アレルギーの問い合わせ対応の業務手順書テンプレート(小売・飲食)
アレルギーの問い合わせ対応は、お客様から「この料理に卵は入っていますか」などと聞かれたときに、アレルゲン表と原材料をもとに正確に答え、注文を受けた場合は混入を防いで提供する業務です。手順書にしておくと、記憶や推測で答えて重いアレルギー反応を起こす事故を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- アレルゲンの問い合わせに、誰が対応しても根拠のある正確な情報で答え、混入を防いで提供できるようにします。
- 範囲
- アレルゲン表の作成と更新から、問い合わせの受付・確認・回答・調理と提供の注意・記録まで。
- 始まるきっかけ
- お客様からアレルギーの問い合わせや、除去の依頼があったとき。メニューや仕入先・原材料を変えたとき(アレルゲン表の更新)。
- 頻度・量の目安
- 問い合わせは随時。アレルゲン表の見直しはメニュー・原材料の変更のたび
- 使う書類・システム
- アレルゲン表(メニュー別・品目別)、原材料の規格書・仕入れた加工食品の表示、レシピ(使う食材と調味料)、アレルギーの問い合わせ記録
担当と役割
店長
アレルゲン表の作成・更新、対応の判断
ホール・売場担当
お客様からの聞き取り、店長への引き継ぎ
調理担当
原材料の確認、混入を防ぐ調理
手順(13ステップ)
- 作成店長・目安 メニューにより
1. メニューごとのアレルゲン表を作る
レシピの全ての食材・調味料・揚げ油について、仕入れた加工食品の表示や規格書でアレルゲンを確かめ、一覧にします。
- 確かめること
- 調味料やたれ、つなぎに使う食材まで確かめたか
- できあがるもの
- アレルゲン表
- 作成店長・目安 30分
2. 表示の対象品目を確かめる
容器包装された加工食品で表示が義務となる特定原材料と、表示が推奨される品目の両方を一覧に入れます。
- 確かめること
- 最新の対象品目に合っているか(2026年4月にカシューナッツが義務表示に加わり、経過措置は2028年3月末まで)
- できあがるもの
- 対象品目の確認
- 更新店長・目安 30分
3. 仕入先・原材料の変更時に表を更新する
仕入先や商品が変わったら、新しい原材料の表示を確かめて表を直し、更新日を書きます。
- 確かめること
- 代替品で一時的に原材料が変わる場合も反映したか
- できあがるもの
- 更新したアレルゲン表
- 受付ホール担当・目安 3分
4. お客様からアレルギーの内容を聞き取る
食べられない食材、程度(少量でも反応するか、加熱すれば大丈夫か)を聞きます。
- 確かめること
- 自分の判断で答えず、店長や調理担当に確かめると伝えたか
- できあがるもの
- 聞き取りの内容
- 確認店長・目安 5分
5. アレルゲン表と原材料で確かめる
アレルゲン表と、必要なら仕入れた加工食品の表示を直接確かめます。
- 確かめること
- 記憶や推測で答えていないか
- できあがるもの
- 確認の結果
- 混入店長・目安 3分
6. 調理の工程での混入の可能性を確かめる
同じ揚げ油・まな板・調理器具・盛り付けの場所を使うかを確かめます。
- 確かめること
- 混入の可能性を否定できるか
- できあがるもの
- 混入の確認
- 回答店長・目安 3分
7. お客様に事実を伝える
含まれる食材と、混入の可能性があることを正直に伝えます。完全に除去できない場合はその旨を伝えます。
- 確かめること
- 「大丈夫です」と言い切っていないか
- できあがるもの
- 回答の内容
- 注文ホール担当・目安 1分
8. 注文を受ける場合は伝票に目印をつける
アレルギー対応の注文であることと食材名を伝票に書き、口頭でも調理担当に伝えます。
- 確かめること
- 伝票と口頭の両方で伝えたか
- できあがるもの
- アレルギー対応の伝票
- 調理調理担当・目安 作業により
9. 混入を防いで調理する
手を洗い、洗った器具を使い、他の料理と離して調理します。
- 確かめること
- 他の料理と同じ器具・油を使っていないか
- できあがるもの
- 調理
- 提供ホール担当・目安 1分
10. 取り違えないように提供する
調理担当から直接受け取り、お客様の席まで他の料理と分けて運び、料理名と除去した食材を確かめて出します。
- 確かめること
- 別のお客様の料理と取り違えていないか
- できあがるもの
- 提供
11. 問い合わせと対応を記録する
日時・アレルゲン・対応した内容・担当者を記録します。
- 確かめること
- 記録をつけたか
- できあがるもの
- 問い合わせ記録
- 緊急時店長・目安 即時
12. 食後に体調の変化があれば救急車を呼ぶ
じんましん・息苦しさ・嘔吐などがあれば、すぐに119番に連絡し、食べた料理と原材料の情報を伝えます。
- 確かめること
- 食べた料理と原材料の情報を救急隊に渡せるか
- できあがるもの
- 緊急時の記録
- 共有店長・目安 5分
13. アレルゲン表の更新と注意点を従業員に伝える
朝礼などで更新内容と、聞かれたときの対応の流れを確かめます。
- 確かめること
- 新人にも伝えたか
- できあがるもの
- 共有の記録
締めのチェックリスト
- 全てのメニューのアレルゲン表がある
- 調味料・たれ・揚げ油まで確かめた
- 最新の表示の対象品目に合っている
- 仕入先・原材料の変更を反映し、更新日を書いた
- 記憶や推測で答えていない
- 混入の可能性を確かめて伝えた
- 伝票と口頭の両方で調理担当に伝えた
- 専用の器具で、他の料理と離して調理した
- 取り違えずに提供した
- 問い合わせと対応を記録した
よくあるミスと防ぎ方
記憶で答える
以前は入っていなかった食材が、仕入先の変更で入っていることがあります。毎回アレルゲン表と表示で確かめます。
調味料やたれを見落とす
しょうゆ(小麦)、マヨネーズ(卵)など、調味料にアレルゲンが含まれます。調味料まで一覧に入れます。
「除去したから大丈夫」と言い切る
同じ厨房では混入を完全には防げないことがあります。混入の可能性を正直に伝えます。
測っておきたい指標
- アレルゲン表の更新漏れ件数
- アレルギーの問い合わせ件数
- アレルギーに関する事故・ヒヤリハットの件数
関係する法令・規格
食品表示法(アレルゲン表示)
容器包装された加工食品には、特定原材料の表示が義務づけられています。2026年4月からカシューナッツが義務表示の対象に加わり(経過措置は2028年3月末まで)、ピスタチオが推奨表示の対象に加わりました。店内で調理して提供する料理には表示義務はありませんが、仕入れた加工食品の表示はアレルゲン表の根拠になります。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(小売・飲食・12業務)
- 「アレルギーの問い合わせ対応」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち1つは、自動化の候補です
よくある質問
- 飲食店でもアレルゲンの表示は必要ですか。
- 店内で調理して提供する料理には、食品表示法の表示義務はありません。ただし、お客様の安全のために、アレルゲン表を作って問い合わせに答えられるようにすることが勧められています。
- 持ち帰りの惣菜はどうですか。
- 容器に入れて販売する場合でも、店内で作ってその場で販売する惣菜は表示義務の対象外です。他の工場で作って包装された惣菜を仕入れて売る場合は表示が必要です。
- アレルゲン表の作成と更新を楽にできますか。
- 仕入れた加工食品の規格書や表示を ジンベイ GenOCR で読み取り、アレルゲンの一覧を作る手間を減らせます。