退職手続きの業務手順書テンプレート(業種共通)
退職の申し出を受けたら、最終出社日と有給の消化を決め、貸与物を回収し、資格喪失の届出と書類の交付を行います。手順書にしておくと、届出の遅れ、離職票の発行遅れ、PCやアカウントの回収漏れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 退職する人の手続きを期限内に終え、会社の情報資産を確実に回収することを目的にします。
- 範囲
- 退職の申し出から、最終給与の計算、資格喪失の届出、書類の交付、アカウント停止まで。
- 始まるきっかけ
- 社員から退職届(退職願)が出されたとき
- 頻度・量の目安
- 随時(月0〜5名程度)
- 使う書類・システム
- 退職届、就業規則(退職・退職金の規定)、労働者名簿、健康保険証・資格確認書、貸与物の台帳、離職証明書
担当と役割
人事担当
退職日の確定、届出、書類の交付
上長
引き継ぎの計画、最終出社日の調整
総務・情報システム担当
貸与物の回収、アカウント停止
給与担当
最終給与・退職金の計算
手順(11ステップ)
1. 退職届を受け取り、退職日・最終出社日・退職理由を確認する
退職理由(自己都合・会社都合)は離職票に関わるので本人と認識を合わせる。
- 確かめること
- 退職日と理由を記録したか
- できあがるもの
- 退職の受付記録
- 調整上長・目安 30分
2. 引き継ぎの内容と期限を決め、有給休暇の残日数を踏まえて最終出社日を決める
有給の消化は本人の権利。引き継ぎとの両立を話し合う。
- 確かめること
- 引き継ぎ書の作成期限を決めたか
- できあがるもの
- 引き継ぎ計画
- 案内人事担当・目安 15分
3. 退職後の手続き(健康保険の任意継続・国民健康保険、年金、住民税)を本人に案内する
離職票が必要かを本人に確認する(転職先が決まっていても必要な場合がある)。
- 確かめること
- 離職票の要否を確認したか
- できあがるもの
- 退職者向けの案内
- 回収総務・情報システム担当・目安 20分
4. 最終出社日に社員証・PC・スマートフォン・鍵・制服などを回収する
貸与物の台帳と照合し、回収日を記録する。
- 確かめること
- 台帳の貸与物を全部回収したか
- できあがるもの
- 回収記録
5. 退職日にメール・業務システム・入館のアカウントを停止する
共有アカウントのパスワードも変更する。メールの転送や共有ファイルの引き継ぎ先を決めておく。
- 確かめること
- 全システムの停止を確認したか
- できあがるもの
- アカウント停止の記録
6. 健康保険・厚生年金の資格喪失届を、退職日の翌日から5日以内に出す
健康保険証(資格確認書)を回収して添付するか、回収できない理由を届け出る。
- 確かめること
- 退職日の翌日から5日以内か
- できあがるもの
- 資格喪失届の控え
7. 雇用保険の資格喪失届(必要なら離職証明書も)を、退職日の翌日から10日以内にハローワークへ出す
離職証明書には退職前の賃金を記入するので、賃金台帳と照合する。
- 確かめること
- 離職理由が本人と合意した内容か
- できあがるもの
- 資格喪失届・離職証明書の控え
- 給与給与担当・目安 30分
8. 最終給与(日割り・残業・有給の扱い)と退職金を計算する
住民税は退職月により一括徴収か普通徴収への切り替えかを決め、市区町村に異動届を出す。
- 確かめること
- 住民税の異動届を出したか
- できあがるもの
- 最終給与の明細
- 交付人事担当・目安 10分
9. 源泉徴収票を退職後1か月以内に交付する
離職票はハローワークから届いたら速やかに本人に送る。
- 確かめること
- 交付日を記録したか
- できあがるもの
- 源泉徴収票の控え
- 交付人事担当・目安 15分
10. 本人から求められた場合は退職証明書を遅れなく交付する
本人が求めない事項は書かない。
- 確かめること
- 請求があった事項だけを書いたか
- できあがるもの
- 退職証明書
- 記録人事担当・目安 10分
11. 労働者名簿に退職日と理由を記入し、書類を保管する
労働者名簿・賃金台帳は退職日などから5年(当分の間3年)保存する。
- 確かめること
- 保存期限を記録したか
- できあがるもの
- 更新した労働者名簿
締めのチェックリスト
- 退職日と退職理由を本人と確認した
- 引き継ぎ計画と最終出社日を決めた
- 離職票の要否を確認した
- 貸与物をすべて回収した
- 全システムのアカウントを停止した
- 社会保険の喪失届を5日以内に出した
- 雇用保険の喪失届を10日以内に出した
- 住民税の異動届を出した
- 源泉徴収票を1か月以内に交付した
- 労働者名簿に退職日を記入した
よくあるミスと防ぎ方
アカウントの停止漏れ
退職後もシステムに入れる状態は情報漏えいにつながります。システムの一覧を作り、退職日に全部止めます。
離職票の発行が遅れる
本人の失業給付の手続きが遅れます。退職日が決まった時点で離職証明書の準備を始めます。
退職理由の認識が本人とずれる
自己都合か会社都合かで給付に差が出るため、トラブルになりやすいです。離職証明書の内容を本人に確認してもらいます。
測っておきたい指標
- 届出の期限内完了率
- 貸与物の回収漏れ件数
- 離職票の送付までの日数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
退職証明書の交付、請求から7日以内の賃金の支払
退職日の翌日から5日以内に届出
退職日の翌日から10日以内に届出
退職後1か月以内に交付
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「退職手続き」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち4つは、自動化の候補です
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順5:退職日にメール・業務システム・入館のアカウントを停止する
- 手順6:健康保険・厚生年金の資格喪失届を、退職日の翌日から5日以内に出す
- 手順7:雇用保険の資格喪失届(必要なら離職証明書も)を、退職日の翌日から10日以内にハローワークへ出す
よくある質問
- 離職票は必ず発行しますか?
- 本人が不要と言えば発行しなくてもよいですが、59歳以上の人には必ず発行します。後から求められることもあるので、要否を書面で確認しておくと安心です。
- 健康保険証が回収できない場合は?
- 資格喪失届に「回収不能」の届を添えて出します。2024年12月以降は資格確認書なども回収の対象になります。
- 有給を全部使って辞めたいと言われたら?
- 有給の取得は労働者の権利で、退職日以降の日には時季変更ができません。引き継ぎの期間を含めて退職日を相談します。