麻薬・向精神薬の管理の業務手順書テンプレート(医療機関)
麻薬・向精神薬を譲り受けて保管し、施用・返納・廃棄のたびに帳簿に記録し、定期的に在庫を照合して、必要な届出を期限どおり行うまでの流れです。手順書にしておくと、帳簿と在庫の不一致や、届出漏れ、紛失時の対応の遅れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 麻薬及び向精神薬取締法に沿って、麻薬・向精神薬を確実に管理・記録するための手順です。
- 範囲
- 麻薬・向精神薬の譲受けから、保管、払出し、施用、残液の返納、廃棄、在庫照合、届出まで。
- 始まるきっかけ
- 卸から麻薬・向精神薬を譲り受けたとき、病棟から払出しの請求があったとき
- 頻度・量の目安
- 毎日(払出し・返納)、毎月(在庫照合)、毎年(年間届)
- 使う書類・システム
- 麻薬帳簿、麻薬処方箋、麻薬譲渡証・譲受証、向精神薬の受払い記録、鍵のかかる堅固な保管庫
担当と役割
麻薬管理者(薬剤師など)
麻薬の管理全般、帳簿の記録、届出
麻薬施用者(医師)
麻薬処方箋の交付
看護師
病棟での受取・施用・残液の返納
薬剤部・薬局担当
向精神薬の受払い記録、在庫照合
手順(11ステップ)
- 譲受け麻薬管理者(薬剤師など)・目安 10分
1. 卸から麻薬を譲り受け、譲受証を交付する
譲渡証と現品(品名・数量・製品番号)を照合し、帳簿に記録します。
- 確かめること
- 譲渡証と現品が一致するか
- できあがるもの
- 麻薬帳簿の受入記録
- 保管麻薬管理者(薬剤師など)・目安 5分
2. 麻薬を鍵をかけた堅固な設備に保管する
麻薬以外の医薬品(覚醒剤を除く)や現金・書類を一緒に入れません。
- 確かめること
- 保管庫の鍵を決めた人だけが管理しているか
- できあがるもの
- 保管
- 払出し麻薬管理者(薬剤師など)・目安 5分
3. 麻薬処方箋に基づき病棟へ払い出す
麻薬処方箋の記載事項(患者・品名・数量・施用者の免許番号)を確認し、帳簿に払出しを記録します。
- 確かめること
- 処方箋の記載事項がそろっているか
- できあがるもの
- 払出し記録
- 施用看護師・目安 5分
4. 受け取った麻薬を指示どおり施用し、記録する
施用した量と時刻、残量を記録します。
- 確かめること
- 受け取った量と施用量・残量の合計が合うか
- できあがるもの
- 施用記録
- 返納看護師・目安 5分
5. 残液・使用済みアンプル・不要になった麻薬を麻薬管理者に返す
病棟で廃棄せず、すべて返納します。
- 確かめること
- 返納量が記録と一致するか
- できあがるもの
- 返納記録
- 廃棄麻薬管理者(薬剤師など)・目安 10分
6. 施用の残液は他の職員の立会いのもとで廃棄し、帳簿に記録する
回収できないように廃棄します。
- 確かめること
- 立会い者の氏名を記録したか
- できあがるもの
- 廃棄記録
- 廃棄麻薬管理者(薬剤師など)・目安 30分
7. 期限切れ・不要の麻薬は、事前に都道府県知事に廃棄届を出してから廃棄する
調剤済みの麻薬を廃棄したときは、30日以内に調剤済麻薬廃棄届を出します。
- 確かめること
- 事前の届出と、事後の届出を区別したか
- できあがるもの
- 廃棄届
8. 帳簿の残高と在庫を定期的に照合する
品目ごとに数え、帳簿の残高と一致するか確認します。
- 確かめること
- 不一致がある場合の原因を調べたか
- できあがるもの
- 在庫照合の記録
- 事故麻薬管理者(薬剤師など)・目安 即時
9. 紛失・盗難・破損があったときは、すぐに都道府県知事に事故届を出す
盗難の場合は警察にも届け出ます。
- 確かめること
- 発見から速やかに届け出たか
- できあがるもの
- 麻薬事故届
- 向精神薬薬剤部・薬局担当・目安 5分
10. 第1種・第2種向精神薬の譲受け・譲渡・廃棄を記録する
品名・数量・年月日・相手方を記録し、鍵をかけた設備に保管します。
- 確かめること
- 記録を2年間保存しているか
- できあがるもの
- 向精神薬の受払い記録
11. 毎年、前年10月1日から当年9月30日までの麻薬の受払いを年間届として出す
11月30日までに都道府県知事へ提出します。
- 確かめること
- 帳簿の数字と届の数字が一致するか
- できあがるもの
- 年間届
締めのチェックリスト
- 譲渡証と現品を照合したか
- 堅固な保管庫に鍵をかけて保管したか
- 保管庫に麻薬以外を入れていないか
- 麻薬処方箋の記載事項を確認したか
- 施用量と残量の合計が合うか
- 残液をすべて返納したか
- 廃棄に立会い者がいるか
- 廃棄届を期限どおり出したか
- 帳簿と在庫を照合したか
- 年間届を11月30日までに出したか
よくあるミスと防ぎ方
病棟での残液の廃棄
病棟で捨てると記録と合わなくなります。残液はすべて麻薬管理者に返納します。
帳簿の記入の遅れ
まとめて記入すると不一致の原因が分からなくなります。払出し・返納・廃棄のたびに記録します。
事故届の遅れ
アンプルを割ったときも事故届が必要です。発見したらすぐ麻薬管理者に報告する流れにします。
測っておきたい指標
- 帳簿と在庫の不一致件数
- 事故届の件数
- 届出の期限遵守
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
麻薬及び向精神薬取締法(麻薬の管理)
麻薬施用者が2人以上いる診療施設では麻薬管理者を置きます。麻薬は鍵をかけた堅固な設備内に保管し、帳簿に受払いを記録して最終記載の日から2年間保存します。
麻薬及び向精神薬取締法(届出)
麻薬の滅失・盗取・破損などは速やかに事故届、調剤済麻薬の廃棄は30日以内に届出、毎年11月30日までに年間届を都道府県知事に提出します。
麻薬及び向精神薬取締法(向精神薬)
向精神薬は鍵をかけた設備で保管し(医療従事者が常に注意している場合を除く)、第1種・第2種の譲受け等を記録して2年間保存します。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(医療・介護・12業務)
- 「麻薬・向精神薬の管理」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち2つは、自動化の候補です
よくある質問
- 麻薬管理者は必ず置く必要がありますか
- 麻薬施用者が2人以上いる診療施設では、麻薬管理者を置く必要があります。1人の場合はその施用者が管理します。
- アンプルを割ってしまったときは
- 破損として事故届の対象です。破損した状況を記録し、麻薬管理者が都道府県知事に届け出ます。
- 帳簿の管理を楽にするには
- 受払いの記録をジンベイ GenAppで電子化し、在庫照合や年間届の集計を自動化すると、記入漏れや計算違いを減らせます。法令で求める記録事項がそろうように設計します。