新規入場者教育の業務手順書テンプレート(建設業)
新たに現場に入る作業員に、入場前に書類と資格・健康状態を確認し、現場のルールや危険箇所、緊急時の対応を説明して記録するまでの流れです。手順書にしておくと、現場に慣れていない人の災害や、資格のない人の作業を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 初めて現場に入る人が、その現場固有の危険とルールを理解してから作業を始めるための手順です。
- 範囲
- 入場予定者の把握から、教育の実施・理解の確認・記録・入場証の発行まで。
- 始まるきっかけ
- 協力会社から新しい作業員の入場予定の連絡があったとき
- 頻度・量の目安
- 随時・1回あたり1〜10人、15〜30分
- 使う書類・システム
- 新規入場者調査票(アンケート)、作業員名簿、資格証の写し、現場の安全ルール資料・配置図、教育記録簿
担当と役割
現場代理人(元請職員)
教育の実施、理解の確認、入場の許可
協力会社の職長
入場予定者の連絡、書類の提出、教育への同席
新規入場者
調査票の記入、教育の受講
安全衛生担当
教育資料の更新、記録の保管
手順(11ステップ)
- 連絡協力会社の職長・目安 5分
1. 前日までに入場予定者を元請に知らせる
氏名・職種・作業内容・入場日を伝えます。
- 確かめること
- 作業員名簿に載っている人か
- できあがるもの
- 入場予定の連絡
2. 新規入場者調査票を記入する
氏名、生年月日、血液型、緊急連絡先、経験年数、資格、健康状態(血圧・持病)を書きます。
- 確かめること
- 本人が自分で記入しているか
- できあがるもの
- 新規入場者調査票
- 確認現場代理人(元請職員)・目安 5分/人
3. 調査票と作業員名簿・資格証を照合する
資格の種類と作業内容、健康診断の日付、年齢を確認します。
- 確かめること
- 18歳未満・高齢者・経験の浅い人への配慮が要るか
- できあがるもの
- 確認済み調査票
- 説明現場代理人(元請職員)・目安 3分
4. 工事の概要と現場の組織を説明する
工事名、工期、元請の担当者、連絡方法を伝えます。
- 確かめること
- 元請担当者の連絡先を伝えたか
- できあがるもの
- 教育記録(説明項目)
- 説明現場代理人(元請職員)・目安 5分
5. 配置図で危険箇所と立入禁止区域を説明する
開口部、重機の作業範囲、クレーンの吊り荷の下、上下作業の場所を示します。
- 確かめること
- 当日の作業場所の危険を具体的に伝えたか
- できあがるもの
- 教育記録(危険箇所)
- 説明現場代理人(元請職員)・目安 5分
6. 現場のルールを説明する
保護具(ヘルメット・安全帯・安全靴)、喫煙場所、駐車場、作業時間、KY活動、整理整頓のルールを伝えます。
- 確かめること
- 墜落制止用器具の種類と使い方を確認したか
- できあがるもの
- 教育記録(ルール)
- 説明現場代理人(元請職員)・目安 3分
7. 緊急時の対応と連絡先を説明する
災害時の連絡順、最寄りの病院、避難経路、AEDの場所、熱中症の症状と報告先を伝えます。
- 確かめること
- 熱中症の報告先と対応手順を伝えたか
- できあがるもの
- 教育記録(緊急時)
- 確認現場代理人(元請職員)・目安 3分
8. 理解度を確認する
質問をして答えてもらい、分からない点を補足します。
- 確かめること
- 日本語が苦手な人に通訳・やさしい資料を用意したか
- できあがるもの
- 理解度の確認欄
9. 教育記録簿に受講者の署名をもらう
実施日・実施者・受講者・説明項目を記録します。
- 確かめること
- 全受講者の署名があるか
- できあがるもの
- 署名済み教育記録
10. 入場証・ヘルメットシールを発行し、名簿に入場日を記録する
新規入場者と分かる表示(シール等)を一定期間つけてもらいます。
- 確かめること
- 入場日と名簿が一致しているか
- できあがるもの
- 入場証・名簿の更新
- 見守り協力会社の職長・目安 随時
11. 最初の数日は経験者と組ませて作業させる
単独で危険作業をさせず、作業手順を確認します。
- 確かめること
- 一人作業になっていないか
- できあがるもの
- 職長の確認記録
締めのチェックリスト
- 入場予定を前日までに把握したか
- 調査票を本人が記入したか
- 資格と作業内容を照合したか
- 健康状態と年齢を確認したか
- 危険箇所を配置図で説明したか
- 保護具のルールを説明したか
- 緊急時の連絡先を伝えたか
- 熱中症の対応を伝えたか
- 理解度を確認したか
- 受講者の署名をもらったか
よくあるミスと防ぎ方
教育が毎回同じ資料の読み上げ
現場の進み具合で危険箇所は変わります。配置図に当日の危険箇所を書き込んで説明します。
書類の確認なしで入場
資格がない人が重機に乗る事故につながります。調査票と資格証を照合してから入場させます。
外国人作業員への伝わりにくさ
日本語だけでは伝わらないことがあります。やさしい日本語や図、多言語の資料を用意します。
測っておきたい指標
- 新規入場者教育の実施率
- 入場後1週間以内の災害・ヒヤリハット件数
- 教育1回あたりの時間
関係する法令・規格
労働安全衛生法30条(特定元方事業者)
元請は関係請負人の労働者を含めた安全管理を行います。新規入場者教育は「元方事業者による建設現場安全管理指針」で元請が実施を確認すべき事項として示されています。
労働安全衛生法59条(安全衛生教育)
雇入れ時の教育や危険有害業務の特別教育は、雇用する事業者(協力会社)の義務です。元請は実施状況を確認します。
労働安全衛生規則(熱中症対策)
2025年6月から、熱中症のおそれがある作業では報告体制と対応手順の作成・周知が義務になりました。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(建設・14業務)
- 「新規入場者教育」を含む14業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち3つは、自動化の候補です
よくある質問
- 新規入場者教育は法律で義務ですか
- 法律で「新規入場者教育」と名指しした義務はありませんが、元請が関係請負人の労働者の安全を管理する方法として国の指針で示され、ほぼすべての現場で実施されています。
- 教育記録は何を残せばよいですか
- 実施日、実施者、受講者の署名、説明した項目です。調査票とあわせて保管します。
- 調査票の転記を減らすには
- 手書きの新規入場者調査票をジンベイ GenOCRで読み取り名簿に反映すると、緊急連絡先や資格の一覧をすぐに作れます。