シフト作成の業務手順書テンプレート(小売・飲食)
シフト作成は、従業員の希望を集め、時間帯ごとに必要な人数を満たし、労働時間・休憩の決まりを守って、人件費の予算に収まる勤務表を作る業務です。手順書にしておくと、人手の足りない時間帯、労働時間の上限の超過、18歳未満の深夜勤務、人件費の予算超過を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 必要な人数を満たし、労働基準法を守り、人件費の予算に収まるシフトを、決まった日までに公開します。
- 範囲
- 希望の回収から、シフトの作成・確認・公開・変更の管理と、実績の振り返りまで。給与の計算は対象外です。
- 始まるきっかけ
- シフトの期間(2週間・1か月など)の前の決まった日。
- 頻度・量の目安
- 月1〜2回。1回2〜4時間
- 使う書類・システム
- シフト希望表、時間帯別の売上・客数の実績、人件費の予算、従業員の一覧(年齢・時給・雇用契約の労働時間・扶養の範囲の希望)、36協定の内容、シフト表
担当と役割
店長(シフト作成者)
必要人数の決定、シフトの作成と公開
従業員(パート・アルバイト・社員)
希望の提出、変更の申し出
本部(人事・労務)
人件費の予算、労働時間の基準の提示
手順(13ステップ)
- 回収店長・目安 1週間
1. シフト希望を締め切り日までに集める
出勤できる日・時間、休みの希望を集めます。
- 確かめること
- 締め切り日を全員に伝えたか
- できあがるもの
- シフト希望表
- 必要人数店長・目安 30分
2. 時間帯ごとの必要人数を決める
曜日・時間帯ごとの売上と客数の実績、販促・行事の予定から、レジ・売場・厨房の必要人数を決めます。
- 確かめること
- ピークの時間帯に人数が足りるか
- できあがるもの
- 時間帯別の必要人数
- 割り当て店長・目安 1〜2時間
3. 希望をもとに割り当てる
必要人数を満たすように、希望と技能(レジ・調理・責任者)を見て割り当てます。
- 確かめること
- 各時間帯に責任者が1人以上いるか
- できあがるもの
- シフト案
- 労働時間店長・目安 15分
4. 1日・1週の労働時間を確かめる
1日8時間・1週40時間(常時10人未満の商業・飲食店などは特例で週44時間)を超える場合は時間外労働になり、36協定の範囲で行います。
- 確かめること
- 36協定の上限を超えていないか
- できあがるもの
- 労働時間の確認
- 休憩店長・目安 10分
5. 休憩時間を入れる
労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を、勤務の途中に入れます。
- 確かめること
- 全員の休憩が入っているか
- できあがるもの
- 休憩の確認
- 年少者店長・目安 5分
6. 18歳未満の従業員の勤務を確かめる
18歳未満は原則として22時から翌5時までの深夜に働かせることはできず、時間外労働・休日労働もできません。
- 確かめること
- 18歳未満の従業員が22時以降に入っていないか
- できあがるもの
- 年少者の確認
- 休日店長・目安 5分
7. 休日を確かめる
毎週少なくとも1日(または4週間で4日以上)の休日を入れます。
- 確かめること
- 連続勤務が長すぎないか
- できあがるもの
- 休日の確認
8. 人件費を計算し、予算と比べる
時給×時間(深夜22時〜5時は25%以上の割増、時間外は25%以上の割増)で人件費を出し、売上の見込みに対する比率を確かめます。
- 確かめること
- 人件費が予算に収まるか
- できあがるもの
- 人件費の計算
- 扶養店長・目安 10分
9. 扶養の範囲を希望する人の勤務時間を確かめる
年収の見込みが本人の希望する範囲に収まるか確かめます。
- 確かめること
- 社会保険の加入の基準(週の労働時間など)に当てはまる人がいないか
- できあがるもの
- 扶養の範囲の確認
- 公開店長・目安 5分
10. 決めた日までにシフトを公開する
シフト表を掲示またはアプリで共有します。
- 確かめること
- 公開日を守ったか
- できあがるもの
- 公開したシフト表
- 変更店長・目安 随時
11. 変更・欠勤の申し出に対応する
代わりの人を探し、シフト表を直して、変更の記録を残します。
- 確かめること
- 変更後も休憩・年少者の深夜・労働時間の決まりを守っているか
- できあがるもの
- 変更の記録
12. 勤怠の実績とシフトを比べる
実際の出勤・退勤の時刻とシフトを比べ、残業・休憩の取りこぼしを確かめます。
- 確かめること
- 休憩が実際にとれているか
- できあがるもの
- 実績の確認
- 振り返り店長・目安 30分
13. 人件費と人手の過不足を振り返る
時間帯ごとの売上に対する人員の過不足と、人件費の比率を確かめ、次回の必要人数を見直します。
- 確かめること
- 人手不足の時間帯の対策を決めたか
- できあがるもの
- 振り返りの記録
締めのチェックリスト
- 締め切り日までに希望を集めた
- 時間帯ごとの必要人数を決めた
- 各時間帯に責任者がいる
- 1日・1週の労働時間の決まりを守っている
- 6時間超は45分、8時間超は1時間の休憩がある
- 18歳未満が22時〜5時に入っていない
- 毎週1日以上(または4週4日以上)の休日がある
- 人件費が予算に収まる
- 扶養の範囲の希望を確かめた
- 変更後も労働時間と休憩の決まりを守っている
よくあるミスと防ぎ方
18歳未満を閉店作業に入れる
閉店作業が22時を過ぎると違法な深夜労働になります。年齢をシフト表に表示し、22時までに退勤できる割り当てにします。
休憩をシフトに入れない
忙しい時間帯に休憩がとれないまま働かせることになります。休憩の時刻もシフト表に書きます。
公開が遅れる
従業員が予定を立てられず、欠勤や離職の原因になります。公開日を決めて守ります。
測っておきたい指標
- 人件費率(人件費÷売上)
- シフト公開の遅れ件数
- 労働時間・休憩の違反件数
- 欠勤・急な変更の件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
労働基準法
法定労働時間(1日8時間・週40時間、常時10人未満の商業・飲食店などは週44時間の特例)、休憩(6時間超45分・8時間超1時間)、休日(毎週1日以上)、時間外・深夜の割増賃金、18歳未満の深夜業の禁止などが定められています。
最低賃金法
時給が地域別の最低賃金を下回らないようにします。最低賃金は毎年改定されるため、改定日に時給を確かめます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(小売・飲食・12業務)
- 「シフト作成」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち2つは、自動化の候補です
よくある質問
- 週44時間の特例はどの店に当てはまりますか。
- 常時10人未満の労働者を使う、商業・映画演劇業(映画の製作を除く)・保健衛生業・接客娯楽業の事業場が対象です。小売店や飲食店の多くはこの業種に当てはまります。
- シフトの作成に時間がかかります。
- 希望の回収、労働時間・休憩・年少者の深夜の確認、人件費の計算を自動で行うシフト表を ジンベイ GenApp で作れます。
- 学生アルバイトのテスト期間の対応は。
- テスト期間の希望を早めに集め、その期間は社員やパートの人数を増やすなど、前もって必要人数を確保します。