店舗の棚卸の業務手順書テンプレート(小売・飲食)
店舗の棚卸は、月末や決算のときに、売場・バックヤード・厨房にある商品や食材を数え、在庫の金額を確定して、売上原価とロス(なくなった商品)を把握する業務です。手順書にしておくと、数え漏れや二重カウント、ロスの原因が分からないまま放置されることを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 店舗の在庫の金額を正しく確定し、ロスの原因を見つけて減らします。
- 範囲
- 棚卸日の準備から、カウント・集計・差異の確認・本部への報告まで。
- 始まるきっかけ
- 月末・決算期末の棚卸日。棚卸業者を使う場合も同じ準備をします。
- 頻度・量の目安
- 月1回または年1〜2回。閉店後や開店前の2〜4時間
- 使う書類・システム
- 棚卸表(売場の棚番・品目)、ハンディ端末(ある場合)、厨房の食材の棚卸表(単位・重さ)、返品待ち・廃棄待ちの商品の一覧、前回の棚卸の結果
担当と役割
店長
棚卸の計画、担当の割り振り、結果の確認
カウント担当
担当の棚の商品を数えて記入(または登録)
確認担当
抜き取りの数え直し
本部(経理)
在庫金額の確定とロスの集計
手順(13ステップ)
- 計画店長・目安 30分
1. 棚卸日と担当を決める
売場を棚番の範囲で分け、担当と確認担当を決めます。
- 確かめること
- バックヤード・冷蔵庫・倉庫も範囲に入れたか
- できあがるもの
- 棚卸計画
- 準備カウント担当・目安 1〜2時間
2. 前日までに売場とバックヤードを整理する
同じ商品をまとめ、バックヤードの段ボールを開けて中身を表示します。
- 確かめること
- 返品待ち・廃棄待ちの商品を分けたか
- できあがるもの
- 整理の完了
- 準備店長・目安 15分
3. 棚卸の時刻までの入荷と販売を区切る
棚卸の開始時刻の前に、入荷の計上と廃棄の登録を終えます。
- 確かめること
- 開始時刻の後の入荷を別に置いたか
- できあがるもの
- 区切りの確認
- カウントカウント担当・目安 エリアにより
4. 売場の商品を棚の順に数える
左上から右下へ、決めた順番で数え、棚卸表に品目と数を書きます(またはハンディで登録します)。
- 確かめること
- 数え終わった棚に印をつけたか
- できあがるもの
- 売場のカウント
- カウントカウント担当・目安 エリアにより
5. バックヤード・倉庫の在庫を数える
ケースは入数×ケース数+バラで数えます。
- 確かめること
- 開封済みのケースの中身を数えたか
- できあがるもの
- バックヤードのカウント
- 厨房厨房担当・目安 30〜60分
6. 厨房の食材を数える
冷蔵庫・冷凍庫・乾物の棚の食材を、仕入の単位(kg・本・袋)で数えます。使いかけは重さで量ります。
- 確かめること
- 単位が仕入の単位と同じか
- できあがるもの
- 食材のカウント
- 確認確認担当・目安 30分
7. 抜き取りで数え直す
棚卸表の2〜3割を選んで数え直し、違いがあれば全数を数え直します。
- 確かめること
- 数え直しの結果が一致したか
- できあがるもの
- 確認の記録
- 回収店長・目安 15分
8. 棚卸表を全て回収し、抜けを確かめる
全ての棚番の棚卸表がそろっているか確かめます。
- 確かめること
- 数え漏れの棚がないか
- できあがるもの
- 回収済みの棚卸表
9. 数量と金額を集計する
品目ごとの数に原価(売価還元法の場合は売価)を掛けて合計します。
- 確かめること
- 転記の誤りがないか
- できあがるもの
- 棚卸の集計表
10. 帳簿在庫と比べて差異(ロス)を出す
部門ごとに帳簿の在庫金額と実際の在庫金額を比べます。
- 確かめること
- ロス率が前回より大きく増えた部門はないか
- できあがるもの
- ロスの一覧
- 調査店長・目安 1時間
11. 大きなロスの原因を調べる
廃棄の登録漏れ・値下げの登録漏れ・検収の誤り・盗難・厨房の使いすぎを調べます。
- 確かめること
- 登録の漏れで説明できる分と、説明できない分を分けたか
- できあがるもの
- 原因の一覧
12. 本部に棚卸の結果を報告する
在庫金額・ロス率・原因と対策を報告します。
- 確かめること
- 期限までに報告したか
- できあがるもの
- 棚卸の報告
- 対策店長・目安 30分
13. ロスを減らす対策を決める
廃棄の登録の徹底、検収の手順の見直し、防犯の強化、厨房の計量の徹底などを決めます。
- 確かめること
- 対策の担当と期限が決まっているか
- できあがるもの
- 対策の記録
締めのチェックリスト
- バックヤード・冷蔵庫・倉庫も範囲に入れた
- 返品待ち・廃棄待ちを分けた
- 開始時刻の後の入荷を別に置いた
- 決めた順番で数え、数え終わった棚に印をつけた
- 開封済みのケースの中身を数えた
- 厨房の食材を仕入の単位で数えた
- 抜き取りで数え直した
- 全ての棚番の棚卸表を回収した
- 部門ごとのロスを出した
- ロスの原因を調べ、対策を決めた
よくあるミスと防ぎ方
バックヤードの在庫を数え漏らす
売場だけ数えて、倉庫や冷蔵庫の在庫が漏れます。棚卸計画の範囲に全ての置き場を書きます。
返品待ちの商品を在庫に数える
仕入先に返す予定の商品は自店の在庫から外します。前日までに分けて表示します。
厨房の使いかけを数えない
使いかけの食材を数えないと、原価率が実際より高く出ます。重さで量って記録します。
測っておきたい指標
- ロス率(ロス額÷売上)
- 原価率(飲食店)
- 棚卸にかかった時間
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
法人税法(棚卸資産の評価)
期末の在庫は届け出た評価方法で評価します。小売業では売価還元法も認められています。棚卸表は帳簿書類として保存します。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(小売・飲食・12業務)
- 「店舗の棚卸」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち3つは、自動化の候補です
よくある質問
- 売価還元法とは何ですか。
- 売場の商品を売価で数え、原価率を掛けて在庫の原価を出す方法です。品目が多い小売店で、原価を1品ずつ調べずに済むため使われています。
- 手書きの棚卸表の集計に時間がかかります。
- ジンベイ GenOCR で手書きの棚卸表を読み取り、品目と数をデータにできます。
- 飲食店の棚卸で原価率を正しく出すには。
- 月初の在庫+月中の仕入−月末の在庫で、使った食材の原価を出します。月末の棚卸で使いかけの食材も数えることが大切です。