介護記録の作成の業務手順書テンプレート(介護事業所)
日々のケアの内容と利用者の様子を、決まった項目と書き方で記録し、申し送りでチームに共有し、ケアプランの見直しや事故時の説明に使えるよう保存するまでの流れです。手順書にしておくと、主観的な記録や書き漏れ、記録と請求の食い違いを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 誰が読んでも利用者の状態とケアの内容が分かる記録を、同じ書き方で残すための手順です。
- 範囲
- サービス提供時の記録から、申し送り、確認、ケアプランへの反映、保存まで。
- 始まるきっかけ
- 毎回のサービス提供時、利用者の状態に変化があったとき
- 頻度・量の目安
- 毎日・利用者1人あたり1日数回
- 使う書類・システム
- 介護記録(ケース記録)、バイタル・食事・排泄・水分の記録表、ケアプラン(居宅・施設サービス計画)、申し送りノート
担当と役割
介護職員
ケアの実施内容と利用者の様子の記録
看護職員
バイタル・服薬・医療的な観察の記録
リーダー・サービス提供責任者
記録の確認、申し送り、ケアマネジャーへの報告
管理者
記録の点検、保存の管理
手順(10ステップ)
- 準備介護職員・目安 10分
1. 勤務の始めに申し送りとケアプランの注意点を確かめる
前の勤務帯の変化、医師の指示、注意が必要な利用者を確認します。
- 確かめること
- ケアプランの目標と当日のケアを確認したか
- できあがるもの
- 申し送りの確認
2. バイタル・食事量・水分量・排泄を記録表に書く
測った時刻と値、食事は主食・副食を割合で書きます。
- 確かめること
- 普段の値と大きく違う場合に看護職員に報告したか
- できあがるもの
- 記録表の記入
- 記録介護職員・目安 1件3分
3. ケアの内容と利用者の様子を客観的に書く
「いつ・どこで・誰が・何を・どうした」で書き、利用者の言葉はかぎかっこで残します。
- 確かめること
- 「不穏」「機嫌が悪い」など主観だけの表現になっていないか
- できあがるもの
- ケース記録
- 記録介護職員・目安 1件5分
4. 普段と違う様子・ヒヤリハットを書き、報告する
転倒しそうになった、食事を残した、皮膚の赤みなどを、時刻と対応とともに書きます。
- 確かめること
- 事故に当たる場合は事故報告の手順に回したか
- できあがるもの
- 変化の記録・報告
- 記録看護職員・目安 1件3分
5. 服薬と医療的な観察を記録する
与薬の時刻・確認者、褥瘡の状態、医師への報告内容を書きます。
- 確かめること
- 服薬の記録と服薬管理表が一致するか
- できあがるもの
- 看護記録
- 確認リーダー・サービス提供責任者・目安 15分
6. 勤務の終わりに記録を確認する
書き漏れ、事実と推測の混在、略語の使い方を確認します。
- 確かめること
- 記録のない利用者がいないか
- できあがるもの
- 確認済み記録
- 申し送りリーダー・サービス提供責任者・目安 10分
7. 次の勤務帯に申し送る
変化のあった利用者、医師の指示、家族からの連絡を伝えます。
- 確かめること
- 申し送り内容を記録に残したか
- できあがるもの
- 申し送りノート
- 報告リーダー・サービス提供責任者・目安 10分
8. 状態の変化をケアマネジャー・家族に伝える
ケアプランの見直しが必要な変化を報告します。
- 確かめること
- 報告日と相手を記録したか
- できあがるもの
- 報告記録
- 修正介護職員・目安 随時
9. 記録を直すときは修正履歴が残る方法で直す
紙は二重線と訂正者・日付、電子は修正履歴を残します。
- 確かめること
- 修正液や上書きで消していないか
- できあがるもの
- 修正の記録
10. 記録を定めた期間保存する
サービスの完結の日から、基準の2年以上(自治体の条例で5年などの定めがあればその期間)保存します。
- 確かめること
- 自治体の条例の保存期間を確認したか
- できあがるもの
- 保存記録
締めのチェックリスト
- 申し送りを確認したか
- バイタルの時刻と値を書いたか
- 食事・水分・排泄を記録したか
- 客観的な書き方になっているか
- 利用者の言葉をそのまま残したか
- 変化とヒヤリハットを書いたか
- 服薬記録が服薬管理表と一致するか
- 記録のない利用者がいないか
- 修正履歴を残したか
- 保存期間を守っているか
よくあるミスと防ぎ方
主観的な記録
「不穏」「わがまま」だけでは何があったか分かりません。行動と言葉、時刻を具体的に書きます。
まとめ書き
勤務の終わりにまとめて書くと時刻や内容があいまいになります。ケアの直後に短く書きます。
記録と請求の食い違い
提供時間の記録が請求と合わないと、実地指導で返還を求められます。記録の時刻を正確に書きます。
測っておきたい指標
- 記録の書き漏れ件数
- 記録にかかる時間(1日あたり)
- 運営指導での記録の指摘件数
関係する法令・規格
指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準ほか
事業者は提供したサービスの具体的な内容などを記録し、その完結の日から2年間保存します(自治体の条例で5年とする例が多くあります)。
介護保険法(運営指導)
記録は運営指導(実地指導)で、サービス提供と請求の根拠として確認されます。
個人情報保護法
介護記録は要配慮個人情報を含みます。閲覧できる職員を限り、家族への開示は手続きに沿って行います。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(医療・介護・12業務)
- 「介護記録の作成」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち2つは、自動化の候補です
よくある質問
- 介護記録はどれくらい保存しますか
- 国の基準では完結の日から2年間ですが、多くの自治体が条例で5年としています。事業所のある自治体の条例を確認します。
- 記録の書き方の基本は
- 事実(見たこと・聞いたこと・したこと)と、判断・推測を分けて書きます。利用者の言葉はかぎかっこで残します。
- 記録の時間を減らすには
- タブレットで選択式と短文を組み合わせて記録し、請求や申し送りに自動で使えるようにすると負担が減ります。ジンベイ GenAppで記録の仕組みを作れます。