返戻・査定への対応の業務手順書テンプレート(医療機関)
審査支払機関から届く返戻レセプトと増減点連絡書を確認し、原因を分類して、修正して再請求するか、再審査請求するかを判断し、再発防止につなげるまでの流れです。手順書にしておくと、返戻の放置による請求漏れや、同じ理由の査定の繰り返しを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 返戻・査定を漏れなく処理し、取り戻せるものは取り戻し、同じ誤りを繰り返さないための手順です。
- 範囲
- 返戻・増減点連絡書の受け取りから、原因の分類、再請求・再審査請求、記録、点検手順への反映まで。
- 始まるきっかけ
- 審査支払機関から返戻レセプトや増減点連絡書が届いたとき(毎月)
- 頻度・量の目安
- 毎月・数件〜数百件
- 使う書類・システム
- 返戻レセプト(返戻内訳書)、増減点連絡書、カルテ・オーダー記録、返戻・査定管理表
担当と役割
医事課担当
返戻・査定の内容確認、修正、再請求
医師
医学的な理由の説明、再審査請求の判断
医事課責任者
再審査請求の可否、傾向の分析
審査支払機関
返戻・査定の通知
手順(10ステップ)
1. 返戻と増減点連絡書を受け取り、管理表に登録する
患者・診療月・保険者・理由コード・点数を登録します。
- 確かめること
- 全件を登録したか
- できあがるもの
- 返戻・査定管理表
2. 原因を分類する
資格(保険者の変更・記号番号違い)、病名漏れ、算定要件、記載漏れ、医学的判断(過剰と判断)に分けます。
- 確かめること
- 原因ごとに担当(受付・医事・医師)を決めたか
- できあがるもの
- 原因の分類
3. 資格返戻は正しい資格を確かめて再請求する
オンライン資格確認や患者への確認で正しい保険者を調べます。
- 確かめること
- 正しい保険者・番号に直したか
- できあがるもの
- 修正済みレセプト
- 事務医事課担当・目安 1件5分
4. 記載漏れ・算定誤りは修正して再請求する
カルテを確認し、根拠がある場合は記載を補って再請求します。
- 確かめること
- 根拠がないものを無理に再請求していないか
- できあがるもの
- 修正済みレセプト
- 医学医師・目安 1件10分
5. 医学的判断による査定は、カルテを見て再審査請求するか判断する
必要性を説明できる場合は、症状詳記を添えて再審査請求します。
- 確かめること
- カルテに必要性を示す記載があるか
- できあがるもの
- 再審査請求の可否
- 再審査医事課担当・目安 1件15分
6. 再審査請求書を作り、期限内に提出する
理由と根拠を簡潔に書き、原則6か月以内に提出します。
- 確かめること
- 提出期限を管理表で確認したか
- できあがるもの
- 再審査請求書
- 提出医事課担当・目安 30分
7. 修正した返戻分を翌月の請求で再提出する
再請求の対象を請求データに含めます。
- 確かめること
- 再請求の漏れがないか
- できあがるもの
- 再請求の記録
8. 処理結果と結果の通知を管理表に記録する
再請求・再審査の結果(復活・原審どおり)を記録します。
- 確かめること
- 未処理の返戻が残っていないか
- できあがるもの
- 管理表の更新
9. 査定の多い項目を集計する
項目・診療科・医師ごとに件数と点数を集計します。
- 確かめること
- 前月より増えた項目があるか
- できあがるもの
- 査定の集計
- 対策医事課責任者・目安 30分
10. 点検手順と院内への周知に反映する
レセプト点検のチェックリストに追加し、医局・各部門に周知します。
- 確かめること
- 対策の実施日を記録したか
- できあがるもの
- チェックリストの改訂・周知記録
締めのチェックリスト
- 全件を管理表に登録したか
- 原因を分類したか
- 資格返戻の保険者を確かめたか
- 記載漏れの根拠をカルテで確かめたか
- 医学的判断の査定を医師が見たか
- 再審査請求を期限内に出したか
- 返戻分を再請求に含めたか
- 処理結果を記録したか
- 査定の多い項目を集計したか
- 点検手順に反映したか
よくあるミスと防ぎ方
返戻の放置
返戻を後回しにすると請求漏れのままになります。管理表で未処理の件数を毎月確認します。
根拠のない再審査請求
カルテに記録がないまま請求しても結果は変わりません。カルテの記載を確認してから判断します。
原因を分析しない
同じ理由の査定が毎月続きます。項目別に集計し点検手順に反映します。
測っておきたい指標
- 返戻率・査定率
- 再審査請求による復活率
- 返戻の処理日数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
審査支払機関の再審査等請求
保険医療機関は、査定に不服がある場合に再審査を申し出ることができます。請求期限は原則として6か月以内とされています。
診療報酬の算定方法(告示)と留意事項通知
算定要件はここで定められています。査定の理由を確かめるときの根拠になります。
保険医療機関及び保険医療担当規則
診療録への必要事項の記載が求められます。再審査請求の根拠となる記録です。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(医療・介護・12業務)
- 「返戻・査定への対応」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち5つは、自動化の候補です
よくある質問
- 返戻と査定の違いは
- 返戻は記載不備などでレセプトが戻され、修正して再請求するものです。査定は審査で点数が減らされたもので、不服があれば再審査を請求します。
- 再審査請求の期限は
- 原則として6か月以内です。審査支払機関の案内で確認し、管理表に期限を入れます。
- 増減点連絡書の入力を減らすには
- 紙やPDFの増減点連絡書をジンベイ GenOCRで読み取り、管理表に自動で登録すると、集計と分析が早くなります。