契約書管理の業務手順書テンプレート(業種共通)
契約書の案を審査し、押印や電子署名で締結し、台帳に登録して原本を保管し、更新・解約の期限を管理します。手順書にしておくと、自動更新の見落としや原本の紛失、印紙の貼り忘れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 契約を漏れなく台帳で管理し、更新・解約の判断を期限までに行えるようにすることを目的にします。
- 範囲
- 契約書の受付・審査から、締結、台帳登録、原本保管、期限の通知、更新・解約まで。
- 始まるきっかけ
- 取引先との契約(売買・業務委託・秘密保持・賃貸借など)を結ぶとき
- 頻度・量の目安
- 随時(月数件〜数十件)・期限の確認は毎月
- 使う書類・システム
- 契約書の案(自社ひな形・相手方ひな形)、契約審査依頼書、契約管理台帳、印章管理簿、電子契約サービス
担当と役割
担当部署
契約の起案、相手との交渉、期限の判断
総務・法務担当
審査、押印・電子署名の手配、台帳登録、原本保管
決裁者
締結の承認
手順(10ステップ)
1. 契約審査依頼書に相手方・契約の種類・金額・期間・主な条件を書いて総務に出す
相手方のひな形を使う場合は、受け取った版をそのまま添付する。
- 確かめること
- 締結希望日を書いたか
- できあがるもの
- 契約審査依頼
- 確認総務・法務担当・目安 15分
2. 新規の相手方は、反社会的勢力でないかを確認する
商業登記・Web検索・社内の取引実績で確認し、記録を残す。
- 確かめること
- 確認日と方法を記録したか
- できあがるもの
- 反社チェックの記録
- 審査総務・法務担当・目安 1件30分〜
3. 契約期間・自動更新・解約の予告期間・損害賠償・支払条件・秘密保持・管轄を確認する
自社に不利な条項は修正案を出す。取適法の対象取引は、支払期日(60日以内)や代金の決め方も確認する。
- 確かめること
- 修正点を一覧にしたか
- できあがるもの
- 審査コメント
4. 職務権限規程に従い、金額・内容に応じた決裁者が承認する
決裁の記録は台帳と結びつける。
- 確かめること
- 権限どおりの決裁者か
- できあがるもの
- 決裁記録
- 締結総務・法務担当・目安 1件15分
5. 紙の場合は製本・押印・印紙の貼付を行い、電子の場合は電子契約サービスで送る
印紙は契約の種類と金額で決まる(電子契約は不要)。
- 確かめること
- 印紙税額を確認したか
- できあがるもの
- 締結済みの契約書
6. 契約管理台帳に契約番号・相手方・契約名・締結日・期間・自動更新の有無・解約の予告期限・保管場所を登録する
解約の通知期限(例: 満了の3か月前)を日付で入れる。
- 確かめること
- 通知期限を日付で入れたか
- できあがるもの
- 台帳の1行
- 保管総務・法務担当・目安 1件5分
7. 紙の原本は契約番号順に施錠できる場所に保管し、写しをPDFで共有フォルダに置く
電子契約は電子帳簿保存法の要件(検索・改ざん防止)を満たして保存する。
- 確かめること
- 原本の保管場所が台帳と一致するか
- できあがるもの
- 保管済みの原本・PDF
8. 毎月、解約の通知期限が3か月以内に来る契約を担当部署に知らせる
担当部署は「更新・条件変更・解約」を決めて回答する。
- 確かめること
- 担当部署から回答があったか
- できあがるもの
- 期限の通知
- 更新・解約担当部署・目安 30分
9. 更新しない場合は、通知期限までに書面で解約を通知する
送付日がわかる方法(内容証明・配達記録など)で送る。
- 確かめること
- 期限内に通知したか
- できあがるもの
- 解約通知の控え
- 終了総務・法務担当・目安 10分
10. 終了した契約は台帳で「終了」にし、保存期間(例: 終了後10年)を決めて保管を続ける
秘密保持の義務など終了後も続く条項を確認する。
- 確かめること
- 終了後も続く義務を記録したか
- できあがるもの
- 台帳の更新
締めのチェックリスト
- 新規の相手方の反社チェックをした
- 自動更新・解約予告・支払条件を審査した
- 権限どおりの決裁を受けた
- 印紙税額を確認した
- 台帳に通知期限を日付で入れた
- 原本を施錠して保管した
- 電子契約を要件どおり保存した
- 3か月以内の期限を担当部署に知らせた
- 終了した契約を台帳で終了にした
よくあるミスと防ぎ方
自動更新に気づかず不要な契約が続く
解約の予告期限は満了日より前です。満了日ではなく通知期限を台帳に入れて管理します。
原本がどこにあるかわからない
担当者の机に置いたままになりがちです。締結後すぐ総務に回す流れにします。
印紙を貼り忘れる・多く貼る
契約の種類と金額で税額が変わります。国税庁の印紙税額一覧表で確認します。
測っておきたい指標
- 解約の通知期限を過ぎた件数
- 審査にかかる日数
- 原本の所在不明の件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
紙の契約書は種類と金額に応じた印紙が必要(電子契約は不要)
メール・Web・電子契約で受け取った請求書等は電子データのまま検索できる形で保存(2024年1月から義務)
取適法(中小受託取引適正化法・2026年1月施行、旧下請法)
委託先への支払は受領日から60日以内。手形払い・振込手数料の差し引きは禁止
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「契約書管理」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち4つは、自動化の候補です
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順1:契約審査依頼書に相手方・契約の種類・金額・期間・主な条件を書いて総務に出す
- 手順4:職務権限規程に従い、金額・内容に応じた決裁者が承認する
- 手順8:毎月、解約の通知期限が3か月以内に来る契約を担当部署に知らせる
よくある質問
- 電子契約にすると印紙はいりませんか?
- 電子データで締結した契約書には印紙税がかかりません。
- 契約書はいつまで保存しますか?
- 税法上は取引に関する書類として7年(欠損金がある年は10年)が目安です。社内では契約終了後10年などと決める会社が多いです。
- 相手方のひな形で締結してもよいですか?
- 可能ですが、自動更新や損害賠償の範囲など自社に不利な条項がないか審査します。