有給休暇の管理の業務手順書テンプレート(業種共通)
入社日などから有給休暇を付与し、取得の申請を受け、年5日の取得を確実にし、管理簿に記録します。手順書にしておくと、付与漏れや年5日の取得義務の違反、時効による消滅のトラブルを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 有給休暇を法律どおりに付与・管理し、年5日の取得を全員に確保することを目的にします。
- 範囲
- 付与日数の計算から、付与、申請・承認、年5日の確認、時季指定、管理簿の作成・保存まで。
- 始まるきっかけ
- 入社から6か月を迎える人がいるとき、および毎月の勤怠締め
- 頻度・量の目安
- 付与は随時(または全社の基準日に一斉)・取得状況の確認は毎月
- 使う書類・システム
- 就業規則(休暇の規定)、勤怠データ(出勤率)、年次有給休暇管理簿、労使協定(計画的付与・時間単位年休)
担当と役割
人事担当
付与日数の計算、管理簿の作成、取得状況の確認
上長
申請の承認、時季の調整、取得の促し
社員
取得の申請
手順(10ステップ)
1. 付与日の前月に、付与対象者と付与日数を計算する
入社から6か月で10日、その後1年ごとに11・12・14・16・18・20日。週所定4日以下かつ週30時間未満の人は比例付与。
- 確かめること
- 出勤率8割以上の要件を確認したか
- できあがるもの
- 付与対象者の一覧
2. 付与日に勤怠システムへ付与し、本人に付与日数と有効期限を知らせる
付与から2年で時効になる。
- 確かめること
- 有効期限を本人に伝えたか
- できあがるもの
- 付与記録
3. 取得したい日の前に申請する
申請期限は就業規則で決める(例: 3日前まで)。理由を書く義務はない。
- 確かめること
- 申請に日付と日数(半日・時間単位)が入っているか
- できあがるもの
- 有給の申請
4. 申請を承認する。事業の正常な運営を妨げる場合だけ時季の変更を相談できる
「忙しいから」だけでは時季変更の理由にならない。代わりの人の手配を先に検討する。
- 確かめること
- 時季変更の理由が記録されているか
- できあがるもの
- 承認記録
5. 毎月、年10日以上付与した人の取得日数を確認する
付与日から1年以内に5日。半日単位は0.5日で数える。時間単位の取得は5日に含めない。
- 確かめること
- 取得が遅れている人を抽出したか
- できあがるもの
- 取得状況の一覧
- 促し上長・目安 1名10分
6. 付与日から半年を過ぎて取得が少ない人と、取得日の計画を話し合う
業務の繁閑を見て、取得しやすい日を本人と決める。
- 確かめること
- 計画日を記録したか
- できあがるもの
- 取得計画
- 指定人事担当・上長・目安 1名10分
7. 期限が近づいても5日に満たない人には、本人の意見を聞いて時季を指定する
時季指定をする場合は、その旨を就業規則に書いておく必要がある。
- 確かめること
- 本人の意見を聞いた記録があるか
- できあがるもの
- 時季指定の記録
- 計画付与人事担当・目安 初回1時間
8. 計画的付与を使う場合は、労使協定で日を決める
5日を超える部分が計画的付与の対象。
- 確かめること
- 労使協定を結んだか
- できあがるもの
- 労使協定
9. 年次有給休暇管理簿に、基準日・日数・取得した日付を記録する
管理簿は5年間(当分の間3年)保存する。
- 確かめること
- 取得日付が全件入っているか
- できあがるもの
- 年次有給休暇管理簿
- 点検人事担当・目安 1時間
10. 年1回、付与日数・残日数・時効の処理が勤怠システムで正しく動いているか抜き取りで確認する
繰り越しは1年分まで(時効2年)。
- 確かめること
- 繰り越し・時効の処理が正しいか
- できあがるもの
- 点検記録
締めのチェックリスト
- 付与日と付与日数を正しく計算した
- 比例付与の対象者を確認した
- 付与日数と有効期限を本人に伝えた
- 時季変更の理由を記録した
- 毎月の取得状況を確認した
- 取得が少ない人と計画を立てた
- 時季指定は本人の意見を聞いた
- 時季指定を就業規則に書いている
- 管理簿に取得日付を記録した
よくあるミスと防ぎ方
年5日の取得が期限ぎりぎりで足りない
付与日がばらばらだと管理が難しくなります。毎月の一覧で、半年経過時点の取得日数を確認します。
時間単位の取得を5日に数える
時間単位年休は年5日の取得義務の日数に含めません。半日単位は含められます。
パートに有給を付与していない
パート・アルバイトも要件を満たせば付与が必要です。所定労働日数に応じた比例付与の表で計算します。
測っておきたい指標
- 年5日の取得達成率
- 平均取得日数
- 時効で消えた日数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
付与日数、年5日の取得義務、時季変更、計画的付与、時効2年
管理簿の作成と保存
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「有給休暇の管理」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち6つは、自動化の候補です
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順1:付与日の前月に、付与対象者と付与日数を計算する
- 手順3:取得したい日の前に申請する
- 手順4:申請を承認する。事業の正常な運営を妨げる場合だけ時季の変更を相談できる
- 手順5:毎月、年10日以上付与した人の取得日数を確認する
- 手順9:年次有給休暇管理簿に、基準日・日数・取得した日付を記録する
よくある質問
- 年5日を取らせないと罰則はありますか?
- 対象者1人につき30万円以下の罰金の対象になります。会社の義務として管理します。
- 基準日を全社でそろえてもよいですか?
- 法定より前倒しで付与する形なら可能です。入社日によって不利にならないようにします。
- 退職時に残った有給は買い取りが必要ですか?
- 法律上の義務はありません。退職時に残った日数を買い取ることは認められています。