発注の業務手順書テンプレート(小売・飲食)
小売店の発注は、売場の在庫と売上の動きを見て、次の納品までに売れる量を仕入先や本部に発注する業務です。手順書にしておくと、担当者の勘に頼った発注による欠品と、食品の売れ残りによる廃棄の両方を減らせます。
この手順書の範囲
- 目的
- 売れる量に見合った発注で、欠品と廃棄を同時に減らします。
- 範囲
- 在庫と売上の確認から、発注数量の決定・発注・欠品と廃棄の振り返りまで。納品の検収は別の手順書で扱います。
- 始まるきっかけ
- 毎日の発注締め時刻の前(商品分類ごとに締め時刻が違うことがあります)。
- 頻度・量の目安
- 毎日。1店舗で数百〜数千品目、30〜90分
- 使う書類・システム
- 発注端末・POSの売上データ、自動発注(推奨発注)の数量、本部からの販促・新商品の案内、天気予報・地域の行事の予定、廃棄の記録・欠品の記録
担当と役割
発注担当(部門担当)
在庫の確認、発注数量の決定と入力
店長
販促・行事の情報の共有、発注の確認
本部(バイヤー)
新商品・特売の案内、自動発注の設定
手順(13ステップ)
1. 前日の売上と廃棄・欠品を確かめる
品目ごとの売上数、廃棄の数、閉店前に売り切れた時刻を確かめます。
- 確かめること
- 売り切れが早すぎる品目、廃棄が多い品目はどれか
- できあがるもの
- 前日の振り返り
- 確認発注担当・目安 20分
2. 売場とバックヤードの在庫を確かめる
発注端末の在庫数と、棚・バックヤードの実際の数を確かめます。
- 確かめること
- 端末の在庫と実際の数が大きく違わないか
- できあがるもの
- 在庫の確認
- 情報店長・目安 5分
3. 販促・行事・天候の情報を共有する
チラシの特売、地域の行事(運動会・祭り)、気温・雨の予報を発注担当に伝えます。
- 確かめること
- 特売の開始日に間に合う発注か
- できあがるもの
- 発注の情報
- 推奨発注担当・目安 10分
4. 自動発注の推奨数量を確かめる
システムが出した推奨数量を一覧で見ます。
- 確かめること
- 大きく増減している品目の理由が分かるか
- できあがるもの
- 推奨数量の確認
- 修正発注担当・目安 20分
5. 推奨数量を修正する
特売・行事・天候・新商品の導入に合わせて増減します。
- 確かめること
- 修正した理由を記録したか
- できあがるもの
- 修正後の発注数量
- 日配発注担当・目安 15分
6. 消費期限の短い商品は翌日の売り切れを目標に発注する
弁当・パン・牛乳などは、次の納品までに売り切れる量を目安にします。
- 確かめること
- 過去の同じ曜日・天候の売上を参考にしたか
- できあがるもの
- 日配品の発注数量
- 新商品発注担当・目安 10分
7. 新商品・季節品の導入数を決める
本部の案内の導入数を基本に、店の客層に合わせて調整します。
- 確かめること
- 売場の場所を確保したか
- できあがるもの
- 新商品の発注
- 棚割発注担当・目安 5分
8. 棚の大きさに収まるか確かめる
発注数量が棚の容量とバックヤードの置き場に収まるか確かめます。
- 確かめること
- 最小発注単位(ケース)で過剰にならないか
- できあがるもの
- 容量の確認
- 確認店長・目安 10分
9. 発注の金額と大きな修正を確かめる
部門ごとの発注金額と、推奨から大きく修正した品目を確かめます。
- 確かめること
- 発注金額が売上の見込みに合っているか
- できあがるもの
- 発注の確認
- 送信発注担当・目安 2分
10. 発注締め時刻までに送信する
発注端末から送信し、送信完了の表示を確かめます。
- 確かめること
- 締め時刻に間に合ったか。送信エラーがないか
- できあがるもの
- 発注データ
- 仕入先発注担当・目安 5分
11. 本部を通さない仕入先にはFAX・電話で発注する
地場の仕入先には発注書をFAXで送り、控えを残します。
- 確かめること
- 発注書の控えを保存したか
- できあがるもの
- 発注書の控え
12. 欠品と廃棄を記録する
閉店時に、売り切れた時刻と廃棄の数を記録します。
- 確かめること
- 廃棄の理由(期限・破損)を書いたか
- できあがるもの
- 欠品・廃棄の記録
- 振り返り店長・目安 30分
13. 週次で欠品と廃棄の多い品目を見直す
廃棄額と欠品の多い品目を一覧にし、発注の基準や陳列を見直します。
- 確かめること
- 廃棄額が目標を超えた部門の対策を決めたか
- できあがるもの
- 週次の振り返り
締めのチェックリスト
- 前日の売上・廃棄・欠品を確かめた
- 端末の在庫と実際の数を確かめた
- 特売・行事・天候を反映した
- 推奨数量の大きな増減の理由を確かめた
- 修正の理由を記録した
- 日配品は翌日の売り切れを目標にした
- 棚とバックヤードに収まる
- 締め時刻までに送信した
- 地場の仕入先の発注書の控えを保存した
- 欠品と廃棄を記録した
よくあるミスと防ぎ方
自動発注をそのまま送る
特売や行事を考えない数量になります。販促と天候の情報を必ず見て修正します。
端末の在庫が実際と違う
廃棄や破損の登録漏れで、システムの在庫が多く残ります。廃棄は必ず登録し、発注前に棚を見ます。
欠品を恐れて多めに発注する
日配品の廃棄が増えます。売り切れの時刻を記録し、閉店間際に売り切れる量を目安にします。
測っておきたい指標
- 欠品率(または欠品の件数)
- 廃棄率(廃棄額÷売上)
- 発注にかかる時間
関係する法令・規格
食品ロス削減推進法(食品ロスの削減の推進に関する法律)
事業者に食品ロスの削減に取り組む努力が求められています。廃棄の記録を発注の見直しに使います。
食品リサイクル法
食品関連事業者は食品廃棄物の発生の抑制と再生利用に取り組むことが求められ、一定量以上を出す事業者は国への定期報告の対象になります。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(小売・飲食・12業務)
- 「発注」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
13手順のうち2つは、自動化の候補です
よくある質問
- 自動発注があるのに修正は必要ですか。
- 自動発注は過去の売上をもとに計算するため、特売・行事・天候の急な変化には対応しきれないことがあります。店の情報で修正するのが発注担当の大切な役割です。
- 地場の仕入先へのFAX発注を楽にできますか。
- 発注書の作成と送信は ジンベイ GenRPA で自動化できます。仕入先から届く納品書は ジンベイ GenOCR で読み取れます。
- 廃棄を減らすには何から始めればよいですか。
- 品目ごとに廃棄の数と売り切れの時刻を記録することから始めます。廃棄の多い品目は発注を減らし、閉店前の値引きの時刻を見直します。