見切り・値下げの業務手順書テンプレート(小売・飲食)
見切り・値下げは、消費期限・賞味期限が近い商品や売れ残りそうな商品を、決めた時刻と値下げ率で値下げし、売り切って廃棄を減らす業務です。手順書にしておくと、担当者ごとの値下げのばらつき、値下げシールとレジの価格の違い、期限切れ商品の売場への残りを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 決まった基準で値下げし、廃棄と値下げによる損失の合計を小さくします。
- 範囲
- 期限の近い商品の確認から、値下げの判断・シールの貼付・売価の確認・売れ残りの撤去と廃棄の記録まで。季節品の在庫処分の値下げは本部の指示に従います。
- 始まるきっかけ
- 店の決めた見切りの時刻(例: 15時・18時・閉店の2時間前)、または期限の近い商品を見つけたとき。
- 頻度・量の目安
- 毎日。1日2〜3回、各20〜30分
- 使う書類・システム
- 見切りの基準表(商品分類別の時刻と値下げ率)、値下げシール、ハンディ端末(売価変更の登録)、廃棄の記録表
担当と役割
部門担当(日配・惣菜・生鮮)
期限の確認、値下げシールの貼付
時間帯責任者
値下げ率の判断、売価の確認
店長
値下げの基準の決定、廃棄と値下げの損失の確認
手順(13ステップ)
- 基準店長・目安 —
1. 商品分類ごとに値下げの時刻と率を決める
例: 惣菜は閉店3時間前に2割引、1時間前に半額。日配品は消費期限の当日に3割引など。
- 確かめること
- 廃棄と値下げの損失の合計が小さくなる基準か
- できあがるもの
- 見切りの基準表
- 確認部門担当・目安 10分
2. 期限の近い商品を売場で探す
棚の手前から期限を確かめ、基準に当てはまる商品を集めます。
- 確かめること
- 奥に古い商品が残っていないか
- できあがるもの
- 値下げの対象
- 撤去部門担当・目安 5分
3. 期限の切れた商品を売場から撤去する
消費期限の切れた商品は、値下げせずに撤去します。
- 確かめること
- 消費期限の切れた商品が売場に残っていないか
- できあがるもの
- 撤去した商品
- 判断時間帯責任者・目安 3分
4. 値下げ率を決める
基準表の率を基本に、残りの数と来店客の見込みで調整します。
- 確かめること
- 基準表から外れる値下げは理由を記録したか
- できあがるもの
- 値下げ率
- 登録部門担当・目安 1品10秒
5. 値下げをハンディで登録し、シールを出す
商品のコードをスキャンして値下げ後の価格を登録し、シールを印刷します。
- 確かめること
- 登録した価格とシールの価格が同じか
- できあがるもの
- 値下げの登録
- 貼付部門担当・目安 作業により
6. 値下げシールを貼る
元の価格表示を隠さないように、決められた位置に貼ります。
- 確かめること
- 商品の表示(期限・アレルゲン)を隠していないか
- できあがるもの
- シール貼付
- 確認時間帯責任者・目安 3分
7. レジで値下げの価格が出るか確かめる
数品を選んでスキャンし、シールの価格と一致するか確かめます。
- 確かめること
- レジの価格とシールの価格が一致するか
- できあがるもの
- 価格の確認
- 陳列部門担当・目安 5分
8. 値下げ品を見やすく並べる
値下げ品を前に出し、まとめて置きます。
- 確かめること
- 通常価格の商品と混ざって分かりにくくないか
- できあがるもの
- 陳列の完了
- 二回目部門担当・目安 10分
9. 次の時刻に売れ残りを再値下げする
基準表の次の時刻に、残っている商品を再度値下げします。
- 確かめること
- 前のシールの上から貼り、価格を読み違えないか
- できあがるもの
- 再値下げ
- 閉店部門担当・目安 10分
10. 閉店時に売れ残りを撤去する
消費期限が当日の商品は閉店時に撤去します。
- 確かめること
- 翌日に期限が切れる商品を残していないか
- できあがるもの
- 撤去した商品
11. 廃棄の数と理由を記録する
品目・数量・売価・理由を廃棄の記録表に書き、登録します。
- 確かめること
- 廃棄の登録をしたか(在庫が残ったままにしない)
- できあがるもの
- 廃棄の記録
12. 日次で値下げ額と廃棄額を確かめる
部門ごとの値下げ額と廃棄額を確かめ、合計の損失を見ます。
- 確かめること
- 値下げしすぎ、廃棄しすぎの部門がないか
- できあがるもの
- 日次の損失の集計
- 見直し店長・目安 30分
13. 週次で基準表と発注を見直す
値下げ・廃棄が多い品目は発注を減らすか、値下げの時刻を早めます。
- 確かめること
- 発注担当に結果を伝えたか
- できあがるもの
- 基準と発注の見直し
締めのチェックリスト
- 見切りの基準表に沿って値下げした
- 期限切れの商品を売場から撤去した
- 奥に古い商品が残っていない
- 登録した価格とシールの価格が同じ
- 表示(期限・アレルゲン)を隠していない
- レジの価格がシールと一致した
- 値下げ品を見やすく並べた
- 閉店時に当日期限の商品を撤去した
- 廃棄を記録・登録した
- 値下げ額と廃棄額を確かめた
よくあるミスと防ぎ方
シールとレジの価格が違う
登録をせずにシールだけ貼ると、レジで元の価格になります。ハンディで登録してシールを出す流れにします。
期限やアレルゲンの表示を隠す
シールで表示が見えなくなると、表示の不備になります。シールを貼る位置を決めます。
担当者ごとに値下げ率が違う
早く値下げしすぎる人、遅すぎて廃棄が増える人が出ます。基準表を売場に掲示します。
測っておきたい指標
- 廃棄率(廃棄額÷売上)
- 値下げ率(値下げ額÷売上)
- 廃棄と値下げを合わせた損失額
関係する法令・規格
景品表示法(二重価格表示)
値下げ前の価格を比較のために表示する場合、その価格が実際に販売されていた価格である必要があります。消費者庁の価格表示ガイドラインに沿って表示します。
食品表示法
値下げシールで期限やアレルゲンなどの表示を隠さないようにします。
食品ロス削減推進法(食品ロスの削減の推進に関する法律)
事業者に食品ロスの削減に取り組む努力が求められています。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(小売・飲食・12業務)
- 「見切り・値下げ」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち2つは、自動化の候補です
よくある質問
- 値下げと廃棄、どちらを優先すべきですか。
- 値下げで売り切れれば、仕入の一部を回収できます。ただし値下げの時刻が早すぎると通常価格の売上が減るため、両方の合計で損失が小さくなる時刻と率を探します。
- 「通常価格」と並べて表示してもよいですか。
- 実際にその価格で一定期間販売していた場合に限り、比較のための価格として表示できます。見切りの値下げでは、元の売価を値下げシールの近くに残す表示が一般的です。
- 廃棄の記録を楽にできますか。
- 廃棄をハンディやタブレットで登録し、日次の廃棄額を自動で集計する仕組みを ジンベイ GenApp で作れます。