過の一覧
11. 月ごとに集計して共有する
分野別・地域別の件数、対応の結果をまとめて庁内に共有します。
- 確かめること
- 公開する場合は、個人が特定できない形にする。
- できあがるもの
- 月次の集計
締めのチェックリスト
- 受付日時・方法・内容を記録した
- 危険があるものをすぐ担当課に伝えた
- 主担当の課を決めた
- 回答期限を入れた
- 現地の確認を記録した
- 過去の回答と食い違いがない
- 対応できない理由と代わりの方法を書いた
- 回答に個人の情報が含まれていない
- 回答日と方法を記録した
- 期限を過ぎた案件を毎週確かめた
よくあるミスと防ぎ方
担当課が決まらず放置される
複数の課にまたがる要望は、どの課も手をつけないことがあります。受付担当が主担当の課を決め、記録に残します。
回答期限の管理がない
回答の約束をしたまま忘れられ、二度目の苦情になります。期限を記録し、毎週の点検で追います。
同じ要望に課ごとに違う回答をする
住民の信頼を失います。過去の回答を受付記録で検索できるようにし、方針を決める前に確かめます。
測っておきたい指標
- 回答期限内の回答率
- 受付から回答までの平均日数
- 分野別の受付件数
関係する法令・規格
個人情報保護法
要望・苦情を寄せた住民の個人情報の取扱いに関わります。地方公共団体にも2023年4月から同法の規律が適用されています。
情報公開条例(各自治体)
受付記録や回答の文書は公文書として開示請求の対象になり得ます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(自治体・10業務)
- 「住民からの要望・苦情の受付」を含む10業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち5つは、自動化の候補です
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順1:要望・苦情の内容を記録する
- 手順3:担当課を決めて送る
- 手順4:回答期限を決める
- 手順10:期限を過ぎた案件を確かめる
よくある質問
- 匿名の苦情にも回答しますか。
- 連絡先がなければ回答はできませんが、内容は記録して対応を検討します。対応の結果を公開する方法もあります。
- 回答期限はどのくらいが目安ですか。
- 自治体によって違いますが、2週間程度を目安とし、調査に時間がかかる場合は途中経過を伝える運用が多いです。
- 受付記録は公開されますか。
- 公文書として情報公開請求の対象になり得ます。個人を特定できる情報は、開示の際に不開示とする扱いになります。